家族で海外旅行保険に加入したいときの、保険を選ぶポイント
家族で海外旅行に行く場合、子どもから大人までさまざまな年齢の人が同行することがあるため、同世代の友人と行く旅行とは違った気を付けたい点がいくつかあります。また、家族向けのプランなどを提供している保険もあります。家族で海外旅行に行くときは、どのように保険を選べばよいのでしょうか。ポイントをまとめました。
家族専用「ファミリープラン」とは
海外旅行保険には家族でまとめて契約する「ファミリープラン」があります。ファミリープランは同じ日程、渡航先で起きた事故やトラブルに対して、家族全員を一つの契約で補償してくれます。保険会社にもよりますが、渡航の目的が観光だけでなく商用、駐在などでも、ファミリープランが適用できる場合があります。
ただし「家族」は以下のような範囲に限定されているので、加入を検討する場合は対象になるのか確認しましょう。
- 本人の配偶者
- 本人または配偶者と生計を共にする同居の親族
- 本人または配偶者と生計を共にする別居の未婚の子
ファミリープランは家族で共有できる補償(「個人賠償責任」「携行品」等に対する補償)については、全員で一つの補償として重複しないようにしているため、その分、各自が別々に加入するよりも保険料を抑えられるのが特徴です。
家族でまとめて加入するメリットとデメリット
ファミリープランに家族でまとめて入ると、契約が一つで手続きが簡単だったり、補償の重複をなくした分、保険料の節約ができたりするメリットがあります。
一方、ファミリープランではセット契約が一般的で、付けられる補償と保険金額がある程度決まっているため、個別の事情を考慮した補償のカスタマイズできない点はデメリットと言えるでしょう。たとえば「死亡時の保障は生命保険に加入しているから、海外旅行の死亡補償はいらないな」と考えていたとしても、すでに「傷害・疾病死亡」がセット契約に組み込まれている場合があります。また、「幼い子どもや高齢者は病気などのリスクが高いけど、若い自分は治療費用の補償を抑えよう」と考えても、個別に補償を足したり減らしたりはできません。
個人に合わせた補償にしたい場合は、自由に補償を選べるフリープランなどで一人ひとり加入するといいでしょう。家族で補償を共有することはできませんが、補償内容が自由に設計できます。不要な補償を減らせば保険料を抑えられるでしょう。どちらが安いかは設計内容によります。自由に補償を選んだ場合とファミリープランなどのセットで入った場合で見積もりをとり、比べてみるとよいでしょう。
高齢者、妊婦、子連れなど、同行する家族によって注意したいこと
保険会社によりますが、海外旅行保険は加入できる年齢が定められていることがあります。店舗販売よりインターネット契約の方が、年齢制限が厳しい傾向にあります。だいたい70歳前後がボーダーになっているので、高齢者が同行する場合は加入可能かどうか、保険会社に確認しましょう。
また、妊婦の場合も加入に制限がある場合が多いです。こちらも保険会社によりますが、妊娠に関わる疾病は対象外になっていることが少なくありません。なかには妊娠初期の異常に対しては、補償してくれる保険会社もあります。補償の対象となる疾病を確認しておくとよいでしょう。
小さな子どもが同行する場合も注意が必要です。幼い子どもは体調を崩しやすく病気にかかりやすいため、医療補償は高めの設定をしておくと安心です。合わせて、携行品損害や個人賠償責任補償など、物損に備えておくのもいいでしょう。
家族特約付きのクレジットカードがあれば、カード補償に上乗せで保険に加入する
クレジットカードの海外旅行保険には「家族特約」という補償が付いている場合があります。家族特約は「生計を共にする19歳未満の同居親族等であればカードの名義本人と同等の補償が受けられる」といった条件が設定されています。条件はカードによって異なるので、あらかじめ補償対象を確認しておきましょう。対象外の場合は、家族カードを作るといいでしょう。家族カードを持っていれば、対象外の家族もカードの主契約者と同じ補償を受けられることがあります。このようにすれば、家族の海外旅行にクレジットカードで一定の補償が用意できます。
とはいえ、クレジットカード付帯の海外旅行保険は、保険会社と契約する海外旅行保険と比べると補償内容が一部に限られるうえに、保険金額も低めです。事故が起きたら高額になりやすい「医療費」や「損害賠償」に対する補償は、フリープランの海外旅行保険で上乗せを検討しましょう。
まとめ
家族で海外旅行保険に入る場合は、下記の加入方法が選択できます。
- ファミリープランでまとめて加入する
- 個別の事情に対応できるフリープランにそれぞれ加入する
- クレジットカードの家族特約があれば、保険会社の海外旅行保険と上手に組み合わせる
ファミリープランは契約の手間を省き、一部保険料の節約もできます。個々に不安要素(持病や幼い子どもがいるなど)があるならば、一人ずつフリープランで加入するのがおすすめです。適切な保険料で適した補償に加入するためにも、渡航先でのトラブル事例や治安などを旅行代理店や保険代理店の担当者に相談するとよいでしょう。家族の状況を伝えながら相談すれば、より具体的なアドバイスがもらえます。