自動車保険のロードサービス徹底比較(レッカー距離、宿泊費補償etc)

ほとんどの自動車保険に、ロードサービスがついています。

ロードサービスとは、たとえば出先でガス欠や脱輪、キーの閉じ込みなどのトラブルに見舞われたとき、ガソリンを届けてくれるとか、レッカー車が来てくれるとか、助けが得られるというものです。「JAFを呼ぶような事態」に保険会社で対応くれるということですね。

ほとんどの自動車保険についていると言っても、内容には微妙に違いがあります。自動車保険選びの、ひとつのポイントになるところです。

目次

ロードサービスでは何をしてくれる?

ロードサービスの内容は、大きく3つあります。

  1. 車両のトラブルへの対応
  2. レッカー移動
  3. 事故で帰宅できなくなったときの対応

まず、車両のトラブルへの対応ですが、具体的には、次のようなケースです。

  • パンク
  • 脱輪
  • ガス欠
  • バッテリーあがり
  • オイル漏れ
  • 冷却水不足
  • キー閉じ込み

このような状態になって困ったら、保険会社に連絡しましょう(専用の受付電話番号があるはずです)。提携する業者の人が現場まで駆けつけて対応してくれます。

車が故障して、完全に動かない状態になってしまった場合はレッカー車を手配してもらうことができます。

最寄りの修理工場などまで、レッカー移動をしてもらえます。

出先で車が故障して動かなくなったら、乗っていた人間の移動も困ってしまいますね。車のかわりに公共の交通機関などを利用しなくてはいけなくなりますし、遠方で車が使えなくなった場合、最悪、その日のうちに帰宅する手段がなくなることもありえます。

そんなとき、宿泊先を手配してもらえたり、帰宅に要した交通費を補償してもらえるサービスをしている保険会社もあります。

なお、ロードサービスを利用しても、等級には影響しません

ロードサービス比較のポイント

ロードサービスはあると嬉しいものですが、保険選びのときは、各社のサービス内容をよく比べてみてください。サービスはまったく同じではありません。

特に違いが出やすいのは次のような項目です。

ガス欠対応の回数や実費の有無

ガス欠の際の給油サービスは、無料でやってもらえるところ(10リットルまで無料というのが多いです)と、ガソリン代の実費が必要なところがあります。また、保険期間中に1回だけというところが多いですので、何回でも対応してくれると良サービスだと言えます

レッカー距離の距離

レッカー移動は、「○kmまで無料」という形で、距離によって無料か有料かが変わります。この距離は保険会社によってまちまちです。長いところは100kmまでとしていますし、15kmまで、というところもあります。

実際、レッカー移動はどれくらいの距離を移動するものなのかと言えば、これは車が動かなくなった地点と、運び込みたい修理工場の距離ですから一概には言えないのです。なお、ロードサービスのレッカー移動で運ぶ先は、保険会社の提携の修理業者になります。自由に選ぶことはできませんから、なおさら距離がわからないのです。

そうすると長いほうがいいということになりますが、ソニー損保によると、同社のロードサービスでレッカー移動をした距離は、9割が50km以内だったそうです。これがひとつの目安と考えられそうです(ちなみにソニー損保では提携修理業者へのレッカー移動は無制限で無料です)。

