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セコム損保「セコム安心マイホーム保険」を徹底分析

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手頃な保険料と豊富な割引制度を売りにしているセコムの火災保険。2000年の発売から随時リニューアルを繰り返し、警備保障会社としての経営資源とノウハウを活かしたサービスを提供しています。

以下、安心マイホーム保険について調べてみました。

主な補償内容

プランと主契約

種類 補償プラン
ワイド ベーシック スリム
火災・落雷・爆裂・爆発
風災・雹災・雪災
盗難
落下・飛来・衝突等 ×
水漏れ ×
破壊等 ×
水災 × ×
免責 0円、10万円、20万円より選択。

スリムといいながら盗難補償が付いているところや、ベーシックプランに水災が除外されているところなど、他社とはやや異なります。平均的な補償内容を求めるならワイドプラン一択ですが、マンションの高層階に住んでいるなどの場合は、ベーシックプランでもいいでしょう。 免責額は表のとおりですが、風災・雹災・雪災にのみ設定することも可能です。

特約

種類 主な内容
地震保険 地震による倒壊・火災・津波などで被った損害を補償
地震火災費用保険金補償特約 地震等が原因の火災で建物が損害を受けたときの費用
支払限度額の5%、30%、50%から選択(20%、50%は要地震保険)
1事故1敷地内あたり300万円限度
臨時費用保険金補償特約 給付事由を満たす損害に伴う臨時費用
支払限度額の10%(限度額100万円)または30%(限度額300万円)
失火見舞費用保険金補償特約 水漏れ、落下、騒擾等で被った損害を補償
類焼損害補償特約 自宅からの出火により近隣等第三者の所有物に類焼し、類焼先の火災保険で復旧できない場合、修復費用の不足分を補償
借家人賠償責任補償特約 賃貸で貸主に負った賠費用を補償
1億円まで
個人賠償責任補償特約 第三者に負った賠償費用を補償
示談交渉サービス付
3億円まで
ドアロック交換費用補償特約 カギの盗難により錠の交換にかかる費用を補償
携行品損害補償特約 自宅から持ちだした家財が事故により損害を負ったときの修理費用を補償。要家財保険
免責3万円
破損・汚損損害等補償特約 建物または家財が不測かつ突発的な事故により損害を負ったときの修理費用を補償
建物付属機械設備等
電気的・機械的事故補償特約
建物の機械設備に電気的または機械的事故が生じ、故障した場合の修復費用を補償
要破損・汚損損害等補償特約

地震保険は制度上、火災保険の支払限度額の50%までしか設定できない決まりになっていますが、地震火災費用保険金補償特約を追加することによって、100%受けられるようになります。地震保険関連の補償を付けると保険料がぐんと上がるため、財布との相談ではありますが、地震被害に遭ったときの損害を考えると絶対に軽視できない補償です。

ドアロック交換費用補償特約は、一般的にはカギ開けの手配まで(無料サービス「事故発生時の安心サービス」を参照)しか対応してくれないところを、交換費用までカバーしてくれる特約。セキュリティ会社のセコムらしい補償です。

費用保険金

種類 主な内容
残存物取片づけ費用 家財の燃えかすや燃えた建物の残骸の片付費用
損害防止費用 損害の発生および拡大の防止のためにかかる費用
基本契約の損害のみ対象
水道管凍結修理費用 凍結によって損壊を受けた水道管の修理費用
給排水設備自体に生じた損害は支払い対象外
特別費用 全損となり契約が終了した場合に給付
バルコニー等修理費用 バルコニー等の専用使用権付共用部分の修理にかかる費用
マンション戸室
損害賠償請求権の保全・行使に対する費用 損害賠償請求権の保全または行使のための手続きにかかる費用

費用保険金は全プラン共通でセットされています。バルコニー等修理費用や水道管凍結修理費用など、他社ではあまり見かけないものも用意されているのが特徴です。
なお、契約内容(家財のみを保険の対象としている場合など)によっては支払対象外になる費用保険金もあるため、詳細は公式サイトやパンフレットなどで確認してください。

その他

無料サービス

種類 主な内容
セキュリティ・グレードアップ費用 火災・爆裂・破裂により、危険軽減のため支出した下記の費用を最大50万円までカバー
・金庫の購入費用
・監視カメラシステムの購入費用
・消火器の購入費用
事故発生時の安心サービス ガラス・カギの修理手配

事故再発防止に向けてセキュリティ環境を強化する際の出費をカバーする「セキュリティ・グレードアップ費用」が、以前の20万円から最高50万円までに引き上げられました。30万円のアップは非常に大きく、評価したいポイント。あえて欲を言えば、購入できるセキュリティグッズの対象がもう少し幅広ければ良かったです。

保険料

払込方法等

割引 ・ホームセキュリティ割引(約17~37%)
・オール電化割引(約7%~17%)
・建築年割引(約1%~10%)
・長期年払割引(約6%~10%)
払込方法 ・月払、年払、一時払
・口座振替、クレジットカード、コンビニエンスストア、郵便局、銀行振込
(※月払、年払は口座振替・クレジットカード以外不可)
評価 再取得価格

ホームセキュリティ、特にセコムの監視システムに加入している人は、既にセコムグループのお客様ということで、最大37%もの割引を享受することができます。オール電化住宅も次いで高い割引が受けられ、最大17%。これらに加え、建築年割引・長期年払割引を組み合わせると、かなりの節約が期待できます。

では、保険料に関する基本設計や契約例を見ていきましょう。公式サイトで見積もってみました。

契約例1.専用住宅

《見積もり条件》
環境:東京都、建築年月10年以上、1年契約
プラン等:ベーシックプラン、建物2,000万円、家財1,000万円、免責10万円

項目 金額等
構造級別 T構造 H構造
建物 6,600円 11,940円
家財 3,980円 6,860円
個人賠償責任特約 590円 1,190円
払込方法 一時払
保険料 1万1,770円 1万9,990円

契約例2.マンション

《見積もり条件》
環境:東京都、建築年月10年以上、1年契約
プラン等:ベーシックプラン、建物1,500万円、家財1,000万円、免責10万円

項目 金額等
構造級別 M構造
建物 2,720円
家財 2,610円
個人賠償責任特約 1,190円
払込方法 一時払
保険料 6,520円

補償内容にしてはお手頃といえる保険料でしょう。割引額の一例として、専用住宅で、「ホームセキュリティ(セコム・火災・盗難監視)」、「オール電化住宅」の割引を適用させてそれぞれ見積もってみたところ、下記のように下がりました。

構造級別(割引前金額) T構造(1万1,170円) H構造(1万9,990円)
ホームセキュリティ 8,330円(約29%) 1万3,490円(約32%)
オール電化 1万370円(約12%) 1万7,160(約14%)

同商品がメリットとして押し出しているとおり、住まいの環境によっては大幅に保険料を削れることが分かります。

総合まとめ

充実の割引制度は他社にはない強みです。もう少しプランにカスタマイズ性があると嬉しいですが、保険料も手頃な方ですし、節約重視の人は検討してもいいでしょう。

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