海外旅行保険はワーキングホリデーや海外赴任(駐在)にも使える?

海外旅行中のトラブルの補償として「海外旅行保険」がありますが、ワーキングホリデーや海外赴任(駐在)のように現地で働く場合も利用できるのでしょうか。また、利用できる場合どのような点に注意して保険を準備したらいいのでしょうか。

目次

海外旅行保険は「働く」渡航者にも使える

ワーキングホリデーや駐在を目的に渡航する場合にも海外旅行保険は利用できます。保険会社にもよりますが、海外旅行保険は観光用の旅行に限らず、さまざまな目的を対象とした渡航時のトラブルを補償してくれます。

ただし、一般の海外旅行保険は30日程度が保険期間の限度であることが少なくありません。長期の保険期間を対象とする海外旅行保険を探すか、ワーキングホリデーや駐在を専用としたプランに加入する必要があります。

ワーキングホリデー保険

ワーキングホリデー専用の保険として「ワーキングホリデー保険」「ワーキングホリデープラン」などがあり、保険会社によって呼び方はさまざまですが、いずれもワーキングホリデーに特化した専用のプランです。留学者専用の「留学保険」と兼用になっている場合もあり、備えられる補償は留学保険と基本的に同じです。留学保険については「海外旅行保険は留学にも使える?」で解説しています。

これらワーキングホリデーや留学専用の海外旅行保険では、一般の海外旅行保険の補償に加えて居住施設内にある持ち物(生活用動産)まで補償してくれたり、個人賠償責任の補償の範囲が広いという特徴があります。

駐在員保険

駐在員専用の保険として「駐在員保険」「駐在員プラン」などがあり、こちらも保険会社によって呼び方が異なります。駐在となると、その家族も一緒に渡航する可能性があります。そこで駐在員専用の保険では、家族が起こした他人への賠償(家族総合賠償責任)や、家族の生活用動産に対しても補償する特徴があります。

現地で働くときに備えておきたい補償

ワーキングホリデーや駐在など渡航先で働く場合、長期的に不特定多数の人と接点が増えるので、幅広い他者へのトラブルに備える「個人賠償責任」補償は高めの保険金額にすることをおススメします。また、一般の海外旅行時でも手厚くしておきたい治療・救援費用などの医療補償ですが、長期滞在になるワーキングホリデーや駐在ならなおさらです。

海外では医療費が全額負担になるので支払いが高額になりがちです。滞在日数が長ければ長いほど、ケガや病気などで医療機関にかかる可能性も高まるので、医療補償は高額に設定しておきましょう。海外療養費制度を利用できますが、書類の不備などで給付までに手間や時間がかかることもあります。

保険の比較ポイント

「ワーキングホリデー保険」や「駐在員保険」のような専用の保険は、現地で働くことを前提としたプランになっています。現地で生活、仕事をすることを考慮した補償が備えられているので安心ですが、自分にとって必要でない補償が組み込まれている可能性もあります。補償内容とコストバランスを考えて、各保険会社で試算してみるなど、見積もりをとるようにしましょう。

複数の保険を比較検討したい場合は「損害保険」の取り扱いが多い総合保険代理店に当該補償 のある保険があるか確認して相談しましょう。また、加入したい保険会社を3社程度に絞ることができれば、コールセンターで「ワーキングホリデー(または駐在員)専用の補償も備えられる、海外旅行保険の相談ができる窓口はどこか」について訪ねれば、比較的時間をかけずに調べることができます。

専用保険に加入しない場合

専用保険に加入しない場合は、一般の海外旅行保険とクレジットカードの保険を組み合わせるなどでも対応できます。ただし、保険料が割高になってしまったり、クレジットカードの付帯保険で定められた補償期間を過ぎてしまうなどのリスクもあります。オーダーメイドプランにする場合でも、「個人賠償責任」と「治療・救援費用」補償を中心に十分な保険金額を備えるようにしましょう。

まとめ

ワーキングホリデーや駐在など、現地で働く場合も海外旅行保険の加入は可能で、専用の補償を備えることもできます。また、長期滞在の場合は、現地の保険に加入することも一案でしょう。

ワーキングホリデーや駐在員に合わせた専用保険を探したり、各プランを細かく比較すると結構な手間がかかります。保険代理店を訪ねるか、ある程度保険会社を絞ってから対応窓口を確認しましょう。そうすれば、比較的スムーズに情報を入手して検討できますよ。

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