自動車保険1日~3日の短期契約は可能?ドライバー保険とは

車両保険とは別に、一般に「ドライバー保険」と呼ばれる種類の保険があります。補償内容はおおむね自動車保険と同じなのですが、車ごとに契約するのではなく、運転する人が保険の対象となり、その人が車を運転するとき、補償がされるというものです。

ドライバー保険は、「自分の車は持っていないが、車を運転する機会がある人」のための保険だと言えます。

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ドライバー保険のメリットとは?

ドライバー保険の補償内容は、自動車保険でいう対人賠償保険・対物賠償保険・搭乗者傷害保険にあたります。

車ごとに契約する自動車保険は、同居の家族などにも運転者範囲を広げることで、範囲内の誰が運転しても補償されます。逆に言えば範囲に含まれていなければ補償されないわけで、たとえば、親の家の近くに子どもが独立して住んでいて、子どもの家には車がないため、レジャーのときには実家の親の車を借りる、といったときなど、親の保険は使えないことになります。

また、補償の範囲に入っていたとしても、もし事故があって保険を使用したとすると、その車の等級が下がってしまう可能性がありますね。友人から車を借りたなどのケースでは、事故を起こしただけにとどまらず、等級がダウンして翌年から保険料が上がってしまったとなると、かなり迷惑をかけてしまうことになります。

ドライバー保険は、そういった状況で役に立つ保険です。車にかかっている保険の補償範囲に関係なく、運転する人が補償される保険なのです。

ドライバー保険は、車にかける保険ではないので、車の車種年式などは関係なく、補償内容のプランや本人の年齢などをもとに保険料が決まります。

1日単位で入れるドライバー保険もある!

車を持っていないが、しばしば車を借りて運転するという人のためにドライバー保険はあります。

ただ、その頻度が非常に少ない場合は悩みどころです。保険会社やプランによりますが、ドライバー保険は年間で2~6万円程度はします。それで、実際に車を借りるのが年に1回だけだったとしたら、自動車保険と比べてもだいぶコストパフォーマンスが悪く感じます。

とはいえ、万一事故を起こしたら……と思うと、保険の入らないのも怖い。そこで、最近は、数日単位で入れるドライバー保険が登場しています。

たとえば東京海上日動の「ちょいのり保険」は、1日から加入することができ、保険料は最安で1日500円から。事前に登録をしておいて、必要になったときに携帯電話で申し込み、補償を開始する、というしくみになっています。また、MS&ADインシュアランス グループである三井住友海上とあいおいニッセイ同和損保には、それぞれ「1DAY保険(三井住友海上)」、「ワンデーサポーター(あいおいニッセイ同和損保)」という商品があり、いずれも手頃な保険料や利便性を売りにしています。

自分で車を所有していない人は、車に乗る頻度は少ないのですから、ごく短期間だけ加入できるというのは合理的です。ドライバー保険が年間2万円だとしたら、車に乗る日が年間でひと月程度に収まるのであれば、こうした1日単位で加入できる保険のほうがトクだと言えるでしょう。

なお、自動車保険を短期間だけ入るということはできません(人に貸すために一時的に運転者範囲を変更することは可能)。

車を持っている人が他人の車を運転するなら「他車運転危険特約」

もし、車を持っている人が、なにかの事情で、他人の車を借りて運転するといった場合は、そのためにドライバー保険を利用する必要はありません。借り主自身の自動車保険の「他車運転危険担保特約」を利用すればいいからです。

他車運転危険担保特約とは、自動車保険に入っている人が、契約した車以外の車を運転した場合でも、同様の補償を受けられるというものです。

他車運転危険担保特約は他車運転危険補償特約と呼ばれることもあり、ほとんどすべての自動車保険に自動で付帯されている特約です(保険会社によっては主契約の一部になっていることもあります)。

自分が車を持っている場合、他人の車を運転することは少ないのでは?と思うかもしれませんが、たとえば、自分は軽自動車を所有して運転しているけれど、遠出のレジャーの際に、親戚や友人の大型ワゴンを借りるといったシチュエーションなどが考えられます。

また、この補償は自動車保険の運転者範囲にも適用されます。自動車保険が「記名被保険者の配偶者」であれば、配偶者が他人の車を借りて運転した場合にも補償を受けられることになります。

他車運転危険担保特約は自動付帯なので、特に意識せずとも、自動車保険に入っていれば、他人の車を運転したときも自分の保険が使える、と覚えておけばOKです。ただし、一部、対象外になることがあります。

まず、車の用途・車種が「自家用8車種」と呼ばれる範囲のものでなくてはなりません。

自家用8車種とは

  • 自家用普通乗用車
  • 自家用小型乗用車
  • 自家用軽四輪乗用車
  • 自家用普通貨物車(最大積載量0.5トン超2トン以下)
  • 自家用普通貨物車(最大積載量0.5トン以下)
  • 自家用小型貨物車、自家用軽四輪貨物車
  • 特種用途自動車(キャンピング車)

のことをいい、一般に、自家用車はほとんどあてはまります。次に、契約者が法人である場合や、業務として運転している場合は対象外になります。

ほかには、車の所有者の了承を得ずに運転した場合も補償されません。

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