【医療保障】定期型と終身型との違いを徹底比較。あなたに合っているのはどっち?

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医療保険には、保険期間が一定期間で終わる「定期型」と、一生涯続く「終身型」の2種類があります。 両タイプとも必要としている層が異なり、メリット・デメリットはライフスタイルや個人の思考に応じて見え方が変わります。

定期型と終身型にはどんな違いがあるのか、詳しくみていきましょう。


保障期間の違い

冒頭で述べたとおり、両タイプの違いは「保障が一生続くか続かないか」です。

定期型

定期型は3年や5年、長いものでは10年以上の保障もありますが、とにかく限定的な保障を得たい人向けです。「収入が安定しない間」や「子どもが小さい間」など、医療費で家計を圧迫したくない期間に当たりをつけている人に適しているでしょう。

また、保障期間が区切られているということは、保険の見直しもしやすいということです。人生その時々でさまざまな変化があるでしょうから、自分の変化に応じてフットワーク軽く保険を見直したい人に向いているといえます。

ただし、60歳や70歳以上は入れないなど年齢制限が設けられています。

終身型

一方、終身型は一生ものの保障を得たい人が選ぶ保険です。長い人生、いつどんな怪我や病気をするかわからないため、一度の契約で終身の医療費に備えたいなら終身型の医療保険が向いています。

定期型と違い、保険の見直しがしにくいのがデメリットですが、初めに納得のいくものに入っておけばそもそも見直しは必要ないという見方もあります。

もっとも、医療の世界は日進月歩で進化していくため、加入時は主流だったり最新だったりする医療技術が将来も使われているとは限りません。一生ものの保障という言葉は魅力的ですが、現実的にはなかなか難しいということも頭の片隅に入れておいてください。

保険料の違い

保障期間が異なることで保険料の決まり方も異なります。

定期型

いわゆる「掛け捨て」という払い方で、払い込んだ保険料が返ってくることはありません。この後に説明する終身型の保険には貯蓄機能を兼ねているものがあるため、比較すると損をしている気分になる人もいるでしょうが、そもそも期間限定で保障を買っているのですから、損も得もありません。むしろ保険本来の姿というべきシンプルなタイプです。

保険料は契約時の年齢で決まり、保障期間が短いぶん、終身型よりも安く設定されています。

例:A社で、30歳・男性・入院給付日額5,000円でシミュレーションした月額保険料
定期型 終身型
30~40歳 970円 30歳~ 1,635円
40~50歳 1,280円 40歳~ 2,175円
50~60歳 2,040円 50歳~ 2,995円
60~70歳 3,050円 60歳~ 4,200円

保障が必要な期間を限定的に考えている人は、やはり定期型が向いています。しかし、30~40歳まで契約したが、やっぱり40歳からも延長、50歳からも……と更新し続けていると、年齢に応じて保険料がアップするので注意が必要です。

長期間、医療保険に加入し続けるなら、若いうちに終身型に入った方が保険料の総支払額は終身型の方が安くなります。

終身型

定期型と違い、加入時の保険料が変わることはありません。これは、若い頃の安い保険料も、年を重ねたときの高い保険料も、すべて平準化して一定にしているためです。そのため、同じ年齢で比較したときの保険料は定期型より割高になりますが、長いスパンの総支払額で見ると定期型よりも安くなる傾向があります。

老後の入院費を若いうちから確保できるという意味では、定期型よりも優れているという考え方ができます。しかし、解約しないことが前提になるので、物価上昇など社会に変化が起きたときに対応しにくいのがデメリットです。

終身払いと短期払済

終身型保険にも、死ぬまで保険料を払い続ける「終身払」と、60歳や65歳までに一生分の保険料を先払いする「短期払済」があります。保険料は短期払済の方が高くなりますが、一度払い終えるとそれ以降保険料はかからないので、長生きした場合、終身払よりお得なることがあります。

例:B社で、30歳・男性・入院給付日額5000円でシミュレーションした月額保険料
終身払い 65歳払い 60歳払い
1,537円 1,946円 2,185円

一般的に人気が高いのは短期払済です。たとえ2,000円程度の出費でも、定年退職後の収入は予測しにくいため、お金のあるうちに支払っておこうという考えです。

解約返戻金

先程説明したとおり定期型は「掛け捨て」ですが、終身型は貯蓄を兼ねたタイプもあり、保険を解約した際に掛金のいくらかが戻ってくる「解約返戻金」があるタイプもあります。積立部分も合わせて払うため、代わりに保険料が高くなるのですが、掛け捨てタイプがどうしても嫌だという人は解約返戻金ありの保険を選びましょう。

最近は、解約返戻金がないか、解約しても戻ってくる額が通常タイプよりも60~70%低い「低解約返戻金型」が主流です。解約返戻金は期待できませんが、そのぶん余分な保険料が乗っていないこと、貯蓄は別の方法でやればいいと考える人が増えてきたことから人気が出ました。

まとめ

定期型と終身型の違いをメリット(○)・デメリット(×)に分けてまとめました。

比較項目 定期型 終身型
保障期間 5年、10年ごとなど更新が必要
(○)保険の見直しがしやすい
(×)60歳や70歳など年齢制限がある
一生涯続く
(○)1度の契約で老後も安心
(×)保険の見直しがしにくい
保険料 加入時の年齢で決まり、更新時も年齢に応じて変動する
(○)終身型よりも安い
(×)年齢が上がるにつれ高くなる
(○)物価の価格変動やライフプランの変化に対応しやすい
加入時の年齢で決まり、その金額で一生固定
(×)定期型よりも割高
(△)支払いが一生続く。ただし60歳払込など払込期間の短縮も可能
(×)物価の価格変動やライフプランの変化に対応できない
解約返戻金 掛け捨て 選択可能

どちらがお得か?ですが、表を見てもわかるとおり、あっちを立てればこっちが立たずで、互いのメリット・デメリットは相関関係にあります。
医療保険は若いうちだけでいい、老後の医療費は貯蓄で対応するという人なら定期型がマッチしていますし、年齢にかかわらず一生涯の安心を買いたいという人は終身型がいいでしょう。

一概に良い悪いを決めることはできないため、自分のライフスタイルやライフステージをよく考慮して選んでください。

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