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ネオファースト生命の「からだプラス」を徹底分析

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7大生活習慣病で入院したとき、一時金で100万円が受け取れる保険です。自分の健康状態次第で保険料が安くなる仕組みで、保険料をおさえたい方(皆さんそうでしょうが)は検討の余地ありかも。

ネオファースト生命の「からだプラス」について、調べてみました。


《これだけは押さえる》保障内容の特徴

7大生活習慣病で入院すると一時金で100万円

からだプラスは、7大生活習慣病(※)の治療を目的とした入院(日帰り入院も含む)をした場合、100万円の給付金が受け取れる保険です。入院日数に応じてではなく、まとまった額を一括で受け取れるのはメリットでしょう。ただし、1年に1回、通算で10回を限度としています。

死亡や高度障害の場合の保障はありません。ケガの入院や、その他の病気で入院した場合も保障されません。

※7大生活習慣病とは下記の7つをいいます。

  • ガン(上皮内ガンも含む)
  • 心・血管疾患(急性心筋梗塞、狭心症、心不全など)
  • 脳血管疾患(脳梗塞、脳出血、くも膜下出血など)
  • 高血圧性疾患(高血圧性心不全など)
  • 腎疾患(慢性腎不全など)
  • 肝疾患(肝硬変、肝炎、脂肪肝など)
  • 糖尿病

健康年齢が若ければ保険料が安くなる

はじめて加入するときは実年齢で保険料が決まりますが、3年後の更新時から健康年齢で決まります。健康状態がいいと保険料が安くなるということです。

健康年齢は、被保険者が受けている健康診断の結果が反映され、数値が良くないと健康年齢が実年齢よりも高くなります(実年齢プラス5歳が上限)。健康年齢の算定に必要な検査項目は下記のとおりです。男性と女性では少し違いがあります。

検査項目 健康年齢算定に必要な項目
男性 女性
BMI   体重kg÷身長㎡  
最高  
最低
尿検査 尿蛋白
血液検査 HDLコレステロール
中性脂肪  
GOT
γ―GTP
HbA1c

更新のたびに健康診断結果を提出する義務があるので、自営業者など、職場での定期健診がない人にとっては、良い習慣づくりに貢献してくれそうです。一般的に保険の更新といえば保険料が上がるというイメージですが、「からだプラスなら安くなるかもしれない」ため、ちょっとした楽しみになるかもしれません。

健康でも年齢が高くなれば保険料は負担に感じる

保険料は健康年齢で決まる、とは言っても、更新が3年ごとにやってきて少しずつ保険料が上がっていくことに違いはありません。若いうちは安かった保険料も健康年齢が65歳になる頃には5,000円を超えます(月払・男性)。

また70歳での更新時は、保障も保険料の払い込みも「終身」に変更されます。男性は月払7,994円、女性が月払5,609円を、生きている限り、または保険を解約するまでの間、一生涯払い込むことになります。老齢期になってもこの保障が必要であれば続けるようですが、それにはちょっと高いかなと感じます。

基本情報と主な保障内容

あくまで概要ですので、詳細はパンフレットや公式サイトなどでお確かめください。

契約情報

契約可能年齢 20~65歳
保険金額 100万円
保険期間・
料払込期間
3年ごと自動更新(70歳時終身に移行)
払込回数 月払・年払

主契約

給付金 主な支払条件・保障内容
入院一時給付金 ・被保険者が7大生活習慣病の治療を目的として入院した場合
・100万円(11回、通算10回限度)

加入するなら

保険料例

では、実際に保険料を見積もってみましょう。

  • 7大生活習慣病入院一時給付金:100万円
  • 月払保険料

以上の条件で、20歳~60歳の男女の保険料を、保険料の料率ごとに計算してみます。()は3年更新後の上限です。

健康保険料率
契約年齢 男性 女性
20歳 1,296(→1,161)円 1,746(→1,512)円
30歳 1,532(→1,517)円 1,942(→1,625)円
40歳 2,053(→2,267)円 2,113(→2,029)円
50歳 3,161(→3,729)円 2,687(→2,524)円
60歳 5,169(→6,074)円 3,378(→3,735)円

知っておきたい3つのポイント

1.特約がない

主契約が使い勝手のいい入院一時金だけというのはメリットだと思う半面、ちょっとシンプルすぎると考える方もいるようです。なんといっても、特約がひとつもありません。

死亡保障ではないので、リビング・ニーズ特約がないのは理解できますが、保険料の払込免除や先進医療特約すらありません。特に先進医療は、受ける確率は低いものの、一度の治療で200万円~300万円もかかる治療もあるため、せめてこれだけでも付保できたらと感じます。

2.ガンの免責期間がない

保険加入から90日以内のがんは免責という保険が多いなか、からだプラスでは免責期間がありません。そのせいか、保険契約の申込時の告知書を見ると、わりと細かな健康状態の告知が必要です。書類が苦手な人だと、少々面倒に感じるかもしれません。

3.一人1契約のみ

この保険は、「入院一時給付金100万円」というパッケージ商品になっていて、半分の50万円だけ契約するということも、気に入ったから2口入るということもできません。ひとりにつき1契約のみです。

この保険でよく頂く質問

当サイトによくお問い合わせいただく内容をまとめました。なお、パンフレットなどの資料にも記載のある内容ですので、もっと詳しく知りたい場合はそちらをご覧ください。

Q1.3年後の更新時、健康診断書を提出するのを忘れたらどうなる?

健康診断結果の提出をしなかったなどの事情により、健康年齢が算定できなかった場合は、更新時の実年齢+5歳(上限)として保険料が計算されます。

たとえば、30歳加入、33歳更新で、健康診断書提出なしなら38歳の保険料となります。

Q2.保険が失効しても復活できない?

この保険は、復活の取り扱いがありません。保険料は該当月以内に払い込む必要があります。また、保険料の自動貸付制度もありません。

全体を通して

ガン診断給付金がある保険はほかにもいろいろありますが、からだプラスはガンだけではなく、7大生活習慣病が保障対象です。保障される病気の範囲が広いのは安心につながります。

ただし、加入時点で自分の健康年齡がいいか悪いかでイメージが変わると思います。編集部の一人が健康診断の結果票を片手にチャレンジしてみたら、「実年齢+5歳」の判定が出ました。こうなると、加入しようかなとは思えなくなります。

健康に自信のある方にはとてもいい保険といえそうです。そして、保険会社側からみても、給付金を支払う可能性の低い顧客を集められるいい仕組みといえそうです。

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