チューリッヒの「スーパー自動車保険」を徹底分析
事故対応に対する顧客満足度に自信を持つチューリッヒの「スーパー自動車保険」は、保険料の安さが際立つダイレクト型保険です。ただ、リスク細分型ですから、保険料のメリットは多く受けられる人も、そうでない人もいます。
補償内容、事故対応、保険料などを詳しく見ていきましょう。
主な補償内容
相手方への補償 | ・対人賠償保険(基本補償) ・対物賠償保険(基本補償) ・対物超過特約 |
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ケガの補償 | ・搭乗者傷害保険(基本補償) ・人身傷害保険(基本補償) ・人身傷害(搭乗中のみ補償)特約 ・無保険車傷害特約(自動付帯) ・ファミリーケア特別見舞金特約 ・地震等による死亡一時金特約 |
車の補償 | ・車両保険 ワイドカバー型(一般条件) ・車両保険 限定カバー型 ・免責ゼロ特約 ・免責ゼロ特約(車対車) ・車内身の回り品特約 ・代車提供特約 ・地震等による車両全損一時金特約 |
自動車付帯の補償 | ・弁護士費用特約 ・原付特約 |
その他特約 | ・傷害特約 ・個人賠償責任補償特約 |
人身傷害と搭乗者傷害が基本補償となっていますが、たとえば、人身傷害保険は人身傷害(搭乗中のみ補償)特約を付けることで、他人の車に乗っているときや歩行中の事故を補償の対象から外すことができます。また免責ゼロ特約についても、全ての事故を対象とするか、車対車の事故のみ対象とするかなど、特約で細かく条件を付けることができるので、保険料を検討しながら自分に合った設計ができるようになっています。。
事故対応
初期対応受付時間 | 24時間365日 |
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インターネット事故受付 | あり |
事故対応体制 | ・Z-TRUSTシステム ・365日緊急ケアサポート(0:00から24:00までの事故受付は当日対応) ・スタッフ訪問サービス |
事故に遭ったときには、保険証券やステッカーにプリントされた緊急用のQRコードからも簡単に連絡ができます。場所が分からなくてもスマートフォンのGPS機能で現在位置を特定して、ロードサービスが来てくれるGPS緊急通報サービスがあるので安心です。また、耳や言葉が不自由な人向けにFAXやメールでの対応も用意されています。
主なロードサービス
車へのサポート | ・レッカーサポート(最寄り提携修理工場まで無制限、それ以外100kmまで) ・ピックアップサポート ・パンク(スペアタイヤ交換) ・ガス欠対応(10リットルまで無料、保険期間中1回) ・キー閉じ込み・紛失時の解錠、キー作成 |
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サポート拠点 | ・約9,500カ所(2017年10月現在) |
人へのサービス | ・帰宅費用サポート ・宿泊費用サポート ・レンタカーサポート ・キャンセル費用サポート ・ペットケアサポート |
チューリッヒのロードサービスは、他社と比べても充実しており、現場対応時間にも制限がありません。レッカーけん引は保険会社指定以外でも100kmまで無料で、修理後の搬送費用や自分で引き取りに行く際の交通費も補償されます。そのほか、搭乗者全員分の宿泊費用や帰宅費用、キャンセル費用など旅行中に事故に遭った場合に助かる補償が充実しています。また、ペットのホテル代や帰宅費用に対する補償は、ペットを飼っている人には魅力です。
保険料・割引
走行距離区分 | ・3,000km以下 ・3,000km超5,000km以下 ・5,000km超10,000km以下 ・10,000km超15,000km以下 ・15,000km超 |
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割引 | ・インターネット割引(1,500円~10,000円) ・e証券割引<e割>(500円) ・早期契約割引<早割>(500円) ・新車割引・エコカー割引 ・ゴールド免許割引 ・紹介割引(~2,500円) |
走行距離区分も5つの区分に分かれており、あまり乗らない人にとっては3,000km以下の区分はありがたい選択肢となります。ユニークなのは紹介割引でしょう。既に加入している人から紹介を受けると最大2,500円の割引が受けられ、契約すれば紹介した人もお米のギフトカード(1,500円)がもらえるというものです。
では、実際に見積もってみましょう。車両保険あり/なしで、走行距離3,000㎞と5,000㎞のケースを見積もってみました。
【見積条件】
年齢:21歳以上、26歳以上、35歳以上
車種:トヨタ、アクア(1500L NHP10)
初年度登録:平成29年10月1日 純新規(6等級)
運転者:本人と配偶者
免許:ゴールド
使用目的:日常・レジャー、沖縄以外
走行距離:3,000km以下(5,000km以下)
保険期間:1年
プラン | A:車両保険なし | B:車両保険(一般)あり |
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保険料(年払) | 21歳以上:5万7,120円(63,680円) 26歳以上:3万9,210円(43,980円) 30歳以上:2万4,360円(2万4,440円) | 21歳以上:11万2,930円(124,450円) 26歳以上:7万6,730円(84,840円) 30歳以上:4万6,140円(5万1,350円) |
割引 | インターネット割引、ゴールド割引、エコカー割引、新車割引、e証券割引 | |
車の補償 | なし | 車両保険:215万円 免責金額:7万-10万円 |
相手方への補償 | 対人賠償保険:無制限 対物賠償保険:無制限 対物超過特約:50万円 | |
ケガの補償 | 搭乗者傷害保険:1,000万円 人身傷害保険:3,000万円 無保険車傷害特約:2億円 | |
その他の補償 | 車内身の回り品特約:10万円 ファミリーケア特別見舞金特約:100万円 |
30歳以上に限定した保険料は、かなり安いといえるのではないでしょうか。この保険料で、車内身の回り品特約や無保険車傷害特約も付いています。ただ、21歳以上の保険料は他社に比べて特に安い印象はありません。20代前半までで走行距離も多いという場合には保険料に魅力はないでしょう。気になるのは、人身傷害か搭乗者傷害のどちらかを外すことができないことです。そこを選択できないのが少し残念でした。
今回は「スーパー自動車保険」を検討しましたが、チューリッヒにはもう一つ「ネット専用自動車保険」があります。「スーパー自動車保険」と比較すると、保険料は安くなりますが、ロードサービスが自動付帯ではなく特約になってしまいます。また、付けられる特約が限定されてしまうのも気になるところです。実際に見積もりをしてみたところ、21歳以上では「ネット専用自動車保険」の方が保険料がかなり安くなるのですが、30歳以上ではあまり差がありません。とにかく保険料を抑えたい人には向いていますが、実際に事故が起きたときの安心を考えると、「スーパー自動車保険」をお勧めしたいと思います。
総合まとめ
事故対応、ロードサービスは確かに充実しているようです。保険料を考えると30歳以上に限定できて走行距離が少ない人には保険料が安く、コストパフォーマンスが良いでしょう。特にペットを飼っていて旅行好きという人にはお勧めの保険です。ただ、若い人には保険料のメリットはあまり無さそうです。またスマートフォン以外の携帯電話での契約継続手続きや契約内容照会サービスが打ち切られています。スマートフォンが苦手な人は、GPS緊急通報サービスなどのサービスを使うのにも心配があるので、他の保険も検討してみた方が良いかもしれません。
※2018年9月14日時点の内容です。以降の更新情報はそれぞれのサービスを参照してください。