観光?出張?留学?目的別で異なる海外旅行保険の内容

海外旅行保険に加入するには、渡航する目的を告知しなければいけません。遊びに行くのなら「観光」、仕事をしに行くのなら「出張」。他に、「留学」「駐在」「ワーキングホリデー」もあります。

渡航目的を明らかにさせる理由は、それによって生じるリスクが異なるからです。そこで保険会社は、渡航目的に合わせた特別な特約やプランを用意しています。

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外国で暮らすことによって生じるリスクを補償

数日から数週間の短い期間であれば、「観光」でも「出張」でも補償内容が変わることはほとんどありません。しかし、「留学」「駐在」「ワーキングホリデー」など海外で暮らすことを目的に渡航する場合、現地でのリスクをカバーする専用のオプションが設けてあります。具体的には次のようなものです。

家族総合賠償責任特約

火事で借家を全焼させた場合の補償など、一般的な海外旅行保険用の個人賠責では補償されない家主への賠償責任もカバー。平たく言うと個人賠償責任保険のグレードアップ版。

生活用動産特約

こちらも一般的な携行品損害のグレードアップ版。留守中にカメラや時計などが盗難に遭った場合や、落として破損してしまった場合などに使えます。

緊急一時帰国費用

家族の死亡・危篤に備えての一時帰国費用を補填。

これらの専用オプションに、通常の海外旅行保険の補償を組み合わせたプランが、「留学保険」「駐在員保険」「ワーホリ保険」などという商品名で販売されています。

保険料はリスクの度合いと補償内容に応じて変動する

渡航目的によって保険料が変わることはあります。たとえば、危険を伴うようなスポーツをする予定の人は、観光目的で渡航する人よりも事故を起こす確率が高いですよね。保険会社からすれば、保険金を支払う確率が高い、つまりリスクの高い契約者となるわけです。すると、両者が同じ保険料というわけにはいきません。

前述した留学保険や駐在員保険のように、特別なオプションを付けることでも保険料が変動します。このように、保険料を決定づける大きな要素は、「リスクの度合い」と「補償内容の充実度」です(※)。

なお、渡航期間の日数によっても保険料は上下し、長ければ長いほど高くなりますが、長期滞在の割引などもあるため、単純計算はできません。

(※保険事業を営むための経費も関係しますが、ここでは割愛します。)

個人、法人で異なる契約形態と受取人の設定

個人の渡航で海外旅行保険に加入する場合、保険の契約者や被保険者(補償対象になる者)は「自分」、治療費や携行品損害など保険金の受取人も「自分」になり、死亡保険金の受取人は契約者が指定する「法定相続人」になります。

しかしこれが法人での契約となると事情が異なります。会社員の人が出張などで海外旅行保険に契約する場合、契約者は「会社」、被保険者は「自分」になり、保険金の受取人は、死亡保険金を含めてケース・バイ・ケースになるというのが実情です。特に死亡保険金は、会社が受け取るのか、会社が受け取った後で遺族に見舞金や弔慰金という形で一部または全額を支払うのか、社内規定により決まります。

このあたりの取り決めは社内規定が絡んでくるので、疑問に感じたら会社に確認しておきましょう。

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