【40代編】年代・性別で考える医療保険の保障内容や保険料の相場

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ここでは、40代で民間の医療保険に加入する必要があるのか? あるなら、どのような保障内容で、保険料の目安はどれくらいが適当か?を考えます。

40代の人で、医療保険への加入や見直しを検討している人の参考になれば幸いです。

公的医療保険制度と民間の医療保険

公的な医療保険は、会社員や公務員などが加入する職場の健康保険と、それ以外の人が加入する国民健康保険があります。日本では誰もが何らかの公的医療保険に加入する国民皆保険になっています。医療費の自己負担は3割負担、そして、1か月(月初~月末)の自己負担上限額が定められており、それを超えた場合には払戻しが受けられる、「高額療養費制度」があります。

70歳未満の自己負担限度額(月額)
適用区分 自己負担限度額(1ヵ月)
区分【ア】上位所得者 年収約1,160万円以上 (健保:標準報酬月額83万円以上 国保:旧ただし書き所得901万円以上) 25万2,600円+(総医療費-84万2,000円)×1%
年4ヵ月目の多数該当より一律14万100円
区分【イ】上位所得者 年収約770~約1,160万円 (健保:標準報酬月額53~79万円 国保:旧ただし書き所得600~901万円) 16万7,400円+(総医療費-55万8,000円)×1%
年4ヵ月目の多数該当より一律9万3,000円
区分【ウ】一般 年収約370~約770万円 (健保:標準報酬月額28~50万円 国保:旧ただし書き所得210~600万円) 8万100円+(総医療費-26万7,000円)×1%
年4ヵ月目の多数該当より一律4万4,400円
区分【エ】一般 年収約370万円未満 (健保:標準報酬月額26万円以下 国保:旧ただし書き所得210万円以下) 5万7,600円
年4ヵ月目の多数該当より一律4万4,400円
区分【オ】低所得者 住民税非課税の世帯 3万5,400円
年4ヵ月目の多数該当より一律2万4,600円

たとえば、一般年収(約370万円~約770万円)で総医療費が100万円だった場合、1ヶ月の自己負担は8万7,430円で済みます。これは大きな手助けになり、「高額療養費があるから医療保険は不要」という専門家もいるほどです。ただし、食事代、差額ベッド代、先進医療にかかる費用は高額療養費の対象外です。

民間の医療保険は、基本的に、入院したら受け取ることができる「入院給付金」と、所定の手術を受けたら受け取ることができる「手術給付金」があり、その他の特約は各社により異なります。

40代で医療保険は必要か?

では、40代で民間の医療保険に加入する必要があるのでしょうか?

十分な貯蓄があれば医療保険に加入する必要は低いと言えますが、40代は、収入は増えてきても、子供がいる場合は教育費にお金がかかったり、住宅ローンの支払いが重なったりと、なかなか貯蓄ができない年代です。また、健康面で不安を感じはじめる年代でもありますので、40代で医療保険の必要性は少なくないと考えます。

すでに加入している人は、その保障内容が今の医療事情に合っているかどうかを確認しましょう。 万一に備えて過不足のない医療保険を検討し、貯蓄と保険の両方でリスクに備えるといいでしょう。もちろん、「公的保障の不足部分を民間の医療保険でカバーする」が原則です。すべてを医療保険で賄う必要はありません。

医療保険を選ぶ主なポイント

40代が医療保険を選ぶ主なポイントを見ていきましょう。

給付金日額

高額療養費制度があるので、70歳未満なら、1入院あたりの給付金日額は日額5,000円程をお勧めします(約9万円を30日間で割ると計算)。ただし、個室ベッドなどを希望する場合はそれでは足りず、日額1万円ぐらいを目安にしてもいいでしょう。

自営業の人は傷病手当金(病気やケガで就業不能になった場合、月給の3分の2を最長16ヵ月受け取ることができる制度)がないので、所得補償として日額保障を厚くするのも有りです。

保障期間

一生涯保障が続く「終身型」と、定められた保障期間の「定期型」があります。

40代で医療保険に加入していない人は、保険料が上がらず、家計管理もしやすい「終身型」のほうがいいかもしれません。払込方法を一生涯払い続ける「終身払」にするか、60歳や65歳で払い終わる「有期払」にするかで保険料が変わりますので、自身の状況に応じて決めるといいでしょう。ここに正解はありません。

若いときに「定期型」に加入した人は、更新すると保険料が上がってしまうので、健康状態にもよりますが、更新がなく総支払保険料を抑えることができる「終身型」に乗り換えてもいいでしょう。 ただし、一定期間で保険料を比較すると(それまでより保険料が上がるとはいえ)「定期型」のほうが安いため、「一生涯の保険に入るかどうか」が判断の決め手となります。

特約

高額療養費制度がある限り、40代でも最低限の保障で十分だとは思いますが、20代や30代よりも受療率は高くなるのは事実ですので、必要に応じて特約を付けましょう。

先進医療特約

先進医療とは厚生労働大臣が定めた「高度な技術を用いた治療」のことを指し、先進医療でかかった技術料は健康保険の対象外となっています。

先進医療の技術料は数千円のものから300万円ぐらいのものまで、さまざまな種類がありますが、「先進医療特約」を付加すれば、その技術料を1,000万円や2,000万円など一定の範囲内で実費が保障されます。先進医療を受けられる医療機関は限られているので、治療を受ける確率は高いとは言えませんが、保険料は100円前後ですので、お守り代わりに「先進医療特約」を付加してもいいでしょう。

がんの一時金特約(がん診断給付金など)

40代はそろそろ生活習慣病やがんのリスクを意識する年代です。そこで、貯蓄で足りない部分をがん診断一時金で備える方法もあります。余裕があれば、別途がん保険に加入することで保障を厚くしてもいいでしょう。

女性の場合、女性特有の病気やがんに手厚い「女性特約」があります。女性特有の病気だからといって治療費が特別にかかることはありませが、心配な人は検討してください。

必要な保障内容から考える

40代の多くは子供の教育資金や住宅ローンの支払いのある年代です。加えて、老後の資金準備を始める年代でもあります。

保険の掛け金が家計を苦しめるのが本末転倒なのはどの年代でも同じですが、述べたとおり大切な時期ですので、必要な保障内容を厳選してから、自分に合った過不足のない保険を探すことをお勧めします。

保障期間やどのような特約を付加するかにもよりますが、40代の場合、男女とも保険料は4,000円程度を目安にするといいでしょう。もちろん、ケース・バイ・ケースであることは重ねて言っておきます。

2019年プロFPが認めたおすすめの医療保険はどれ?

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