子どもに医療保険は必要か?

子どもにかかるお金といえば教育費が一番に思い浮かびますが、医療費はどうなのでしょうか? 大人と違って抵抗力がないぶん、病気にかかる確率が高い気がしますし、旺盛な好奇心がたたって怪我が多いイメージもあります。

子どもに民間の医療保険は必要なのか? 考えていきましょう。

目次

子どもが病院にかかる確率

子どもに医療保険が必要かどうかは、子どもが病院にかかる受療率を調べてみる必要があります。以下の資料を見てください。

年度平性23年度平性26年度
年齢階級(歳)入院外来入院外来
総数1,0367,1931,0385,696
0~41757,0091706,778
5~91034,692924,422
10~14982,916922,649
15~191252,0171171,937
20~241862,2601652,240
25~292542,7082412,716
30~343043,0262963,086
35~393133,1873043,280
40~443473,3973303,382
45~494613,8524273,827
50~546194,5855914,664
55~598545,4217725,361
60~641,1356,7861,0646,514
65~691,4458,8021,3508,309
70~742,00711,6171,82010,778
75~792,92713,3632,63512,397
80~844,31413,4573,87912,606
85~896,17011,8095,57811,373
90~9,7739,3228,4129,074
※出典:平成26年の患者調査(厚生労働省)」内「性・年齢別級別にみた受療率」より抜粋

子どもは大人に比べて通院率は多いものの、入院はそうでもないことがわかります。0歳時を除けば、1歳~19歳の入院受療率は20歳以降のどの階級よりも低いですね。

この資料からいえることは、子どもの入院費を医療保険で備える必要性は大人より低いということです。代わりに通院費がかかるようですが、民間医療保険が保障するのは入院費が一般的であり、通院にかかる費用は特約を追加しない限り保障対象外です。

地域の子育て支援制度で医療費が無料に

「子どもの医療保険は必要ない」は、わりによく耳にする主張です。その根拠として最も多く挙げられているのが、各自治体が行う子育て支援制度です。

子育で支援制度とは、18歳未満の子どもがいる家庭を経済的・精神的に支援するサービスのことで、私立幼稚園の入園料が補助したり、地域内で使える商品券を配布したり、ショートステイを受け入れたりと、各自治体とも工夫をこらして独自の制度を展開しています。
この支援制度のなかに、子どもの医療費を助成するサービスがあるわけですね。

特に有名なのが東京23区の助成内容で、23区すべてが15歳までの通院・入院費が無料。千代田区と北区に至っては18歳まで無料という素晴らしい環境が整備されています。

関連:東京23区の子育て支援制度比較

こうした理由から、子どもの医療費はほとんどかからないと考えて差し支えありませんが、子ども医療費の助成制度には地域格差があるので注意してください。大きな都市でも「小学校3年生まで」や「就学まで」などとしている地域はたくさんあります。自分の地域の助成内容は必ず調べておきましょう。

子どもに医療保険が必要になるとき

保険があると安心できますが、必要性の低い保険に保険料を支払うのは賛成できません。子どもの医療費制度があまりに整備されていない地域や、先天的な病気の疑いがある場合などを除き、子どもの医療保険は特に必要ないでしょう。その保険料を支払う余裕があるなら、自分たち(夫婦)の保障を手厚くする方がいいと思います。

ただし、「安心を買う」なら話は別です。子どものことが心配になるのは当たり前。「ひょっとしたらうちの子が……」と不安な人は、家計を圧迫しない程度の保険に入るのもいいと思います。

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