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「フラット35S」は、フラット35の審査基準を満たす住宅のなかでも、耐震性、省エネ性などに優れた住宅を取得する場合に利用できる支援制度で、一定期間の金利が引き下げられるのが最大の特徴です。
定められた技術基準をどこまで満たすかによって引き下げ期間が決まり、レベルが高い場合は10年間の「金利Aプラン」を、それより劣る場合は5年間の「金利Bプラン」を利用できます。新築・中古住宅にかかわらず利用可能ですが、借り換えに使うことはできません。
以下は技術基準の概要です。少々難しいことが書いてありますが、”優良住宅”の取得支援制度だけあって、かなり高い基準が求められると思ってください。
条件 | 金利Aプラン | 金利Bプラン |
---|---|---|
クリア基準 | (1)~(7)のいずれか1つ以上の基準を満たすこと | (1)~(6)のいずれか1つ以上の基準を満たすこと |
省エネルギー性 | (1)認定低炭素住宅 (2)住宅事業建築主基準(トップランナー基準)に適合する住宅(一戸建てに限る) (3)一次エネルギー消費量等級5の住宅 (4)性能向上計画認定住宅(建築物省エネ法) |
(1)断熱等性能等級4の住宅 (2)一次エネルギー消費量等級4以上の住宅 |
耐震性 | (5)耐震等級(構造躯体の倒壊等防止)3の住宅 | (3)耐震等級(構造躯体の倒壊等防止)2以上の住宅 (4)免震建築物 |
バリアフリー性 | (6)高齢者等配慮対策等級4以上の住宅(共同住宅の専用部分は等級3でも可) | (5)高齢者等配慮対策等級3以上の住宅 |
耐久性・可変性 | (7)長期優良住宅 | (6)劣化対策等級3の住宅で、かつ、維持管理対策等級2以上の住宅 |
引き下げ期間 | 当初10年 | 当初5年 |
※フラット35の技術基準を満たしていること
※新築住宅・中古住宅共通
※より詳しくは公式ページをご覧ください
引き下げ幅は、2016年1月29日までの申込みでは0.6%でしたが、執筆時現在は以前の基準である0.3%に引き上げられています。
では、どれくらい節約できるのか、試算してみましょう。
金利 | 毎月返済額 | 総返済額 | フラット35との差額 | ||
---|---|---|---|---|---|
フラット35 | 全期間 | 1.2 % | 8.8 万円 | 3,676 万円 | – |
フラット35S 金利プランA |
当初10年間 | 0.9 % | 8.4 万円 | 3,590 万円 | 86万円 |
11年目以降 | 1.2 % | 8.7 万円 | |||
フラット35S 金利プランB |
当初5年間 | 0.9 % | 8.4 万円 | 3,630 万円 | 46万円 |
6年目以降 | 1.2 % | 8.7 万円 |
マイナス金利の影響でタダでさえ低くなった金利が、一定期間とはいえ0.3%優遇されるのは大きなメリットだと思います。事実、今回の試算でも最大で86万円もの節約効果が見られました。以前の0.6%に比べると見劣りするものの、質の高い住宅を購入しようしている人は利用しない手はないでしょう。