個人年金保険に入っている人は、いくらくらいの保険料を掛けているのでしょうか?
老後資金の必要額を見積もったうえで、その不足分を個人年金などで用意するのが本来です。
ですが年金額を増やそうと思えば、それだけ保険料がかさみます。できるだけ途中で解約はしたくないものですから、無理なく支払える額にしておく必要がありますね。
個人年金保険に支払うお金は月払1万6,750円が平均
下記が生命保険文化センターによる調査の結果です。世帯ごとに、個人年金保険に年間でいくらの保険料を支払っているかを調べたものです。
年間平均では20.1万円、最も多いのは12万円以上~18万円未満という世帯です。つまり月額では約1万7,000円(1万6,750円)という計算になりますね。
この世帯はどれくらいの年金を受け取ることになるのでしょうか。
最近の個人年金保険の返戻率は、マイナス金利の影響で110%に満たないところが多いですが、ここでは計算しやすいよう返戻率が110%としましょう。10年間の確定年金が受け取れる個人年金保険があるとします。この個人年金保険に30年間、月額1万7,000円掛けたとしたら、もらえる年金総額は673万2,000円、年間で67万3,200円になります。月額にしますと5万6,100円が受け取れます。
個人年金保険だけで1,000万円をつくるには?
老後資金がいくら必要かは人によって差がありますが、ここで、1,000万円をひとつの目安と考えてみましょう。公的年金と必要老後資金額とのギャップを埋める資金です。
返戻率110%の個人年金保険を30年間掛ける場合、月払約2万5,000円以上を掛けることができれば、受取総額が1,000万円を超えます(厳密には2万5,253円必要です)。
月に2.5万円は厳しい人も多いでしょう。なにより、これは30年間掛けることができた場合。60歳まで払い込むとしたら、30歳のときには始めていなくてはなりません。
払込年数を20年にすると、月払3万円掛けていても受取総額は792万円(月額で6万6,000円) になります。20年間の支払いで1,000万円にするためには月額3万7,879円もの掛け金が必要なのです。
これを見ると、個人年金保険では、掛け金額もさることながら、掛ける年数も大事であることがわかります。やはり資産運用の強い味方は時間。時間をかけることで、運用の効果があらわれるということです。
月額保険料 | 払込年数 | 払込総額 | 受取総額 | 年金月額 |
---|---|---|---|---|
1万円 | 30年 | 360万円 | 396万円 | 3万3,000円 |
1万5,000円 | 30年 | 540万円 | 594万円 | 4万9,500円 |
2 万円 | 30年 | 720万円 | 792万円 | 6万6,000円 |
2 万5,000円 | 30年 | 900万円 | 990万円 | 8万2,500円 |
3 万円 | 30年 | 1,080万円 | 1,188万円 | 9万9,000円 |
1 万円 | 20年 | 240万円 | 264万円 | 2万2,000円 |
1 万5,000円 | 20年 | 360万円 | 396万円 | 3万3,000円 |
2 万円 | 20年 | 480万円 | 528万円 | 4万4,000円 |
2 万5,000円 | 20年 | 600万円 | 660万円 | 5万5,000円 |
3 万円 | 20年 | 720万円 | 792万円 | 6万6,000円 |
老後資金の一部を個人年金保険でつくるのは悪くない選択肢だと思いますが、無理して多額の掛け金を掛けても、結果、払い切れないとなると意味がありませんので、必要資金と月々の収支を考えて、払込額を決めてください。