第一生命の「ながいき物語」を徹底分析

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トンチン性を高めることで年金額を大きくした個人年金保険です。契約できる年齢は50歳~80歳で年金受取開始年齢は60歳~90歳で設定します。契約時に設定した年金受取開始年齢は変更できません。年金の受け取り方法は、確定年金(5年・10年・15年)と10年保証期間付終身年金から選べます。

一般的な個人年金保険は、保険料払込期間中に死亡すると、払い込んだ保険料は死亡給付金で戻ってきます。この商品は、死亡給付金と解約返戻金の水準を、払込保険料相当額の7割に抑えることで年金額を大きくしています。長生きできなかった人が払った保険料を、長生きした人の年金に充てるということです。

基本情報

詳細
契約可能年齢 50歳~80歳
払込回数 月払、年払
払込方法 口座振替
保障内容 確定年金(5年・10年・15年)、10年保証期間付終身年金
おもな特約 代理請求特約

保険料・返戻率例

■10年確定年金の契約例
契約者 年金開始年齢 月額保険料 払込総額 年金額 返戻率
男性55歳 70歳 5万4,000円 972万円 1,210万円 105.0%
女性55歳 1,135万円 104.2%
男性65歳 75歳 8万1,000円 1,093万円 103.8%
女性65歳 8万2,000円 984万円 1,112万円 102.7%
男性75歳 85歳 7万7,000円 924 1,038万円 108.6%
女性75歳 8万円 960万円 1,047万円 104.6%
■10年保証期間付終身年金の契約例
契約者 年金開始年齢 月額保険料 払込総額 年金額 年金総額が
払込保険料を
上回る年齢
100歳での返戻率
男性55歳 70歳 5万4,000円 972万円 519万円 89歳 160.0%
女性55歳 404万円 94歳 128.8%
男性65歳 75歳 8万1,000円 593万6,000円 91歳 158.7%
女性65歳 8万2,000円 984万円 479万3,000円 95歳 126.6%
男性75歳 85歳 7万7,000円 924 858万円 96歳 139.5%
女性75歳 8万円 960万円 690万2,000円 98歳 115.0%

ここに注目!

生存重視の年金保険で、年金額は確定している

保険料払込期間中の死亡保障と解約返戻金を抑えることで、受け取れる年金額を大きくしています。あくまで、生存を重視した年金保険です。告知や医師の診査が不要なので、持病がある人でも契約できます。

国が老後の年金額を増やすために整備し、税制などの優遇で利用を推奨している個人型確定拠出年金は、拠出金(保険料)の運用成果次第で年金額が変動します。つまり、年金を増やすも減らすも自己責任ということです。しかし、この商品は契約時に年金原資・年金額が確定します。運用が苦手とされている日本人向きと言えます。

年金の受け取り方法が選べる

年金の受け取り方法は確定年金(5年・10年・15年)または10年保証期間付終身年金から選べます。契約時に選びますが、年金受取開始日前であれば、所定の範囲内で受け取り方法を変更できます。とりあえず、10年か15年の確定年金、10年保証期間付終身年金で契約し、年金受取間近になったら、そのときの健康状態や家計の状況で変更すればいいでしょう。例えば、確定年金で契約したが、かなり長生きしそうで年金を受け取り終えた後の生活が不安なら終身年金に変更する、逆に、終身年金で契約したが元本を取り返すまで生きる自信がないなら確定年金に変更するなどです。

なお、契約時に5年確定年金を選ぶと、個人年金保険料税制適格特約はつけられず、年金保険料控除が受けられなくなるので要注意です。また、保険料払込期間は、最短5年にできますが、この場合も個人年金保険料税制適格特約はつけられません。

知っておきたい

保険料払込期間中の死亡・解約は常に元本割れする

この年金保険は生存保障を重視したしくみなので、保険料払込期間中に死亡・解約すると払込保険料の7割しか戻って来ません。つまり、常に元本割れするということです。払込期間中には解約しない覚悟、死なない確信が必要と言えます。

また、長生きに備えて10年保証期間付終身年金を選んだ場合、90歳以上(契約時の年齢・性別で異なる)とかなり長生きしなければ元本を取り戻せません。その代り、長生きすればするほどお得です。

全体を通して

給付額は先細る公的年金、人生100年が絵空事ではない現実、子どもに頼りたくても頼れない老後――そんな状況のなか、自分年金作りは必須と言えます。その選択肢の1つが個人年金保険です。

この商品は、保険料払込期間中の死亡・解約は常に元本割れします。長寿に備えるには終身年金が安心ですが、元を取れる年齢は平均寿命を超えているので、よほど長生きする確信のある人でないと利用できそうもありません。確定年金も選べるので、年金受取開始直前に、確定年金を選んだ方がいいかもしれません。10年確定年金の返戻率は、死亡保障と解約返戻金を抑えているだけあって、一般の個人年金保険より高めですから。

ただ、低金利の影響による予定利率の低下で、個人年金保険の魅力は薄れており、他の金融商品より優位なわけでは決してありません。

長生きしないとソンするトンチン性の高さ、そして、他の金融商品と比べて優位かどうかをどう考えるかで評価の分かれる商品と言えます。

公式サイトはこちら

2019年老後のための最も貯金しやすい保険はどれ?

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