コスパの高い共済はどこ? 3大共済の医療保障を徹底比較

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保険より手頃な掛金で相応の保障が得られる共済。なかでも、都(道・府・県)民共済、全労済、コープ(CO・OP)共済の3団体は、最も知名度が高い3大共済と呼べるでしょう。

そこで気になるのが、「自分が加入するならどこがお得なの?」という疑問。細かな評価点は個人によってそれぞれなので、ここでは医療保障の根幹部分である「入院」「手術」を中心に、各主力商品を比較してみたいと思います。

なお、共済は子供とシニア(60歳や65歳以上)の保障コースを別枠で設けているため、それらについては別記事で比較することにします。

子供の医療保障に最適な共済はどこ?3大共済を徹底比較60歳以降の保障はどの程度目減りする?老後の医療共済を徹底比較

3大共済の基本的な特徴

本題に入る前に、それぞれの共済の特徴をおさらいしておきましょう。

都(道・府・県)民共済(全国生協連)

全国生活協同組合連合会(略称:全国生協連)は、全国の都道府県で加入できる共済事業の元受団体です。消費者生活協同組合法に基づき、厚生労働省の認可を受け、生命共済と火災共済を取り扱っています。

各都道府県の財務状況によって保障内容に差が出るため、突出して充実している地域もあればそうでない地域もあります。「在住」と「在勤」で都道府県が変わる人は、少しでも有利な内容のほうを選びましょう。

なお、全国という名称ですが、福井県・山梨県・鳥取県・徳島県・愛媛県・高知県・佐賀県・沖縄県の8県では共済事業が行われておらず(2015年1月現在)、他の都道府県から転居した場合などは保障の継続ができないことがあります。

全労済

正式名称は「全国労働者共済生活協同組合連合会」。全国生協連と同じく、消費者生活協同組合法に準拠し、厚生労働省の認可を受けて共済事業を行っています。

生命共済、医療共済をはじめ、年金、火災、交通災害、慶弔、マイカーなど豊富に取り扱っており、所属する労働組合経由のほか、全国47都道府県にある本部窓口から加入することもできます。

今回の比較は、主力商品の一つであるこくみん共済で行います。

コープ(CO・OP)共済(日本コープ共済生活協同組合連合会)

特徴ある点として、社会保障や生命保険等の仕組みを講演会や学習会を通して学ぶ「ライフプランニング(LPA)活動」があります。ライフプランに応じた保障プランを選べるようになろうという取り組みで、コープ共済連指定の養成セミナー修了者から指導してもらえます。

3大共済・医療保障の比較

では、実際に3つの共済の医療保障プランを比べてみましょう。比較しやすいよう、3団体とも月額掛金2,000円程度のものを選びました。全国生協連は、代表として都民共済で比較しています。

共済名 全国生協連 全労済 コープ共済
都民共済・生命共済 こくみん共済 たすけあい
プラン名 入院保障2型 医療安心タイプ
掛金(月) 2,000円 2,300円 2,000円
割戻率(2013年度) 32.5% 20.0% 13.9%
保障期間 18~64歳 0~59歳 0~65歳
入院日額 事故 18~60歳:1万円 60~65歳:7,500円 (1~184日目) 6,000円 (1~180日目) 5,000円 (1~184日目)
病気 18~60歳:1万円 60~65歳:7,500円 (1~124日目)
通院日額 事故 1,500円 (1~90日 ※14日以上から適用) 2,000円 (1~90日 ※不慮の事故は14日以上から適用) 1,500円 (1~90日)
長期入院 30万円 (270日以上の連続入院)
手術(※1) 18~60歳:2.5万円・5万円・10万円 60~65歳:1万円・2万円・4万円 一律6万円 2・4・8万円
先進医療 18~60歳:1~150万円 60~65歳:1~75万円 ~600万円 別途特約にて保障
死亡・重度障害(※2) 交通事故 18~60歳:10万円 60~65歳:5万円 50万円 10万円+100万円
不慮の事故
病気 10万円
事故後遺障害 4~100万円 (事故日から2年以内)
住宅災害(※3) 3・15・30万円 (火災・風水害等)

(※1)各共済の定める支払対象手術を受けた場合。手術内容により金額が異なる (※2)障害等級の詳細は各公式ページで要確認 (※3)一部焼壊(20万円以上の被害)・床上浸水/半焼・半壊/全焼・全壊・流失 (※)その他、個別の支払基準は各共済により異なる。詳細は公式ページで要確認

入院日額で他を圧倒しているのは都民共済。1日1万円は魅力です。60~65歳は自動的に減額されてしまいますが、それでも7,500円で1位です。少ないながら先進医療も特約なしでおります。

こくみん共済の特徴は、最高600万円まで出る先進医療費ですね。実際に受ける確率は少ないとはいえ、陽子線治療や重粒子線治療だと2~300万円ほどかかるので、600万円あれば安心です。

まとめ

医療保障の根幹である「入院」「手術」「通院」に絞れば、3団体のなかで最も充実しているのは都民共済の全国生協連でした。割戻率もよく、コストパフォーマンスが高いです。ただし、比較したように、長期入院や先進医療、事故による後遺障害など、他のリスクも気にするなら全国生協連の一強とはいえません。

また、今回はシンプルなプランで比較しましたが、三大疾病やがんへの保障なども付け加えるなら話はまったく変わってきます(プランもさまざまです)。もちろん、保障を手厚くしていくなら掛金も2,000円では済まないわけで、そうなると共済を選択するのがベストなのか?という疑問も湧いてきます。

当サイトのブログ記事「共済は本当にコスパ最強の保険なのか?民間保険会社と比較してみた」でも解説していますが、共済のメリットは、安い掛金で相応の保障を確保できる点にあるので、保障範囲を拡げるなら共済だけにとらわれないようにしましょう。

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