最近の自動車保険、特にダイレクト型保険は『リスク細分型』というドライバーの危険度に応じて保険料が変動するシステムを取っていることがほとんどです。車の型式や運転者の年齢・性別、車の使用目的とともに、ドライバーの危険度を判断する要因の一つとして『地域』もあります。
交通量・交通状況・気象状況・人口等さまざまな要因で地域によって交通事故発生件数は違っています。そういった事故発生のリスク、すなわち保険会社にとっては保険金支払い額の多さというリスクが地域ごとに計算され、地域の違いにより発生する保険料率の差が『地域別料率』です。
地域別料率が高い地域、低い地域はどこ?
地域別料率の計算方法は保険会社によってさまざまで、決定方法は非公開です(地域別料率を採用していない保険会社もあります)。ただし、保険業法で地域別料率による保険料の違いは1.5倍を超えてはならないという決まりがあるため、地域によって倍以上の保険料になるということはありません。
とは言え、居住地域によって保険料が変わるのは事実なので、引っ越しの際にはきちんと保険会社に届け出を出しましょう。高い地域から安い地域に引っ越すと、残りの契約期間分の保険料を再計算して払い戻しを受けられる可能性もあります。
もちろん、逆もしかりですが、ここで差額を支払うのが嫌だからといって届け出を出さないでいると、事故に遭った際に保険金を支払ってもらえない恐れもあるので、そこは正直に申告しましょう。
では、具体的にどの地域の保険料が高いのでしょうか。参考サイトから得た情報をもとに、保険料率が高い地域、逆に低い地域を5位までピックアップします。
順位 | 高い地域 | 低い地域 |
---|---|---|
1位 | 愛知県(5万3,698円) | 沖縄県(3万8,770円) |
2位 | 岐阜県(5万1,867円) | 岩手県(4万1,346円) |
3位 | 北海道(5万489円) | 島根県(4万2,368円) |
4位 | 大阪府(5万158円) | 群馬県(4万3,212円) |
5位 | 京都府(5万27円) | 山形県(4万3,231円) |
高い地域1位の愛知県は、保険料の平均が5万3,698円と、低い地域1位の沖縄県平均3万8,770円より約1万5,000円もの差があります。
高い順の地域は交通事故発生件数が多い地域と重なり、保険会社としては「保険金を支払うリスクが高い」と判断しているのでしょう。また、北海道は人口密度は低いですが、積雪や融雪剤の使用等で足元を取られることや、広い道路でのスピードの出し過ぎで死亡事故の件数が多いことが影響していると考えられます。
逆に、保険料が最も安い沖縄は、人口や交通量が少ないことに比例して事故発生件数が少ないです。ただ、実は沖縄は無保険車率ワースト1という”問題地域”であるため、多少なりとも保険料を安くすることで自動車保険の加入率を底上げしようという狙いもあるかもしれません。
全体を通して
居住地域によって支払う保険料が異なるのは、事故発生件数に基づく保険会社のリスク回避からきていることが分かりました。保険料が高い地域に住んでいる人は損した気分になるかもしれませんが、保険金の仕組みを考えると致し方ないですね。