あいおいニッセイ同和損保の「つながる自動車保険」を徹底分析
テレマティクスの「走行距離連動型(PAYD)」を採用した自動車保険です。トヨタ自動車の高性能カーナビ「T-Connect」と連動させ、収集した走行距離データを保険料に反映するという仕組み。
商品名のとおり、常に契約者と"つながる"ことで、「安心」「安全」「お得」を提供しようというコンセプトですが、具体的にはどんな特徴があるのでしょうか?
主な補償内容
相手方への補償 | ・対人賠償責任保険 ・対物賠償責任保険 ・対人臨時費用特約 ・対歩行者等傷害特約 ・対物超過修理費用特約 |
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ケガの補償 | ・人身傷害保険 ・人身傷害自立支援費用特約 ・障害一時金保険 ・交通事故特約 ・犯罪被害事故特約 ・人身傷害子ども育英費用特約 ・人身傷害サポート費用特約 |
車の補償 | ・車両保険 ・車両保険無過失事故特約 ・買替時諸費用特約 ・地震・噴火・津波「車両全損時定額払」特約 ・新車特約 ・車両超過修理費用特約 ・代車提供特約 ・リサイクル部品使用特約 |
自動車付帯の補償 | ・運搬・搬送費用特約、運搬・搬送時代車提供特約 ・事故・故障付随費用特約 ・弁護士費用特約 |
基本補償は、同社既存の自動車保険と同じですので、詳細は「タフ・クルマの保険」の詳細ページに譲ります。
事故対応
インターネット事故受付 | あり |
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事故対応体制の流れ | ・ワンタッチで事故受付デスクに連絡可能 ・自力走行不能な場合、レッカー牽引など応急作業を行う ・すみやかに、サービスセンターよりファーストコンタクト(加入者や関係者への連絡) ・必要に応じて示談交渉、経過報告を行う |
「つながる自動車保険専用事故受付デスク」が設けられており、24時間365日体制でオペレーターが対応してくれます。受付デスクへは、T-Connectに搭載されている音声対話機能か、または専用のスマホアプリ(無料)を使えばワンタッチで連絡が可能。
自力走行が不可能な場合は、レッカーや修理業者の手配はもちろん、移動手段や宿泊施設の案内もしてくれます。テレマティクスということで、わざわざ現在位置を伝えなくても位置情報を把握してくれるのはちょっとしたポイント。
主なロードサービス
車へのサポート | ・レッカーサポート(15kmまで無料。自動付帯の「運送・搬送費用特約」により、15kmを超えるぶんは15万円相当まで補償) ・ガス欠対応(10リットルまで。1年に1回まで無料)・バッテリー上がり ・パンク(スペアタイヤ交換) ・インドアロック |
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サポート拠点 | 全国約4,158か所(平成27年3月末現在) |
人へのサービス | ・健康、医療、介護に関する相談、医療機関情報の提供 ・法律、税務の相談 ・廃車手続き、リサイクル部品の情報提供 ・レンタカーの紹介、優待 ・安全運転アドバイス |
同商品独自のサービスとして注目したいのは、「安全運転アドバイス」。T-Connectを通じて収集した運転行動を分析し、その特性に応じたアドバイスや、安全運転度に対する五段階評価などをしてくれるというもので、専用のナビアプリ・スマホアプリから確認することができます。
コンセプトの一つである「安全」を体現するための取り組みであり、まさにテレマティクスの強みを活用したサービスだとは思いますが、「参考になる!」とメリットに感じる人がいる一方で、「常に監視されているみたいで嫌だ」と感じる人も出てくるでしょう。ただ、これは同商品というより、テレマティクス保険全体に付いてくる課題です。
保険料・割引
定額の「基本保険料」と、毎月集計する「走行分保険料」から算出されます。つまり、保険料は高くなる月もあれば、安くなる月も出てくるということ。走行距 離は1km単位で計算され、T-Connectを通じて自動送信されます。この点が、契約前に大まかな年間走行距離(3,000~5,000kmなど)を 自己申告する既存の走行距離連動型保険との大きな違いです。
割引 | ・新車割引1~21% ・イモビライザー割引3% ・ECOカー割引3% ・耐損傷性・修理性割引12% ・福祉車両割引3% ・長期優良契約割引2% |
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【見積もり・保険料例】
年齢:26歳以上
車種:自家用普通自動車
料率クラス:車両クラス4、対人・自損クラス4、対物クラス4、傷害クラス4
等級:10等級
車検:平成29年1月~
免許:ゴールド
年間走行距離(目安) | 4,000km | 8,000km | 1万2,000km | 1万6,000km | 2万km | |
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月間走行距離 | 333km | 667km | 1,000km | 1,333km | 1,667km | |
月間保険料 | 月間保険料 | 8,360円 | 8,950円 | 9,550円 | 10,150円 | 10,740円 |
基本保険料(定額) | 7,760円 | 7,760円 | 7,760円 | 7,760円 | 7,760円 | |
走行分保険料 | 600円 | 1,190円 | 1,790円 | 2,390円 | 2,980円 | |
割引 | 新車割引、ECOカー割引、イモビライザー割引 | |||||
車の補償 | 車両保険(一般):200万円、免責金額:0-10万円、新車特約:200万円、 全損時諸費用特約、事故・故障付随費用特約、運搬・搬送費用特約、車両保険無過失事故特約、買替時諸費用特約 | |||||
相手方への補償 | 対人賠償責任保険:無制限 対物賠償責任保険:無制限 対人臨時費用・対歩行者傷害特約 対人費用臨時特約、対物超過修理費用特約 | |||||
ケガの補償 | 人身傷害補償保険:5,000万円 自動車事故特約、人身傷害福祉車両購入費用特約、傷害一時金特約 | |||||
その他の補償 | 弁護士費用特約 | |||||
年間保険料 | 10万320円 | 10万7,400円 | 11万4,600円 | 12万1,800円 | 12万8,880円 (※上限保険料) |
※パンフレットより引用・編集
月間走行距離が1,000km程であれば、従来型の保険よりも安くなるよう設計してあるため、長距離使用をしない人にはお得になるのではと思います。たとえ走行距離が長くなっても、年間2万kmを超えた分については請求しない決まりになっており、長距離ドライバーには朗報です。とはいえ、必ずしも安くなるとは限らないので、安易に飛びつかないようにしましょう。同商品に限らず、他社との相見積もりは必須です。
総合まとめ
テレマティクス保険そのものがトライアル期間のため、ハッキリと評価を下すのは難しいところ。もちろん、従来型よりも合理的なつくりには魅力を感じますし、保険料はダイレクト型には及ばないものの、使い方次第ではかなり節約できていいと思います。T-Connectありきの商品なので、同システムの搭載車に乗っている人は、検討の価値ありではないでしょうか。
※2018年9月26日時点の内容です。以降の更新情報はそれぞれのサービスを参照してください。