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アクサ生命の医療保険です。平均在院日数の短期化や通院患者数の増加といった医療環境の変化に対応するため、それまで販売していた「プライム」シリーズからいろいろな変化が見られます。
どんな保障内容になっているのか、「一生保障」の医療保険 スマート・ケアについて調べてみました。
同社イチオシの主契約は通院給付金。入院を伴わない日帰り手術後の通院までカバーしており、同社調べによるとこれは日本初(2017年7月現在)。
入院前後の通院や主契約の通院も1回最長30日まで保障してくれますが、プランによっては通院保障がないため、保障内容はよく確認してください。
こちらの医療環境の変化に応じた保障。病気やケガで入院した場合、日数にかかわらず、日帰りでも一時金を受け取れます。給付額は「基本給付金額×10(1回の入院につき1回、50回限度)」ですから、5,000円だと5万円、1万円だと10万円となります。
平均在院日数は短縮化しているので時代にマッチしているとはいえ、5万円程度ですと少々頼りない気もします。
重症化予防特約は、疾病により所定の状態に該当したとき、「重症化予防見舞金」という名目で一時金が出る保障です。たとえば、上皮内がんと診断確定されれば10万円、悪性新生物の場合は50万円など、疾病の重さによって二段階に分けられています(所定の状態は「主な特約・特則」をご覧ください)。
仕組みとしては通常の一時金と特に変わらないものの、「重篤になる前の予防に役立ててほしい」という商品開発者の意図が見えます。
あくまで概要ですので、詳細はパンフレットや公式サイトなどでお確かめください。
契約可能年齢 | 0~80歳 |
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保険期間 | 終身 |
保険料料払込期間 | 10年、15年、20年 55歳、60歳、65歳、70歳、75歳、終身 |
払込回数 | 月払・年払 |
給付金 | 主な支払条件・保障内容 |
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入院治療一時金 | ・1日以上入院したとき |
集中治療給付金 | 集中治療室管理を受けたとき |
手術給付金 | ・所定の手術を受けたとき ・種類に応じて5万・10万・20万・50万円 |
放射線治療給付金 | ・所定の放射線治療を受けたとき |
通院治療給付金 | 入院前・退院後、手術後に通院したとき |
給付金 | 主な支払条件・保障内容 |
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入院給付特則(A型) | ・1日以上入院したとき |
3大疾病保険料払込免除特約 | ・悪性新生物の診断確定 ・急性心筋梗塞・脳卒中の治療を目的とした手術もしくは5日以上の入院 |
女性疾病入院・特定手術給付特約 | ・女性疾病により入院したとき ・乳房・子宮または子宮附属器(卵巣および卵管)の手術を受けたとき ・乳房再建術を受けたとき |
3大疾病一時金特約 | ・がん・急性心筋梗塞・脳卒中により所定の状態になったとき ・上皮内がんと診断確定されたとき |
重症化予防一時金・見舞金特約 | ・がん(上皮内がん含む)と診断確定されたとき ・初期糖尿病、骨粗しょう症、関節リウマチにより入院または通院したとき ・重度の糖尿病によりインスリン療法を60日間継続して受けたとき ・急性心筋梗塞、脳血管疾患、肝硬変、慢性腎臓病により入院または通院したとき |
先進医療給付特約 | ・先進医療による療養を受けたとき ・技術料と同額 ・一時金15万円有り |
介護終身保険特約 | ・所定の介護状態に該当・継続としたとき ・死亡・高度障害状態になったとき |
患者申出療養特約 | ・患者申出療養として実施された療養を受けたとき ・1回の療養につき患者申出療養にかかる技術料と同額 |
では、実際に保険料を見積もってみましょう。Web上では、スタンダードプラン、ライトプランの2コースからシミュレーションができますが、今回は手厚いほうのスタンダードプランで見積もりしました。
以上の条件で、20歳~60歳の男女の保険料は下記となります。
契約年齢 | 男性 | 女性 |
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20歳 | 1,898円 | 2,068円 |
30歳 | 2,403円 | 2,423円 |
40歳 | 3,233円 | 2,823円 |
50歳 | 4,943円 | 4,018円 |
60歳 | 7,713円 | 6,053円 |
自由度が少ないシミュレーションツールですが(特約の追加ができない)、とても簡単な操作で表示も早く、ストレスなく動かせたのは評価ポイントです。
以前のプライムシリーズでは、従来の(保険会社が取り決めた)88種類の手術のみが給付金の対象でしたが、スマート・ケアは公的医療保険制度となっている約1,000種となりました。とはいえ、他社ではほとんどの商品がこの約1,000種ですから、スマート・ケアがそれに「追いついた」または「合わせてきた」と言っていいでしょう。
先進医療特約は、技術料のほか一時金も受け取れます。手術の種類にかかわらず15万円請求でき、交通費や宿泊代の足しに良さそうです。
2016年4月からはじまった患者申出療養にも対応。未承認薬などの先進的な医療をより身近な医療機関で受けたい患者をサポートするためのものですが、別個に特約を設けている商品は珍しいです。1回の療養につき患者申出療養にかかる技術料と同額が保障されます。
当サイトによくお問い合わせいただく内容をまとめました。なお、パンフレットなどの資料にも記載のある内容ですので、もっと詳しく知りたい場合はそちらをご覧ください。
いいえ。入院給付特則(A型)を追加すれば、入院日数に応じて入院給付金が受け取ることができます。保険料例で紹介したプランのうち、ライトプランを選ぶと入院給付特則(A型)はありません。
いいえ。大前提として、入院治療一時金が支払われる入院前後の通院に限られます。つまり、入院や手術の偏印となる通院でないとこの給付金はおりません。
また、次のような期限も定めてあります。
《入院前後の通院》
・入院開始日の前日からさかのぼって60日以内に派生した通院
・退院日の翌日からその日を含めて120日以内に派生した通院
《手術後の通院》
・手術を受けた日の翌日からその日を含めて120日以内に発生した通院
通院給付金に重きを置いているわかりやすい医療保険であり、この点に魅力を感じるかどうかで評価が分かれるでしょう。昔に比べて通院治療が増えているのは確かですが、入退院前や手術後の通院がそこまで頻繁になるのかは微妙なところ。
重症化予防特約や患者申出療養サポートなど特色ある保障は評価したいとは思うものの、それらのポイントが他社商品より本当に優れているのか、じっくりと比較・検討したい商品です。