乳がんでも保険に入ることができるのか?

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乳がんになったことのある人が一般の保険に入るには?

がんが消滅してから5年以上経過し、その後再発や転移がないことが重要です。

乳がんは、乳腺細胞から発生するがんであり、男性にも発症することはありますが、極めて少なく、ほとんどが女性乳腺上皮からのがんです。

自分自身で発見可能な数少ないがんであり、自身による触診チェックが推奨されています。以前は、乳がんに対しては乳房全摘術が適用されていましたが、現在は、世界的に乳がんの手術においては、切開部位は縮小化傾向にあります。

告知の際のチェックポイント

乳がんの既往症のある人が、保険に加入する際に告知をする場合は以下を記入するとよいでしょう。ただし、乳がんをはじめとする悪性腫瘍については、告知のみではなく病理検査の結果の記載のある診断書の添付が必要となる場合がほとんどです。

  1. いつ診断されたのか。検査名、診断名は何か
  2. 診療機関名
  3. 治療の内容と治療期間(経過のフォロー含め)
  4. 再発・転移について

1.いつ診断されたのか。検査名、診断名は何か

乳がん検診で指摘を受けた、自身でしこりを発見した等、医療機関を受診したきっかけを記入してください。左右も記載してください。そして、何の検査(細胞診、組織診)をし、どのような診断(ステージ分類(病期分類))をされたのか記入してください。病理検査の結果の記載のある診断書の提出をするとよいでしょう。

2.診療機関名

告知の際には、受診している医療機関名を告知しましょう。がんセンターか、大学病院か医療センターか、保険会社は医療機関と病名との整合性を確認するためです。

3治療の内容と治療期間(経過のフォロー含め)

治療の内容(手術、放射線療法、薬物療法、分子標的療法など)を、受けたものをすべて記載してください。手術についても、腫瘍核手術、乳房温存手術、乳房全摘術など詳細に記載してください。病期や状態により、手術が異なります。

術後のフォローについても詳細を記入するとよいでしょう。(○ヶ月ごとに経過観察で通院、検査の内容の結果等)。手術により、あるいは放射線治療でがんが消失し、かつ現在転移なく5年以上経過している場合に、条件付きではありますが保険に加入できる可能性もあります。

4.再発・転移について

どんな薬を飲んでいるかも判断材料になります。また、乳がん以外にも服薬している薬がある場合は、すべての薬剤名を記入しておきましょう。

残念ながら一般の保険に加入できない場合

これまで述べたポイントを踏まえても加入できない場合、次の手段として、「引受基準緩和型」または「緩和型」と呼ばれる保険の審査を受けてみるのも一手です。持病や病歴のある人でも加入できるよう、審査基準をやさしくした保険のことで、保険料は少し割高になりますが、それでも入りたいという人は意外に多いことから、保険会社が力を入れつつある分野の一つです。

特徴的なのは、この手の保険の審査基準が保険会社によってまちまちな点。A社ではダメだったものがB社では通ったり、逆にB社ではNGな症状がA社では問題視されていなかったり、各社でスタンスが異なります。つまり、「保険に入っておきたい」という目的を叶えるなら、数撃ちゃ当たる作戦が功を奏する可能性が高くなるということです。

もちろん、これまで述べてきたように、乳がんでも引き受けてくれる蓋然性は高いとは言えません。

そこで、引受基準緩和型保険でも加入を断られた場合、最終手段として「無選択型」と呼ばれる告知なしの保険に頼るという手もありますが、当サイトではあまりお勧めしていません。「告知なし=誰でも加入できる」というだけあって、保障が限定的であったり、保険料がずば抜けて高かったりと、さほどメリットを見出だせないと考えているためです。

もちろん、保険は安心を買う商品でもありますから、真っ向から否定はしませんが、無選択型保険を選ぶ場合は、緩和型保険以上にその保障内容をきちんと理解したうえで加入するようにしましょう。

ところで:なぜ乳がんだと保険の加入が難しくなるのか?

乳がんは、初期の非浸潤性乳管がんの状態(=周囲の組織に広がっていない)で発見され、治療を行えば完治も難しくないといわれています。しかし、発見が遅れた場合は、ステージ(病期)が進行するにつれて5年、10年生存率は低下します。また、再発や転移が多いのが特徴であり、保険の加入は厳しくならざるをえません。

乳がんの再発は、手術後3年以内に起こることが多いのですが、5年~10年を経過してから再発することもあるため、注意して経過観察をしなければなりません。

また、他のがんと比べると、比較的早い段階で転移しやすいという特徴があります。がん細胞は血液やリンパの流れに乗って転移をしますが、乳がんが転移しやすいのは、リンパ節や肺、骨、肝臓などです。遠隔転移のある乳がんでは、がんを完全に治すことはできないため、薬物療法を中心として、がんの症状を和らげる、進行を抑えるなどQOL(クオリティ・オブ・ライフ)を保ちながら長期に治療を行ってくことになります。

(注)あくまで当サイトの考察であり、保険に加入できるかどうかの判断基準は保険会社により異なる点、ご留意ください。

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