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米ドル、または、豪ドルのどちらかを選び、その通貨で保険料を運用する外貨建の個人年金保険です。円より金利の高い通貨で運用することで、年金資産(積立金)を増やせる可能性があります。また、市場金利の動向に合わせて積立利率は毎月見直されるので(年1.5%を最低保証)、金利上昇の恩恵も受けられます。
保険料の払込は円(月1万円以上)で、家計や相場の状況に合わせて、契約途中で減額や中断、再開、払込延長ができます。受取時は、外貨建・円建の年金(確定年金、保証期間付終身年金)の他、外貨・円での一括受取もできます。
詳細 | |
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契約可能年齢 | 0歳~60歳(保険料払込期間、年金支払開始年齢、年金種類で異なる) |
払込回数 | 月払、半年払、年払、一括払い(2~12か月分)、前納(2~40年分) |
払込方法 | 口座振替、クレジットカード払 |
最低保険料 | 月1万円 |
保障内容 | 確定年金(5・10年)、保証期間付(10年)終身年金 |
おもな特約 | 個人年金税制適格年金特約 |
ここでは、年1.50%の最低保証と、シミュレーション時点の積立利率(年2.60%)の保険料例・返戻率例を出しました。円換算例は、円安・円高のほか、契約時とほぼ変わらなかった場合もシミュレーションしています。
年齢 | 30歳 | 40歳 | 50歳 | 60歳 | |
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払込総額(円) | 120万 | 240万 | 360万 | 480万 | |
解約返戻金(USD) | 10.046.96 | 22.393.45 | 36.222.94 | 51.612.60 | |
解約返戻率 | 92.3% | 102.9% | 110.9% | 118.6% | |
円換算例 | |||||
1USD = 120.30円 |
解約返戻金 | 120万 | 269万 | 435万 | 620万 |
返戻率 | 100.7% | 112.2% | 121.0% | 129.3% | |
1USD = 110.30円 |
解約返戻金 | 110万 | 246万 | 399万 | 569万 |
返戻率 | 92.3% | 102.9% | 110.9% | 118.6% | |
1USD = 100.30円 |
解約返戻金 | 100万円 | 224万 | 363万 | 517万 |
返戻率 | 83.9% | 93.5% | 100.9% | 107.8% |
年齢 | 30歳 | 40歳 | 50歳 | 60歳 | |
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払込総額(円) | 120万 | 240万 | 360万 | 480万 | |
解約返戻金(USD) | 10.046.96 | 22.393.45 | 36.222.94 | 51.612.60 | |
解約返戻率 | 92.3% | 102.9% | 110.9% | 118.6% | |
円換算例 | |||||
1USD = 120.30円 |
解約返戻金 | 127万 | 300万 | 517万 | 785万 |
返戻率 | 106.1% | 125.2% | 143.6% | 163.6% | |
1USD = 110.30円 |
解約返戻金 | 116万 | 275万 | 474万 | 720万 |
返戻率 | 97.3% | 114.8% | 131.6% | 150.0% | |
1USD = 100.30円 |
解約返戻金 | 106万円 | 250万 | 431万 | 654万 |
返戻率 | 88.95% | 104.4% | 119.7% | 136.4% |
日本は長引く低金利の影響で貯蓄性のある保険の魅力はほぼなくなりました。それに代わって登場しているのが、円より金利の高い国の通貨で運用する外貨建保険で、「こだわり個人年金(外貨建)」も、その1つです。
この保険で選択できる通貨は米ドルか豪ドルです。どちらも、長期的に見ると金利は低下傾向なものの、円より金利は高めです。高めの金利の通貨で保険料を運用することで、外貨ベースの年金資産(積立金)は、円で運用するより増えます。
保険料の払込は円(月1万円以上)で行うので、毎月支払う保険料は変わらず、為替によって運用に回る外貨が変わります。このように、分割で支払うと、ドルコスト平均法という投資商品のリスクを軽減する方法を取り入れることになります。
「こだわり個人年金(外貨建)」の積立利率は、市場金利の動向に合わせて、毎月見直されます。金利が上がったら上がり、下がったら下がります。ただし、金利が下がっても、年1.5%の最低保証があり、どんなに下がっても年1.5%よりは下がりません。このため、金利下落のリスクは最小限にとどめながら金利上昇の恩恵を受けられることになります。
この保険の保険料は、分割払(月払・半年払・年払)の他、2~12か月分の一括払、2~40年分の前納と払い方のバリエーションが豊富です。また、保険料は、家計と相場の状況に合わせて減額(増額は不可)・払込停止・再開・払込の延長ができ、柔軟性が高い設計です。ただし、減額は月1万円以下にはできない、払込停止は契約から10年経過後でないとできない、払込延長は1~5年で年齢80歳以下であることなどさまざまな条件があります。
受取時の年金の種類は、確定年金(5・10年)か保証期間付(10年)終身年金から選べます。受取方法は、外貨建年金で、外貨建年金を毎年円に換算して受け取る、年金原資を円換算して円で年金を受け取る、年金を一括して受け取る(外貨または円)の4つ方法から選べます。
保険料の払い方と受け取り方の柔軟性は高いですが、条件があって利用できないことがあります。また、複雑でどんな払い方や受け取り方をするのがいいか、一般の契約者には判断しにそうです。
運用通貨の金利が円より高く、積立利率も最低保証があるので外貨での資産は増えるしくみの年金保険です。ですが、円に換えるときの為替相場によっては、円で払い込んだ保険料を下回る可能性があります。外貨で受け取って、その国に住むなり、旅行するなりで使う手もありますが、為替リスクがあることは承知しておきましょう。
この保険は、保険契約の締結・維持にかかる保険関係費がかかります。その費用は年齢・性別などによって異なるため、一律には記載できないそうです。運用に回るのは、保険関係費を除いた金額になり、その分、運用される金額が少なくなります。
契約途中で払込を停止・再開できる柔軟性が評価されそうな商品です。10年以上の継続期間が必要ですが、もっと長期スパンで見たときのライフステージの変化や家計の変動に対応できるメリットの方が大きいと考えます。
日本の低金利はまだ続きそうなので、通貨分散という意味でも外貨商品を選択するのは自然な流れだと思います。満期後は、外貨で受け取るのも良し、その都度、円に転換するのも良し、円安のときに一度に円転するの良しです。受け取り方は満期時の1日前まで選択可能です。