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【20代編】年代・性別で考える医療保険の保障内容や保険料の相場

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このページでは、20代で民間の医療保険に加入する必要があるのか? あるなら、どのような保障内容で、保険料の目安はどれくらいが適当か?を考えています。 

20代の人で、医療保険への加入を検討している人の参考になれば幸いです。

公的医療保険制度と民間の医療保険

社会に出て間もない20代ですが、就職すれば職場の健康保険に、自営業の人は国民健康保険に加入しますので、医療費の自己負担は3割で済みます。また、1ヶ月(月初~月末)の自己負担上限額は定められており、それを超えた場合に払戻しが受けられる「高額療養費制度」があります。

70歳未満の自己負担限度額(月額)
適用区分 自己負担限度額(1ヵ月)
区分【ア】上位所得者 年収約1,160万円以上 (健保:標準報酬月額83万円以上 国保:旧ただし書き所得901万円以上) 25万2,600円+(総医療費-84万2,000円)×1%
年4ヵ月目の多数該当より一律14万100円
区分【イ】上位所得者 年収約770~約1,160万円 (健保:標準報酬月額53~79万円 国保:旧ただし書き所得600~901万円) 16万7,400円+(総医療費-55万8,000円)×1%
年4ヵ月目の多数該当より一律9万3,000円
区分【ウ】一般 年収約370~約770万円 (健保:標準報酬月額28~50万円 国保:旧ただし書き所得210~600万円) 8万100円+(総医療費-26万7,000円)×1%
年4ヵ月目の多数該当より一律4万4,400円
区分【エ】一般 年収約370万円未満 (健保:標準報酬月額26万円以下 国保:旧ただし書き所得210万円以下) 5万7,600円
年4ヵ月目の多数該当より一律4万4,400円
区分【オ】低所得者 住民税非課税の世帯 3万5,400円
年4ヵ月目の多数該当より一律2万4,600円

たとえば、一般年収(約370万円~約770万円)で総医療費が100万円だった場合、1ヶ月の自己負担は8万7,430円で済みます。ただし、食事代、差額ベッド代、先進医療にかかる費用は高額療養費の対象外です。

民間の医療保険は、基本的に、入院したら受け取ることができる「入院給付金」と、所定の手術を受けたら受け取ることができる「手術給付金」があり、その他の特約は各社により異なります。

20代で医療保険は必要か?

では、20代で民間の医療保険に加入する必要があるのでしょうか?

20代は病院にかかる「受療率」が他の年代と比べても低く、公的医療保険だけでも十分だという意見があります。しかし、高額療養費制度は、月をまたいで治療した場合、自己負担額の合算はできません。また、20代ではまだ収入も多くなく、万が一大病を患ってしまうと貯蓄で備えるのは難しい場合も考えられます。

平成27年における29歳以下の医療保険の加入率は91.5%(生命保険文化センター調べ)でしたので、自分で備える必要を感じている人は多いのでしょう。

つまり、公的保障の不足部分を民間の医療保険で準備しておくのはメジャーな考えだと言うことができます。

医療保険を選ぶ主なポイント

20代が医療保険を選ぶ主なポイントを見ていきましょう。

給付金日額

1入院あたりの給付金日額は、高額療養費制度があるので、約9万円を30日間で割ると計算して日額5,000円程をお勧めします。ただし、個室ベッドなどを希望する場合はそれでは足りず、日額1万円ぐらいを目安にしてもいいでしょう。

自営業の人は傷病手当金(病気やケガで就業不能になった場合、月給の3分の2を最長16ヵ月受け取ることができる制度)がないので、所得補償として日額保障を厚くするのも有りです。

保障期間

一生涯保障が続く「終身型」と、定められた保障期間の「定期型」があります。

医療の進歩や医療制度の改正などによって、20代で加入した医療保険の内容が何年も経つと時代に合わなくなり、新しい医療保険に切り替えことも十分あり得ます。

社会に出たばかりの20代は、まだ収入も多くなく、日々の生活費に加えて将来のための貯蓄も必要です。そこで、20代は割安な保険料で更新時に見直しがしやすい「定期型」が向いています。ただ、健康状態によって切り替えができないこともあり、その場合は更新時に保険料が上がってしまいます。

「終身型」は、一定期間内の保険料は「定期型」よりも割高ですが、更新がないので、保険料が上がることはありません。終身払を選ぶことで総支払保険料を抑えることができますので、一生涯の保障を得ながら必要に応じての見直しも可能です。

特約

受療率を考えても20代はシンプルな保障でいいと思いますが、特約を付けることで保障を充実させることができます。

その主な特約として、「先進医療特約」があります。

先進医療とは厚生労働大臣が定めた「高度な技術を用いた治療」のことを指し、先進医療でかかった技術料は健康保険の対象外となっています。

先進医療の技術料は数千円のものから300万円ぐらいのものまで、さまざまな種類がありますが、「先進医療特約」を付加すれば、その技術料を1,000万円や2,000万円など一定の範囲内で実費が保障されます。先進医療を受けられる医療機関は限られているので、治療を受ける確率は高いとは言えませんが、保険料は100円前後ですので、お守り代わりに「先進医療特約」を付加してもいいでしょう。

女性の場合、女性特有の病気やがんに手厚い「女性特約」があります。女性特有の病気だからといって治療費が特別にかかることはありませが、心配な人は検討してください。

必要な保障内容から考える

各社保障内容や保険料が異なるので、まずは、必要な保障内容を考えてから、自分に合った保険会社を探すことをお勧めします。保障期間やどのような特約を付加するかにもよりますが、20代の場合、男女とも保険料は~2,000円ぐらいを目安にするといいでしょう。

20代は就職・結婚など人生の転機を迎える人が多い年代です。そこで、最低限の保障に加入し、ライフプランや医療の変化に合わせて保障を見直していきましょう。

2019年プロFPが認めたおすすめの医療保険はどれ?

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