台湾の医療情勢と医療費の相場

このページでは海外に在住しているブロガーの方から、現地の医療情報と日本人が渡航する際に知っておきたい情報などを寄稿していただきました。トラブル時に役立つ連絡先や薬局で買える薬など、在住者ならではの情報が満載です。

話を聞いた人

台湾在住ブロガー
Mikiko さん
くいしんぼうCAMのもっとおいしい台湾‼‼

プロフィール:台湾在住ライター・ブロガー。台湾人との国際結婚にて台湾に移住し、台湾在住7年目。Webメディアやガイドブックで台湾情報を執筆、自身のブログでも台湾での生活や台湾の旅行情報などを紹介している。

目次

台湾の医療体制や医療費について聞いてみました

日本の医療体制と比べて、台湾の医療体制はどうかを教えてください

台湾の医療制度は、「全民健康保険(National Health Insurance)」という台湾政府の衛生福利部中央健康保健署が管理するシステムで、台湾で戸籍を持つ全ての人に対して平等な医療ケアを提供するために作られました。医療サービスを受ける際に、全民健康保険カードを提示することで、医療費やそれに付随する薬の費用に対して、全民健康保険から一定割合の補助を受けることが出来ます。日本の国民健康保険証と同じような利用が出来ます。このシステムの財源は、全加入者で子供や老人、障がい者などを除き、全加入者が収入の一部を全民健康保険に支払っています。

公費負担費用や自費負担費用(保険の有無など)について教えてください

診療費用は、職業などに基づき分類される加入区分で負担額は変動しますが、風邪などの診療であれば、ほとんどの診療所で、1回150元ほどで診察から処方箋までもらえるところが多いです。総合病院を受診の場合は、費用は高くなり1回500元ほどかかります。

台湾に長期滞在する外国人も全民健康保険の加入が可能で、通常、6カ月以上連続して台湾に滞在後、申請手続きをして加入できますが、職場から申請すれば滞在6カ月未満でも全民健康保険の加入することが可能です。

自由診療も可能で、クリニックであれば1000~2000元ほどの自己負担で診察できる場合が多いです。日本で購入するより安価ということで、台湾旅行の際に東洋医学の病院で漢方を処方してもらう人も多いです。

公立病院と私立病院の医療情勢について教えてください

台湾では病院の規模により区分化され、診療費が異なるシステムで、総合病院の場合は診療費が高くなります。総合病院でも個人クリニックでも「掛號(登録)」という予約システムで受付番号をもらってから診療の順番を待ちます。インターネットや電話で先に受付番号をもらうことも可能です。その場で受付番号をもらう場合、総合病院では数時間、人気のクリニックでも1時間以上は待ち時間がある場合もあります。

台北に限らず、地方都市でも病院やクリニックの数が多くアクセスも便利ですが、離島や過疎化地区などでは病院や医師が不足しています。

台湾医療Q&A

地域特有の病気や、季節で流行る病気はありますか?

台湾は南国というイメージが強いですが、四季があり、冬は5~10度など寒くなることもあります。日本同様インフルエンザなども毎年流行し、注意が必要です。現在台北や高雄などの大都市では、日本のドラッグストアも進出し、手軽に日本の医薬品を購入することも出来ます。

救急車の費用はかかりますか?

本当に緊急を要する場合、重病にて119番から救急車を呼んで利用した場合の費用は無料ですが、緊急性を要しないと判断された場合、1回1800元ほどの費用を請求されることもありますが、現在は各都市によって制度が異なります。

台湾での医療で戸惑ったことなど教えてください

中華圏独自の医療文化ですが、東洋医学の診療所も多く、以前台湾で骨折をしてしまった際に、西洋医学の総合病院でギプスをしてもらったのですが、東洋医学の病院(中医/中醫)で働く人から、早く完治したいならギプスを外して、針治療をした方がいいと強く勧められ、戸惑った経験があります。中医と西洋医学のどちらも混在する台湾では、症状に合わせて病院を選ぶことも大切です。

日本人が台湾に行くときに知っておきたいこと

台湾では全民健康保険というシステムを構築し、市民が医療制度を利用しやすい体制をつくっています。全民健康保険加入者であれば、比較的安価に診療を受けることが出来るのはうれしいです。台湾では、東洋医学と西洋医学のどちらもよく利用されており、症状に合わせてどの診療所、病院に行くかを検討する必要があります。

また、台湾でも晩婚化、少子化が深刻化しており、今後高齢化が進むうえで、さらなる医療体制の革新が求められています。

日本人が台湾に旅行に行く際に気を付けておきたいポイントはありますか?

台湾に限らず海外旅行の際には、海外旅行保険をかけておくことをおすすめします。慣れない旅先の環境で体調を崩したりすることも予想されるので、転ばぬ先の杖ですね。

台湾で気を付けたい病気やケガについて教えてください

台湾はオートバイも多かったり、交通マナーがあまり良くないこともあり、旅行者が車やバイク、バスと事故になるケースも多いです。歩行者優先というルールではありますが、無理せず安全第一で、バイクや車を先に通してしまうことも大切です。

台湾では、食事や衛生面で過敏になることはないですが、普段からお腹に自信がないという人は、夜市や屋台など衛生面が気になるような店舗の食べ物は要注意。また海鮮なども出来れば控えましょう。

台湾に危険地域はありますか?

台湾で人気の観光地、花蓮縣の太魯閣渓谷は大理石の山々の絶景が楽しめますが、落石も多く、散策の際には必ずヘルメットを着用しましょう。

また2015年にはデング熱の感染も多発したり、マダニの生息も確認されているので、山や草むらでの肌の露出などにも注意しましょう。

台湾で便利に使えるクレジットカードはありますか?

VISAカードは、ほとんどどこのお店でも使用することが出来ます。ダイナース、アメリカンエキスプレスは、利用できる場所は少ないです。

台湾で困った時に相談できるサポートダイヤルを教えてください

  • 緊急電話番号
    警察(中国語):110
    救急・事故・火災など(中国語):119
  • 日本交流協会
    北事務所 台北市慶城街28號通泰大樓1F
    TEL(02)2713‐8000
  • 高雄事務所
    高雄市苓雅区和平一路87號10F
    TEL(07)771‐4008
  • 日本語が通じる病院
    台安医院 国際特診中心
    台北市八徳路2段424號 3F(国際特診中心)
    TEL (02)- 2776- 2654 日本語
    (海外旅行保険などの書類があればキャッシュレス受診も可能)

台湾に移住して思ったことや台湾の魅力とは?

台湾では日本語が話せる人が多く、レストランや街でも困っているとよく声をかけて助けてくれることも多いです。親切な人が多いのも魅力だと思います。

日本文化に興味がある人も多く、日本食レストランも充実しているので大変住みやすい場所だと思いました。

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