胆嚢炎でも保険に入ることができるのか?

目次

胆嚢炎の人が一般の保険に入るには?

胆嚢がんを否定できることが重要です。


胆嚢炎とは、胆石症や細菌感染などが原因で起こる胆嚢の炎症です。胆嚢炎には、急性胆嚢炎、慢性胆嚢炎、無石胆嚢炎などがあります。

急性胆嚢炎の約9割は、胆石が原因です。胆石が胆管に蓄積し、閉塞することによって炎症を起こすのです。その他の原因としては消化酵素を含む膵液の逆流などがあります。まれに胆石のない患者に急性胆嚢炎が発症することがあります(無石胆嚢炎)が、これは重い病気です。外傷、手術、やけど、全身性感染(敗血症)、特に長期間の静脈栄養補給を受ける重い病気の後に発症する傾向があります。

告知の際のチェックポイント

胆嚢炎の既往症のある人が、保険に加入する際に告知をする場合は以下を記入するとよいでしょう。

  1. 受診の経緯
  2. 診断名
  3. 治療内容、手術の詳細
  4. 医療機関名

1.受診の経緯

急性胆嚢炎の初期症状は、右上腹部の突然の激痛です。これを胆嚢発作といいます。痛みは背部へ広がり、発熱、吐き気、嘔吐が起こります。通常、発作は数日でおさまり、一週間程度で消失することが多いのですが、症状が続く場合には、黄疸や膵炎、腸閉塞などの合併症をおこしている可能性が高くなり緊急手術の対象となります。

2.診断名

急性胆嚢炎、慢性胆嚢炎、無石胆嚢炎などの診断名を記載してください。胆嚢炎を起こす前に、胆石の既往があった場合には併せて記載してください。

3.治療内容、手術の詳細

手術となった場合には、手術に至った経緯を記載してください。

近年は腹腔鏡下での胆嚢摘出術が多くなりましたが、病状の進行具合によっては開腹手術となります。症状、初診から手術までの経緯の整合性を確認します。

4.医療機関名

近所の病院なのか、大学病院なのか、症状や診断の内容との整合性を見るためです。

残念ながら一般の保険に加入できない場合

これまで述べたポイントを踏まえても加入できない場合、次の手段として、「引受基準緩和型」または「緩和型」と呼ばれる保険の審査を受けてみるのも一手です。持病や病歴のある人でも加入できるよう、審査基準をやさしくした保険のことで、保険料は少し割高になりますが、それでも入りたいという人は意外に多いことから、保険会社が力を入れつつある分野の一つです。

特徴的なのは、この手の保険の審査基準が保険会社によってまちまちな点。A社ではダメだったものがB社では通ったり、逆にB社ではNGな症状がA社では問題視されていなかったり、各社でスタンスが異なります。つまり、「保険に入っておきたい」という目的を叶えるなら、数撃ちゃ当たる作戦が功を奏する可能性が高くなるということです。

引受基準緩和型保険でも加入を断られた場合、最終手段として「無選択型」と呼ばれる告知なしの保険に頼るという手もありますが、当サイトではあまりお勧めしていません。「告知なし=誰でも加入できる」というだけあって、保障が限定的であったり、保険料がずば抜けて高かったりと、さほどメリットを見出だせないと考えているためです。

もちろん、保険は安心を買う商品でもありますから、真っ向から否定はしませんが、無選択型保険を選ぶ場合は、緩和型保険以上にその保障内容をきちんと理解したうえで加入するようにしましょう。

ところで:なぜ胆嚢炎、胆石だと保険の加入が難しくなるのか?

急性胆嚢炎で入院、手術している場合には特に問題ないのですが、緊急性が感じられないのに、即手術となっている場合には、ほかの悪性の疾患も考えられるため保険の加入が難しい場合があります。特に、腹腔鏡下でなく、開腹手術を行っている場合には、胆嚢がんの可能性が否定できないため、死亡生命保険は条件付での加入、医療保険とがん保険については加入が難しいかもしれません。診断書の提出を求められる可能性が大きいでしょう。

また、無石胆嚢炎については、重篤な基礎疾患の上に発症していることが考えられるため、保険の加入は難しいでしょう。

(注)あくまで当サイトの考察であり、保険に加入できるかどうかの判断基準は保険会社により異なる点、ご留意ください。

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