車に雷が落ちた!落雷による損害でも車両保険は出る?

記録的な豪雨や雹(ヒョウ)、激しい雷など、全国各地で異常気象が見られるようになりました。それぞれ多大な損害を及ぼす自然災害ですが、今回は落雷と車両保険との関係について解説します。

「雷が車に落ちて修理が必要になった」、また、「落雷で倒れてきた木で車に傷がついてしまった」など、雷による損害は車両保険でカバーできるのでしょうか?

結論から言うと、できます。車両保険を付けていれば、「一般」であっても「エコノミー」であっても補償の対象となります。

車両保険の保険金が支払われる場合は、次のように定義されています。

衝突、接触、墜落、転覆、物の飛来、物の落下、火災、爆発、盗難、台風、洪水、高潮、その他偶然な事故によって被保険自動車に生じた損害
(車両保険の種類によっては、衝突・接触は対象外になる、または限定されることもあります)

「雷」の文字がどこにもなくて不安になりますが”その他偶然な事故”に含まれています。一例として、ソニー損保の公式ホームページには、次のように明確な記載がありました。

車両保険をつけているご契約では、落雷によるお車の損害は、「一般型」「エコノミー型」どちらのタイプの車両保険でも補償されます。

//www.sonysonpo.co.jp/auto/guide/agde077.html

一方、保険金が支払われない主な場合は下記のとおりです。

  • 保険契約者、被保険者または保険金受取人の故意または重大な過失
  • 戦争、内乱、暴動など
  • 地震、噴火、またはこれらによる津波(*1)
  • 核燃料物質等による事故、放射線照射、放射能汚染
  • 詐欺、横領
  • 欠陥、摩耗、腐食、さび等
  • 無資格運転、酒気帯び運転および麻薬等の影響を受けた運転
  • パンク等のタイヤのみに生じた損害(ただし、火災・盗難は除きます)
  • 被保険自動車の競技または曲技等

*1:地震・噴火またはこれらによる津波の損害は対象外ですが、地震・噴火・津波の特約をセットすることで、これらにより全損となった場合は、地震等保険金が払われます。

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車両保険を使うと翌年に1等級下がる

落雷による損害で車両保険を使った場合は、翌年の保険の等級が1等級ダウンします。つまり翌年の保険料がアップしてしまいますので、損害の程度によっては、保険を使わない方がトータルでの出費が低いケースもあり得ます。

そのあたりの計算は少々ややこしいですが、保険会社に相談することも可能です。「保険請求をした場合いくら受け取ることができるのか?」「等級が下がったとき保険料はどのくらい上がるのか?」を試算してもらい、その結果次第で保険を使うかどうかを判断してもいいでしょう。もちろん、連絡しただけで等級が影響を受けるわけではありません。

知っておきたい

車の中にいれば雷が落ちても平気?

余談になりますが、”雷が鳴っても車の中にいれば安全”だという説があります。実際はどうなのでしょう?

この疑問について、JAFが人工的に雷を作り、落雷させるという実験を行っています。

【参考】

落雷時、車の中は安全?|セーフティレポート”東京”|東京支部|JAFご当地情報
//jafevent.jp/area/kanto/tokyo/safetyreport/1605_13_018_9.html

詳細は参考URL先に譲りますが、結果として、車内では落雷の影響はないとしています。

とはいえ、絶対安心だと思い込むのは禁物。というのも、落雷した場所が車の屋根などの金属部分であれば、そのまま伝って地面に流れていくので乗員に与える危険性は低いのですが、フロントガラスに落ちた場合、フロントガラスはもちろん内装も破損する恐れがあるからです。

また、乗っている人が感電することは考えにくいものの、窓ガラスや壁にもたれかかっていては安全とは言い切れないとのこと。

結論として、屋外にいて雷が鳴ったら車内のほうが遥かに安全ですが、過信はせず、できるだけ内側の方にいるようにしましょう。

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