東京海上日動「トータルアシスト自動車保険」を徹底分析
東京海上日動の自動車保険です。同社には「超保険」という、生命保険など本来なら別の保険で対応するさまざまなリスクへの補償を組み合わせることができる保険商品があります。超保険には自動車に関する補償もありますので、この「トータルアシスト自動車保険」は、その部分の単品販売とも言える商品となっています。
主な補償内容
相手方への補償 | ・対人賠償責任保険 ・対物賠償責任保険 ・対物超過修理費特約 |
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ケガの補償 | ・人身傷害保険 ・障害一時金保険 ・入院時選べるアシスト特約 |
車の補償 | ・車両保険 ・車両全損時諸費用特約 ・おくるま搬送時選べる特約 ・車両搬送費用補償特約およびサービス ・レンタカー費用等選べる特約/レンタカー費用等選べる特約(おくるま搬送時のみ補償) ・車両新価保険特約 ・地震・噴火・津波危険車両全損時一時金特約 ・車両無過失事故に関する特約 |
自動車付帯の補償 | ・他車運転危険補償特約 ・法律相談費用補償特約 ・弁護士費用特約 |
補償内容は、対人・対物賠償保険、人身傷害保険、障害一時金保険が基本補償となり、自動付帯です。そこに「基本特約」として、弁護士費用特約、入院時選べるアシスト特約をオプションとして付加できる形になっています。特約ですから、付ける付けないは自由であり、「基本特約」とは不思議な表現ですが、要するに保険会社の「オススメ」という意味合いかと思われます。
入院時選べるアシスト特約は、人身傷害保険の補償を受けた際に、入院にまつわるさまざまな費用を補償してくれるもので、差額ベッド代など医療保険でカバーできるものも含みますが、入院で家事ができない場合のホームヘルパー代など、より幅広い補償があります。
この補償内容が、同社の総合保険商品「超保険」の自動車に関する補償部分の単品販売であることは述べたとおりですが、車両保険と弁護士費用特約だけ、少し異なっています。エコノミー車両保険(車対車+A)の場合でも、駐車中の当て逃げ被害も補償できる特約があること、もらい事故の他、自動車事故以外で発生した弁護士費用等も補償できる特約があること、という2つの点で超保険の自動車に関する補償のほうが、補償が厚くなっていますので注意してください。
事故対応
初期対応受付時間 | 平日9:00~17:00 対応後、24時間以内に状況を報告 |
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インターネット事故受付 | あり(平日9:00~17:00) |
事故対応体制 | ・対応サービス拠点:全国243か所 ・スタッフ:全国1万5,000名 |
初期対応の受付時間は17時までとのことで、早めです。受け付けたものについては24時間以内に初期対応の結果を必ず報告してくれるとのこと。
対応力に関して、自社によるアンケートでは9割の人が「大変満足~やや満足」となっています。自社アンケートに答えている人の数値ですから、多少は差し引くとしても、満足度は高いほうと言えるでしょう。
主なロードサービス
車へのサポート | ・レッカーサポート(1回の事故につき、15万円を限度に補償=180km相当) ・ガス欠対応(10リットルまで。燃料代の実費が必要。1年に1回まで。JAF会員の場合、年2回まで) ・バッテリー上がり ・パンク(スペアタイヤ交換) ・インドアロック |
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人へのサービス | ・メディカルアシスト(医療機関の案内や、医療相談など) |
ロードサービスは距離ではなく、実費の金額で上限が決まっています。パンフレットによると180km相当とのことですから、これは他社に比べてかなり長く、レッカー移動に関しては補償が厚いと言えます。
帰宅不能時の交通費や宿泊費などは、別に特約をつけて補償してもらうタイプとなっています。2015年10月の改訂で、レンタカーに関する補償内容が見直されました。それまでは車両保険に加えて、「おくるま搬送時選べる特約」をつけたときにだけ、レンタカー費用が補償されたのに対して、新設された「レンタカー費用等選べる特約」をつけることで車両保険がなくてもレンタカー費用が補償されるようになりました。改訂前はもとの車がレッカー搬送されたことが条件でしたがそれもなくなり、かつ、レッカー搬送されていないならレンタカーは不要という場合は「レンタカー費用等選べる特約(おくるま搬送時のみ補償)」を選ぶことができます。
保険料・割引
割引 | ・新車割引1~10% ・福祉車両割引3% ・Eco割引3% ・セカンドカー割引、ノンフリート多数割引 ・1日自動車保険無事故割引2~20% |
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走行距離区分の保険料への保険料の反映はありません。割引の種類はさまざまにあり、特に新車であれば、条件によって10%の割引になることも。
ユニークなのは「1日自動車保険無事故割引」で、これは、同社が販売しているドライバー保険「ちょいのり保険」を利用した実績に応じて、最大20%まで割引になるというものです。ちょいのり保険を利用して、事故がなかった場合に割引があるというもので、事故のリスクが低い利用者であることを実証したことによる割引というわけです。
以下に、サイト上で実際に見積もりをした結果を紹介します。
【見積条件】
年齢:21歳以上、26歳以上、35歳以上
車種:トヨタ アクア(1500 L・NHP10)
車検:平成27年4月~
運転者:契約者のみ
免許:ゴールド
使用目的、地域:日常、東京
補償される運転者:運転者とその配偶者
プラン | A:車両保険なし | B:車両保険(一般)あり |
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保険料(一時払) | 21歳:7万5,870円 26歳:5万7,560円 35歳:5万140円 | 21歳:11万200円 26歳:8万5,180円 35歳:7万3,880円 |
割引 | - | |
車の補償 | 車両保険:210万円 免責金額:5万-10万円 | |
相手方への補償 | 対人賠償責任保険:無制限 対物賠償責任保険:無制限 | |
ケガの補償 | 人身傷害補償保険:3,000万円 入院時選べるアシスト特約 | |
その他の補償 | 弁護士費用等補償保険:300万円 |
2015年10月の改訂で、26歳以上の保険料は高くなりました(上記の条件の場合)。21歳の保険料はやや安めになっています。走行距離に応じての割引はありません。
総合まとめ
全般的にはダイレクト型保険ほどの価格ではありませんが、年齢が若いと安くなるようです。また、事故対応力の質には期待でき、見積候補に入れておきたい保険。同じく東京海上グループのイーデザイン損保と比較してみるのもいいでしょう。
※2018年7月23日時点の内容です。以降の更新情報はそれぞれのサービスを参照してください。