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商品名のとおり50歳以上でないと加入できないという一風変わった終身型医療保険。ペットネームのキャッチコピーに「わかりやすい、というやさしさ」とあることから、シンプルな設計が売りなのでしょうか。
明治安田生命の「50歳からの終身医療保険」ついて、調べてみました。
この保険の主な給付金は一時金です。
まず、入院時支援給付金は1日以上の入院につき10万円。以降、入院日数が30日、60日、90日、120日、150日、180日と長引くにつれ、それぞれのタイミングで10万円が給付されます。つまり180日間の入院なら合計70万円の入院時支援給付金が受け取れる計算になります。
手術給付金は外来・入院時ともに一律5万円の一時金が、放射線治療給付金も同じく1回10万円の一時金が給付されます。
保障内容についての賛否は分かれそうですが、同商品の売りである「わかりやすさ」においては合格と言えるでしょう。
入院時支援給付金、手術給付金、放射線治療給付金の受け取りがない場合、5年ごとに健康支援給付金が受け取れます。それぞれ5万円で、最長95歳まで。したがって50歳で加入して95歳まですべて受け取ると、15万円×9で135万円がキャッシュバックされる形となります。
セカンドライフ世代の顧客のニーズに応えたそうですが、あくまで支払った保険料の一部が戻ってくる(=ある程度のキャッシュバックを見越して保険料が多めに見積もられている)ことは知っておきたいところ。
付加できる特約は先進医療特約と代理請求特約の2つだけと、これまたシンプルなラインナップ。あれを付けようか、これを外そうかと悩む必要はなさそうです。コンセプトがしっかりしているという意味で、評価したいポイント。
あくまで概要ですので、詳細はパンフレットや公式サイトなどでお確かめください。
契約可能年齢 | 50~90歳 |
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保険期間 | 主契約:終身 先進医療保障特約:10年(90歳まで更新可能) |
保険料料払込期間 | 主契約:95歳 先進医療保障特約:10年 |
払込回数 | 月払・半年払・年払 前納払 |
給付金 | 主な支払条件・保障内容 |
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入院時支援給付金 | ・1日以上入院したとき10万円 ・30日ごと(60日・90日・120日・150日・180日)に10万円 |
入院時手術給付金 外来時手術給付金 |
手術を受けたとき5万円 |
入院時放射線治療給付金 外来時放射線治療給付金 |
放射線治療を受けたとき、1回につき10万円 |
死亡給付金 | ・死亡したとき10万円 ※保険料払込期間中の死亡給付金はなし |
給付金 | 主な支払条件・保障内容 |
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先進医療給付特約 | ・先進医療による療養を受けたとき ・技術料と同額 ※10年更新で90歳まで自動更新 |
健康支援給付金 | ・各給付金の受け取りがないとき ・それぞれ5万円 ・95歳まで5万ごと |
では、実際に保険料を見積もってみましょう。50歳、60歳、70歳、80歳時の男女の保険料をシミュレーションしてみました。
契約年齢 | 男性 | 女性 |
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50歳 | 7,240円 | 6,900円 |
60歳 | 8,750円 | 8,220円 |
70歳 | 1万770円 | 1万330円 |
80歳 | 1万4,140円 | 1万4,080円 |
シンプルな保障で特約も先進医療特約しか付加していないのに、保険料はなかなかのお値段という印象。しかし特別割引もあります。この保険専用の前納制度を利用すれば、割引率が0.5%に軽減されます(2019年5月1日現在)。
というわけで、前納と月払との差額を計算してみました。( )の数字が月払での総額です。
契約年齢 | 男性 | 女性 |
---|---|---|
50歳 | 341万5,689円(390万9,600円) | 325万7,693円(372万6,000円) |
60歳 | 328万7,856 円(367万5,000円) | 309万1,782円(345万2,400円) |
70歳 | 296万1,870円(323万1,000円) | 284万2,641円(309万9,000円) |
80歳 | 239万2,714円(254万5,200円) | 238万1,123円(253万4,400円) |
最大で150万円もの割引! この商品を一生涯の保険だと決め、なおかつ余裕資金があるなら相当のメリットがあると言えるでしょう。
「MYライフプランアドバイザー」と呼ばれる担当者が対面で手続きのサポートをしてくれたり、給付金の請求漏れを教えてくれたりするサービスがあります。被保険者が50歳以上のシニア世代ということで、加入後のアフターフォローには力を入れていそうです。
当サイトによくお問い合わせいただく内容をまとめました。なお、パンフレットなどの資料にも記載のある内容ですので、もっと詳しく知りたい場合はそちらをご覧ください。
できません。この保険は、保険料払込期間中の死亡保障をなしとすることで保険料負担の軽減を図っています。
ちなみに、保険料払込期間中の解約返戻金もありません。
シニア世代が対象の医療保険とはいえ、保険料は健康支援給付金を加味しても財布に優しいとは言えない気がします。専用の前納割引率を利用すると安くはなりますが、それだけ医療費用の蓄えがあるなら医療保険ではなく貯蓄で対応という選択肢も出てきます。
また、非常にシンプルでわかりやすい保険ではあるものの、他社には見られない唯一の保険かと聞かれると微妙なところ。カスタマイズの利く商品なら同商品のようにシンプルに設計することもできるわけですから、保障内容をできるだけそろえて比較・検討してみてることをオススメします。