買い替えや廃車などで所有している自動車を手放すとき、保険の手続きはどのように処理すればいいのでしょうか?
自賠責保険と任意の自動車保険では手続きが異なりますので、それぞれに解説していきます。
廃車したとき
もう自動車は使うことがなくなったときは、永久に抹消する廃車という手続をします。しかし、廃車手続をしたからといって自動的に保険が解約されるわけではありません。自賠責保険は法律で加入が義務付けられていることから、簡単に解約することはできませんが、廃車など正当な理由がある場合は解約が認められています。
廃車における自賠責保険の解約手続きには、以下の書類を準備します。
- 印鑑
- 自賠責保険証明書
- 廃車が証明できる書類(登録事項等証明書など)
- 契約者本人の確認書(運転免許証、保険証など)
- 振込先の口座のわかるもの
- ステッカー(車検のないバイクなど)
書類が準備ができたら、自賠責保険に加入している保険会社から解約の書類を取り寄せ、必要書類を一緒に返送することで解約できます。解約が保険期間内であった場合は、残りの期間に対応する保険料が月割りで返戻されます。たとえば、本土での使用で当初の保険期間が 25ヶ月、保険期間を 12ヶ月残して解約した場合、おおよそ支払った保険料の4割程度が返戻される決まりです。
一方、任意の自動車保険では、廃車にする日付がわかっているのであれば、その日をもって解約することを保険会社に伝えて手続をしてもらうといいでしょう。任意保険でも、保険料を一括で支払っている場合は残りの保険期間によって保険料の返戻があります。
抹消するとき
廃車と抹消は車の使用を停止するという意味では同じですが、車ごと無くなることを意味する廃車に対して、抹消は「また登録をすれば使用可能な状態」を言います。車検が切れた中古車などがまさにそうですね。
抹消の手続は専門業者に頼んでもいいですが、自分で行うこともできます。自分で手続きをする場合は、下記の書類を準備してください。
- 車検証
- 印鑑証明書
- 印鑑(代理人の場合は委任状)
- 申請手数料
自賠責保険については、廃車のとき同様、保険会社に解約の手続をすることで、保険料の返戻があります。自賠責保険の「解約日」は保険会社が手続をした日となり、不備があると保険料の返戻が遅れるだけでなく、返戻金の金額も変わります。この点、注意しましょう。
解約するとき
自動車は一時的に手放すけれど、今後、自分や家族が自動車を購入する可能性がある場合は、解約の手続と同時に「中断証明書」を発行してもらいましょう。
「中断証明書」とは、一定の条件を満たせば、中断後の新たな契約のときに以前の等級を引き継いて契約ができる証明書です。新規で自動車保険に加入すると 6等級から始まりますので、 20等級など等級の高い人は、念のため「中断証明書」を発行してもらうほうが安全です。
さらに、中断証明書を使っての新規契約は、配偶者や同居の親族でも使えるため、そのときは必要ないと思っていても、後々役にたつこともあります。
中断証明書については、別記事中断証明の手続きと等級引き継ぎができる条件でも詳しく解説しています。
買い替えするとき
現在の自動車を売却して新しい自動車を買った場合は、自賠責保険も任意保険も手続が必要です。
自賠責保険は、新しい車に対して新規で加入します。一般的には売却する車の自賠責保険を解約することはできません。自賠責保険は車にかかる保険ですので、売却した車にかけたままとなります。一方、任意保険は契約者に属するので、対象の車が変わるという手続をしなければなりません。ついうっかり忘れていると、事故が起こったときに保険金が支払われないとなりかねませんので、忘れずに手続をしてください。
廃車や登録の抹消をすることになったら、自賠責保険は忘れずに解約しましょう。忘れたままにしていた場合、さかのぼって解約することはできませんので、返戻金がないということになりかねません。