帰宅費用、宿泊費サービスの補償内容

このサービスは各社で対応が分かれます。そもそも補償していないところもあります。

補償される場合も、自宅からの距離に応じて適用されないなどの制限があります。費用にも限度額がある場合が多いです。

以上の点について、代表的な保険会社20社について、調べて比較してみました。

保険会社レッカー移動が
無料でできる距離
ガス欠時の燃料補給宿泊費用・帰宅交通費の補償
あいおいニッセイ同和15kmまで無料で10リットル記載なし
アクサダイレクト保険会社指定の最寄の修理工場までのレッカー牽引は無制限で無料。利用者指定の場合、35kmまで実費(契約2年目以降は無料で10リットル)宿泊・帰宅費用のいずれかを支払い(金額上限等不明)。
朝日火災60kmまで無料で10リットルなし。情報提供のみ。
アメリカンホーム50kmまたは最寄の提携修理工場まで実費(契約2年目以降は無料で10リットル)なし。情報提供のみ。
イーデザイン損保30kmまで無料で10リットルなし。情報提供のみ。
エース損保50kmまで無料で10リットル宿泊費1万円まで・帰宅費用2万円までのいずれかを支払い
AIG損保50kmまで無料で10リットル記載なし
SBI損保保険会社指定の最寄の修理工場までのレッカー牽引は無制限で無料。利用者指定の場合、50kmまで無料。無料で10リットル宿泊費1.5万円まで・帰宅費用2万円までのいずれかを支払い
共栄火災15万円相当のレッカー牽引費用を補償実費宿泊費1万円まで・帰宅費用2万円までのいずれかを支払い
セコム損保保険会社指定の最寄の修理工場までのレッカー牽引は無制限で無料。利用者指定の場合、50kmまで無料で10リットルなし。情報提供のみ。
セゾン自動車火災保険15万円相当のレッカー牽引費用を補償無料で10リットル宿泊費1.5万円まで・帰宅費用2万円までのいずれかを支払い
ゼネラリ20kmまで無料で20リットル宿泊・帰宅費用のいずれかを支払い。
ソニー損保保険会社指定の最寄の修理工場までのレッカー牽引は無制限で無料。利用者指定の場合、50kmまで無料。実費(契約2年目以降は無料で10リットル)自宅または目的地までの交通費か宿泊費を上限なしで補償
損保ジャパン15万円相当のレッカー牽引費用を補償無料で10リットル宿泊費1万円まで・帰宅費用2万円までのいずれかを支払い
そんぽ24保険会社指定の最寄の修理工場までのレッカー牽引は無制限で無料。利用者指定の場合、100kmまで無料。無料で10リットル宿泊・帰宅費用のいずれかを支払い(金額上限等不明)。
チューリッヒ保険会社指定の最寄の修理工場までのレッカー牽引は無制限で無料。利用者指定の場合、100kmまで無料。無料で10リットル自宅または目的地までの交通費か宿泊費を上限なしで補償
東京海上日動10万円相当のレッカー牽引費用を補償無料で10リットル記載なし
日本興亜損保100kmまで実費宿泊費1万円まで・帰宅費用2万円までのいずれかを支払い
富士火災 距離に関して記載なし費用に関して記載なし宿泊・帰宅費用のいずれかを支払い(金額上限等不明)。
三井ダイレクト保険会社指定の最寄の修理工場までのレッカー牽引は無制限で無料。利用者指定の場合、30kmまで無料。実費(契約2年目以降は無料で10リットル)宿泊費1万円まで・帰宅費用2万円までのいずれかを支払い

保険会社によってロードサービスの内容にも差があることがわかると思います。比べて、違いをわかったうえで、保険料など、その他のポイントとともに比較材料にしてみて下さい。

注意したいのは、ロードサービスは便利でいざというとき頼れるものですが、あくまでオマケ。オマケは言い過ぎかもしれませんが、自動車保険はやはり事故時の対応や補償内容が一番大切なのだということは忘れないでほしいものです。ロードサービスに気をとられて、肝心の部分をよく検討していないのでは本末転倒です。

そもそもロードサービスはいらないという選択肢も…

ロードサービスがついていない、外すことができる場合、そのぶん保険料は安くなります。さすがにないのは不安じゃない?と思うかもしれませんが、そんなときは、JAFに入会してはどうでしょう。

JAFは入会金2,000円+年会費4,000円=計6,000円/年で、ロードサービスがすべて無料で受けられます(何年かぶんまとめて申し込めばさらに割安に)。レッカー移動もJAFなら何度でも、距離に関係なく無料です。

また、クレジットカードにもロードサービスが付帯していることがありますので、確認してみてください。カードにサービスがついていれば、保険で用意する必要はないかもしれません。

ただ、多くの保険会社で、ロードサービスは無料の自動付帯となっていて、外した形の契約ができないのは残念なところです。

セゾン自動車火災保険の「おとなの自動車保険」はロードサービスがオプションで選択できるので、シミュレーションしてみたところ、ロードサービスの有無で年額1,940円の違いが出ました(条件:30歳男性。運転範囲は本人と配偶者。トヨタのエスティマで見積もり)。これは定額ではなく契約条件で変わってくるようで、同社のサイトに掲載されている別の見積もり例では年額2,400円となっているものもありました。

この額ならJAFよりも安いですが、保険会社によって、ロードサービスが車両保険に含まれていることがあります。車両保険の保険料は数万円になることが多いため、そういう場合で、車両保険もいらないと考えるなら、ロードサービスはJAFでまかなうのがいいと思います。

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