中断証明の手続きと等級引き継ぎができる条件

生活環境が変わって車が不要になるなど、車を運転していた人が、もう車に乗らなくなるということもあると思います。

車が不要になれば、自動車保険も不要になりますが、このとき、解約ではなく中断という手続きをとることができます。中断した保険契約は、後日、等級をそのまま新しい保険に入ることが可能です。

ここでは自動車保険の中断について解説します。

目次

解約でなく、「中断」をしたほうがいい場合とは

車に乗らなくなったという場合、等級が7以上であれば、とりあえず中断にしておくのがおすすめです。車は手放して、もう乗る予定がないな、と思っても、「中断にしておいて、結局、乗らなかった」ことに何のペナルティも損もありませんので、もしものときに備えて中断にしておいたほうがいいのです。

ただ、中断にするメリットは、次回契約時に等級を引き継げることですから、等級が低い場合は中断にする必要がありません。

中断は、本人が再度自動車保険に入る場合だけでなく、家族が引き継ぐこともできます。ですので、たとえば親が高齢になってきたので車に乗るのをやめる、といった場合、本人はもう車に乗ることがないだろう、と思っても、中断の手続きをしておくと、子どもが有利な等級を引き継いで新たに保険に入るということが可能ですので、利用すべきです。

中断手続きができる条件と必要書類まとめ

中断をすると、保険会社から「中断証明書」という書類が発行されます。発行の条件は、

  • 7等級以上であること
  • 車を手放していること

のふたつです。現保険期間中に事故があった場合、次回更新時に下がった等級が7等級以上でなくてはなりません。

「車を手放す」には、廃車にする、譲渡するなどいろいろ理由があると思いますので、それに応じた証明書類が必要です。これをまとめたのが以下のとおりです。

中断する理由必要な書類
車を廃車にした廃車の事実とその日付が確認できるもの(解除事由証明書など。廃車の手続きをしたときに陸運支局で発行してもらえます)
車を譲渡した譲渡の事実とその日付が確認できるもの(登録事項等証明書など。陸運支局または自動車検査登録事務所で発行してもらえます)
車をリース会社に返還した返還の事実とその日付が確認できるもの(リース契約書など)
車の一時抹消を行った一時抹消の事実とその日付が確認できるもの(登録事項等証明書など。陸運支局または自動車検査登録事務所で発行してもらえます)
車検が切れた車検切れの事実と、有効期間の日付が確認できるもの(有効期間の切れた車検証など)
車が盗難された盗難を届け出た警察署と盗難日がわかるもの(警察署に届け出たときに作成してもらった盗難届証明)

車検の残っている車を残したまま、保険だけをやめて中断することはできませんが、例外的に、次の場合は車はそのままに、中断手続きをすることができます。

  • 長期の海外渡航(留学や駐在など)をする場合(海外中断)
  • 女性が自分の妊娠を理由に当面、車に乗らない場合(妊娠中断)

これらの場合も、中断の理由を証明できる書類などが必要です。保険会社によって取扱が違うことがあるので、個別に問い合わせてください。

なお、中断証明書は、「発行できる期限」があります。保険会社によって異なり、自動車保険を解約した日から1~5年と幅があります。普通は、解約を決めたときに申請すると思いますが、そのとき中断の手続きをしなくても、発行期限内ならあとから行えるということですので、覚えておきましょう。

中断証明書を使って、等級を引き継ぐ

中断証明書は、中断後10年以内で有効です(妊娠中断は3年以内、海外中断の場合渡航日から10年以内など、異なる場合があります)。

有効期限内であれば、中断前の等級を引き継いで、新たな契約を行うことができます。この契約は以前の保険会社と、違う保険会社の違う自動車保険でも構いません。ただし、一部の共済では引き継げないこともあります。

述べたように、配偶者や同居の親族であれば、中断した本人以外も引継ぎが可能です。

新しい車の、取得から原則ひと月以内に手続きをする必要があり、新たな契約は中断前と車の用途や車種区分が同じでなくてはなりません。必要書類として、新しい車の車検証のコピーが必要になります。

条件などをまとめます。

引継ぎができるタイミング中断証明書の有効期限内(通常の中断であれば中断日から10年以内)で、新しい車の取得後1ヶ月以内(保険会社によって異なる場合あり)。
新契約の記名被保険者の条件中断前と同じか、その配偶者・同居の親族であること
新契約の車の条件所有者が中断前と同じか、その配偶者・同居の親族であること。車の用途・車種区分が同じであること。
必要書類・中断証明書
・新しい車の車検証のコピー
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