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自動車保険の保険料が2018年に一斉値下げ!最安値の損保会社と今後の変動に対する考察

    2018年元日、大手損害保険会社4社(東京海上日動火災保険・損保ジャパン日本興亜・三井住友海上火災保険・あいおいニッセイ同和損害保険)が自動車保険の保険料を2~3%引き下げました。

    自動ブレーキ、正確には『AEB(衝突被害軽減ブレーキ)』と呼びますが、このブレーキの普及により事故率が下がったことで、契約車1台あたりに支払う保険金が減少し、保険会社の収支が改善してきたための措置です。

    ※対物賠償責任保険及び車両保険について契約1台あたりの保険金支払いが減少した背景として、衝突被害軽減ブレーキ(AEB)搭載の先進安全自動車(ASV)の普及が考えられるというデータ


    ここだけ知っておけばOK。値下げまでの簡単な経緯

    大手損保4社が保険料の値引きに踏み切った経緯を簡単におさらいしておきます(※具体的にどれくらい安くなったのかを知りたい人は次の項目までスクロールしてください)。

    2016年11月24日、損害保険料算出機構が「自動ブレーキ装着の有無」によって保険料を区分する新たな保険料係数(保険料の算出に使用する値のこと)を導入することを発表しました。2018年以降の任意保険料が、発売後約3年の型式の自動ブレーキ搭載車を対象に、自動ブレーキ未登載車の保険料に対して9%割引かれることになったのです。

    翌年の2017年5月11日、今度は参考純率を平均8%引き下げることも発表。また料率区分やノンフリート等級を不公平さが出にくいように見直し、家族限定の運転者範囲の廃止新規契約の年齢条件区分の廃止を決定しました。損害保険料算出機構によれば、世帯構成の変化や最近の事故の傾向などを反映して見直しにあたったとのことです。

    参考純率はあくまで指標ですので、一律に8%安くなるわけではありません。参考純率にもとづき、各社が自社の事情を反映して値下げが行われました。結果、東京海上日動火災保険は2.4%、損害保険ジャパン日本興亜が約2%、三井住友海上火災保険とあいおいニッセイ同和損害保険は各約3%に落ち着いたという流れです。自動ブレーキ搭載車の保険料については4社とも9%下げます。

    具体的にどれくらい安くなった?最安値はどこ?

    実際にどれくらい安くなるのか、具体的な保険料例は発表されていませんので、各4社で見積もりを取って比較してみるしかありません。当サイトでは、産経新聞が独自に調査したという見積もりをソースとして引用し、見解を述べたいと思います。

    見積もり条件はざっと次のとおり(詳細は画像に記載されています)。

    • プリウス(型式ZVW51)
    • 日常・レジャー
    • ゴールド免許(21歳のみブルー)
    • 車両保険あり(300万円)
    • 自動付帯される特約や割引は適用

    すべての年齢で東京海上日動が最安値となりました。ただし、元記事でも念押しされていますが、あくまで今回の見積もり条件に限ってです。事実、損保ジャパン日本興亜は40歳代の割引率に力を入れているようで、最大5%に達すると報道されています。

    改定前と改定後で大きな差があるのが、21歳ではあいおいニッセイ同和損保で-1万4,950円、35歳では東京海上日動で-7,670円、55歳では再びあいおいニッセイ同和損保で-8,930円、最後に75歳では、三井住友海上で-8,470円という結果に。損保ジャパン日本興亜のみ、75歳での見積もりでは逆に値上がりし、唯一の10万円超えになりました。

    表をよく見ると21歳で最も高いのも損保ジャパン日本興亜であり、これについては産経新聞の取材に「リスクに応じてメリハリをつけた結果」と回答しています。事故率の低い40歳代の契約者にとって特に嬉しい改定がされたことが分かります。

    その他の代理店型自動車保険やダイレクト型自動車保険への影響は

    大手損保4社が保険料を引き下げた影響で、他の代理店型自動車保険を扱う各社もその動きに追随するでしょう。自家用乗用車の場合、現在顧客が負担する保険料の平均は年約7万5,000円ですが、数千円の引き下げになると思われます。

    代理店型保険の保険料値下げの傾向が、もともと保険料の安いダイレクト型保険の価格設定にどれだけ影響をおよぼすのかは今のところ分かりませんが、少なからずの影響はあると思います。たとえば表にも出てくるソニー損保は、2018年1月1日時点では動きがありませんが、4月には改定する見通しです。

    値下げではなく、何らかのサービスの拡大に繋がる可能性も大いに考えられます。それがさらなる交通状況の改善に繋がれば、さらに保険料が安くなる将来がやってくることになるでしょう。

    全体を通して

    事故率の高い若者や高齢ドライバーにとってはさほど満足のいく値下げではないかもしれませんが、まだまだ不況が続くなか、家計を圧迫する自動車保険料の値下げは大歓迎です。

    自家用普通・小型乗用車だけでなく、自家用軽四輪乗用車も自動ブレーキ装着有無の保険料係数が導入される予定で(2020年1月1日まで)、この改定では、自家用普通・小型乗用車、自家用軽四輪乗用車において、最大9%弱の自動車保険料が安くなることが見込まれます。

    従来のリスク区分を覆すテレマティクス保険(運転行動連動型)の導入も進むでしょうし、自動車保険の保険料は予想以上にめまぐるしく変動するかもしれません。

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