三井住友海上「GKすまいの保険」を徹底分析

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三井住友海上保険ではGKシリーズとして、自動車保険、火災保険、傷害保険を展開しています。GKとは「ゴールキーパー」の意味で、リスクから加入者を護る、というイメージのよう。「GKすまいの保険」はGKシリーズの一環となる火災保険です。

この商品は保険期間が5年以下となっており、6~10年の長期契約ができるものとして「GKすまいの保険スーパーロング」という別の商品が用意されています。「GKすまいの保険」と「~スーパーロング」は、保険期間を除くと、補償内容は変わらないようです。また、それらとは別に積立型の商品もあります。

主な補償内容

プランと主契約

種類 プラン
6つの補償プラン 5つの補償プラン 4つの補償+破損汚損プラン 4つの補償プラン 2つの補償プラン
火災・落雷・破裂・爆発
風災・ひょう災・雪災
水濡れ ×
盗難 ×
水災 × × ×
破損・汚損 × × ×
自己負担額 建物:1/3/5/10万円から選択 家財:1/3/5万円から選択

火災と風災をミニマムな補償として、そこに水濡れ・盗難をつける→さらに水災か破損・汚損のどちらかをつける→すべて補償する、という段階的なプランが用意されています。必要な補償だけのプランを選ぶことは難しくないでしょう。なお、この商品では落下・飛来・衝突と騒じょうの補償は「破損・汚損」に含まれています。

特約

種類 主な内容
地震保険 地震による倒壊・火災・津波などで被った損害を補償
失火見舞費用特約/類焼損害・見舞費用特約 失火見舞費用特約:第三者への見舞金を補償。1世帯あたり30万円まで。
類焼損害・見舞費用特約:自宅からの出火により近隣等第三者の所有物に類焼し、類焼先の火災保険で復旧できない場合、修復費用の不足分を補償。1億円まで
※この2つの特約はどちらか一方のみ。ただし、類焼損害・見舞費用特約は失火見舞費用特約の見舞金補償も得られる。
居住用建物電気的・機械的事故特約 建物の機械設備に電気的または機械的事故が生じ、故障した場合の修復費用を補償
自宅外家財特約 旅行などで持ち出し中の家財の損害を補償(家財が保険の対象の場合のみ)
日常生活賠償特約 第三者に与えた損害の賠償費用を補償 1億円まで 示談交渉サービスつき
受託物賠償特約 他者からの預かりものやレンタル品に与えた損害の賠償費用を補償 30万円または100万円が限度 示談交渉サービスつき
借家人賠償・修理費用特約 賃貸で貸主に負った賠費用を補償 示談交渉サービスつき

特約については、賠償関係を中心に、一般的なものが揃っています。賠償特約はいずれも示談交渉サービスが付属しています。

費用保険金

種類 主な内容
損害防止費用 損害の発生および拡大の防止のためにかかった費用
事故時諸費用保険金 保険金が支払われたとき、保険金の所定の割合を費用として支払い
地震火災費用保険金 地震等が原因の火災で以下の損害を受けたときの費用。支払限度額の5%
■建物:半焼以上
■家財:全焼
バルコニー等修繕費用保険金 保険金が支払われたとき、バルコニー等の共用部分に生じた修繕費用

費用保険金はすべてのプランに自動でセットされています(バルコニー修繕費用保険金はマンションのみ)が、事故時諸費用保険金は外すことも可能です。

その他

種類 主な内容
暮らしのQQ隊 水まわりQQサービス 水まわりの故障・トラブルに対し、30分程度の応急処理をサービス(24時間365日対応)
カギあけQQサービス カギの紛失などにともなう応急のカギ開けをサービス(24時間365日対応)

水まわりのトラブル対応、カギ開けが、付帯サービスとして用意されています。こちらは「6つの補償プラン」「5つの補償プラン」「4つの補償+破損汚損プラン」にのみ、自動でセットされます。

保険料

払込方法等

  GKすまいの保険 GKすまいの保険スーパーロング
割引 ・長期分割割引(5%)
払込方法 ・一般分割払(1年)、一時払(1年)、長期一括払(2~5年)、長期分割払(2~5年)
・口座振替、クレジットカード、コンビニ・郵便局・ペイジー (※クレジットカードは一般分割払・長期一括払のみ)
・長期一括払
・口座振替、クレジットカード、コンビニ・郵便局・ペイジー  
評価 再取得価格

支払方法は契約年数によって変わりますが、基本は口座振替での支払いです。

「GKすまいの保険スーパーロング」は、自動継続特約をつけることができます。保険期間は6年以上10年以下となりますが、その後の「予定継続期間」と「継続方式」を決めることができます。予定継続期間は11年以上40年以下で決めることができ、これは、当初の契約期間が過ぎた後、予定継続期間までの間、自動で契約が更新されるというものです。

継続方式は、この自動更新を1年ごとにする(1年継続方式)か、可能な限りの長期にする(長期継続方式)か選べ、更新時に一括で保険料を支払います。たとえば、10年契約で、その後さらに20年の自動契約特約をつけたとしましょう。1年継続方式では、10年経過後、次の20年間毎年1年ずつ自動更新があり、保険料を更新時に1年ぶんずつ支払います。長期継続方式では、10年経過後、さらに10年間の更新(火災保険の契約期間は最大で10年だからです)を2回行い、更新時に10年ぶんずつの保険料を支払います。

これによって実質的に、住宅ローン期間に合わせた長期契約が可能になります。長期契約による割引が適用されるため、保険料を抑えることができますが、あくまで自動更新されているだけで、契約期間は最大でも10年であることには注意してください。更新の手間を減らすためのものだと考えるとよいでしょう。

契約例1.専用住宅

《見積もり条件》
環境:東京都、5年契約
プラン等:6つの補償プラン、建物2,000万円、家財1,000万円、自己負担額3万円

項目 金額等
構造級別 H構造
建物+家財の保険料 5万7,030円
地震保険つきの保険料 10万5,930円
払込方法 年払

契約例2.マンション

《見積もり条件》
環境:大阪府、5年契約
プラン等:4つの補償+破損汚損プラン、建物1,000万円、家財800万円、自己負担額3万円

項目 金額等
構造級別 M構造
建物+家財の保険料 1万630円
地震保険つきの保険料 2万2,870円
払込方法 年払

総合まとめ

比較的、自由度高くプランを組むことができる商品と言えるので、フルセットは望まないという人には、自分に合った補償にしやすく、適しているでしょう。火災と風災だけのプランもあるので、補償を絞り込むことで安く火災保険に入りたい人は、比較検討する1つにできると思われます。

ただし下位のプランは付帯サービスがありませんので、この点に魅力を感じている人は要注意です。水まわりトラブル対応やカギ開けサービスは特に必要ないという人なら、ミニマムなプランで他社と保険料を比較して選ぶと良いでしょう。

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