マレーシアの医療情勢と医療費の相場

このページでは海外に在住しているブロガーの方から、現地の医療情報と日本人が渡航する際に知っておきたい情報などを寄稿していただきました。トラブル時に役立つ連絡先や薬局で買える薬など、在住者ならではの情報が満載です。

話を聞いた人

マレーシア在住ブロガー
emiemi さん
マレーシアの田舎キッチンからこんにちは

プロフィール:マレーシア人医師と国際結婚し、マレーシアに住んで17年。主人とその家族との生活や、いままで出会った現地の人々から学んだことをもとにマレーシアの文化、生活、学校や医療など様々な面からマレーシアの魅力をお伝えすることを中心にしながら時には疑問に思うこともエピソードとして書いたブログです。

目次

マレーシアの医療体制や医療費について聞いてみました

日本の医療体制と比べて、マレーシアの医療体制はどうかを教えてください

マレーシアの医療機関には、大きく分けて国公立病院と私立病院があります。国公立の病院では、マレーシア国民は医療費を国が負担するため、ほぼ無料になります。そのため患者数もかなり多く、スタッフも忙しいためサービスは多少悪くなってしまうときがあります。

私立病院には国の負担がないので、マレーシア国民であっても診療にかかる全費用を払います。費用も、医療項目の最高額は決められていますが、その範囲以内なら各私立病院が決めていいことになっていますので、同じ治療を行っても病院ごとに費用が大きく変わってきます。マレーシア人にとっては高い医療費を払うことになるので、患者数も国公立病院に比べて少ないです。

公費負担費用や自費負担費用(保険の有無など)について教えてください

マレーシアには健康保険はありません。そのかわりに国公立病院での医療費は、ほぼ国が負担してくれます。

私立病院は治療費にかかる全ての費用が自己負担になります。ただし、自分の勤めている会社が個々で特定の私立病院と契約し、会社が社員の医療費を負担する場合もあります。その時は会社が指定する私立病院、個人クリニックにおいて医療費は無料、もしくは一部負担になります。以上のように、マレーシアでは保険は民間のものしかありません。

また、民間の保険に入ってもその保険会社が契約している私立病院、個人クリニックでしかその保険は使えません。ただし、大きな私立病院ならほぼ保険は使えるとは思いますが確認する必要はあります。日本人も、もちろん入ることができます。

公立病院と私立病院の医療情勢について教えてください

国公立病院では、マレーシア国民は医療費のほとんどを払う必要がないので、患者数も多く、スタッフも忙しいため丁寧なサービスは期待できません。また、待ち時間も救急でない限りかなりあります。専門医にも直接会うことはできず、まず研修医やこれから専門医を目指す医師に最初会ってから必要ならば彼らの判断で専門医を紹介してくれます。ただし、一部の国公立大学病院においては、お金を払って直接専門医に会えるところもあります。

最新の技術や知識、医療機器をもっているのは国公立大学病院です。私立病院では、経験豊富な専門医に直接会うことができます。患者数も少なく、スタッフも丁寧なサービスを提供してくれます。待ち時間もそれほどありません。ただ、国公立病院に比べると医療機器や専門医の数が少なく対応できないときは、国公立病院に送られることもあります。

個人クリニックでは、日本と同じようにできることが限られています。クリニックでできないことには紹介状を書いてもらえますので紹介状を持って紹介された病院にいくと大きな病院でもスムーズに受診できます。

マレーシア医療Q&A

救急車の費用はかかりますか?また費用がかかる場合、いつ請求されるのでしょうか?

外国人は、国公立病院でも私立病院でも救急車の費用がかかります。費用は一番最後に請求されます。 薬はどうやって処方してもらうのでしょうか?

薬を処方してもらうときには医師に会う必要があります。日本の病院で処方してもらった薬と同じものが欲しいときには、その薬をサンプルとして持っていく、薬の種類が書かれた紙を持っていくようにしましょう。できたら薬の名前は英語で調べておいたほうがよいでしょう。ただし、国によって使用できる薬が違うため、全く同じ薬が手に入らないこともあります。

薬局で買える日本人向けの薬はあるのでしょうか?

薬局で簡単に手に入る薬は、痛み止め、熱冷ましのようなものになります。

マレーシアでは「panadol」が使われています。

救急番号は何番ですか?

マレーシアでは「999」になります。ただし、警察も消防も救急車も全て同じ番号になっていて、まずマレーシアテレコム(電話会社)につながり、テレコム職員が内容を聞いて該当者機関に連絡することになっています。この場合、国公立病院への搬送になります。

私立病院の救急車の要請は直接その私立病院に電話して来てもらうことになります。

現地に移住して思った医療の悩みを教えてください

英語やマレーシア語で日常会話はできても医療になってくると専門用語が理解できない時があります。クアラルンプールやペナンには日本語が話せる医師やスタッフがいる病院もありますので言葉に自信のない方は事前に調べておいたほうが良いでしょう。

日本人がマレーシアに行くときに知っておきたいこと

マレーシアで外国人がマレーシアの病院を受診した場合、国公立病院、私立病院、個人クリニックいずれも医療費を請求されます。国公立病院は外国人でも、それ程高くない料金で受診できますが、患者数も多く私たち日本人にとってはスタッフの対応には不満を持つかもしれません。

私立病院は、サービスは良いですがかなり高額な料金を取られることもあります。ICUなどに入ると1泊の費用が日本円にして10万円ほどになります。そういった事を考えると何かあったときのお守りとして、なんだかの保険にはいっておくのは悪いことではない、そう思えます。

日本人がマレーシアに旅行に行く際に気を付けておきたいポイントはありますか?

慣れない場所での病院、薬局探しは大変だと思います。持病の薬や簡単な病気や怪我に対応できる薬などは持っていたほうが安心です。

マレーシアで気を付けたい病気やケガについて教えてください

つい最近には狂犬病がありました。また、暑い国なのでサルモネラ菌、デング熱も気をつけたほうがいいでしょう。

マレーシアに危険地域はありますか?

タイ、インドネシアとの国境地帯では狂犬病が発見されていますので気をつけたほうがいいと思われます。 マレーシアで便利に使えるクレジットカードはありますか?

VISAとMASTAR CARDです。その他は店によっては扱ってないときもあります。

マレーシアで困った時に相談できるサポートダイヤルを教えてください

日本語対応の病院を知りたいときや救急の際の情報は在マレーシア日本国大使館領事部のホームページや直接聞くのが一番よいと思います。

在マレーシア日本国大使館領事部 電話:03-2177-2600(内線147)

マレーシアに移住して思ったことやマレーシアの魅力とは?

マレーシアの雄大な自然、優しい人々は私たちに日本人が忘れかけといたものを思い出させてくれます。ゆっくり生きていいんだ!と思える生活ができるのがマレーシアの魅力です。

目次