個人年金保険はいつから加入する? 独身にはいらない?

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個人年金保険には一般的に何歳くらいで加入しているのでしょう? 独身時代から入っている人もいるのでしょうか。また、本当のところは、いつ入るのが理想的なのかについても考えてみます。

個人年金保険への加入者を年代別に見てみよう

多くの人は、いつ頃から個人年金保険に加入しているのか? まずは、生命保険文化センター『生活保障に関する調査(平成28年度)』を調べてみました。

公的年金とは別に自分で老後資金準備をしている割合と、個人年金保険への加入割合を、性別・年代別に整理したのが下表です。これを見ると、何かしらの方法で私的に老後資金準備を始めている人の割合は、20歳代は4割程度ですが、30歳代以降は急に増え、その後も年代が上がるにつれじわじわと増えています。

個人年金保険加入者の割合については、40歳代・50歳代で2割前後となります。男性は40歳代、女性は50歳代が最も加入率が高く、4人に1人弱となっています。

分類 私的に老後資金をしている 個人年金保険に加入している
性別 男性 女性 男性 女性
年代別 20歳代 40.2 41.3 9.8 8.5
30歳代 64.1 55.2 14.8 13.8
40歳代 68.3 67.4 23.6 18.8
50歳代 68.5 74.4 19.3 23.9
60歳代 69.1 76.4 12.6 17.0

出典:生命保険文化センター『生活保障に関する調査(平成28年度)』

一方、『価格.comリサーチ』が行ったアンケート(生命保険についてのアンケート2017年2月掲載)では、20代の個人年金保険の加入率が他の年代より高いという結果が出ていました。年金問題など老後の不安は現在進行系で進んでいることから、若者の間で関心が高まっていると読み取っていいでしょう。

個人年金保険のライフステージ別加入率

同じく『生活保障に関する調査(平成28年度)』で、ライフステージ別のデータも見てみましょう。私的に老後資金準備を始めている人の割合は、独身者では5割に満たないですが、既婚者では6~7割程度と高くなっています。特に子供のいない既婚者は高めです。

個人年金保険の加入割合は、やはり未婚よりも既婚の方が高めな傾向が見られます。独身だと、男性で9人に1人、女性で7人に1人程度です。加入割合では、子供のいない既婚者が最も高くなっています。共働きであれば特に家計にゆとりがあるでしょうから、個人年金保険への加入も増えるのでしょう。女性は、末子が大学生になるなど子供の教育に目処がつく年代になると個人年金保険の加入がぐんと高まる傾向が見えます。それまでは教育費で家計が苦しく、手が回らないためでしょうか。

データで見るかぎり、割合はやや低めですが、独身でも個人年金保険に入る人はいます。「独身には個人年金保険はいらない」ということはありません。ずっと”おひとり様”でいく可能性がある人であれば、老後資金準備はより念入りに進める必要があり、個人年金保険もその1つと言えます。

分類 私的に老後資金をしている 個人年金保険に加入している
性別 男性 女性 男性 女性
ライフステージ別 未婚 47.5 48.5 11.5 14.6
既婚・子どもなし 72.2 77.2 24.3 18.6
既婚・末子未就学児 70.8 57.4 19.3 14.4
既婚・末子小学生 67.5 61.5 20.6 14.3
既婚・末子中学生、高校生 68.8 68.0 21.5 17.5
既婚・末子短大・大学・大学院生 72.5 70.0 21.7 24.6

出典:生命保険文化センター『生活保障に関する調査(平成28年度)』

本当のところ、個人年金保険はいつ加入すべき?

ここまではデータを見てきましたが、では、個人年金保険への加入のタイミングはいつがよいのでしょう? この質問を「老後資金」と置き換えるなら、老後不安を感じたときから始めるべき、と言えます。

しかし、とにかく始めればいいかというと、そうとも言えません。個人年金保険の種類は、円建て個人年金保険、外貨建て個人年金保険、変額個人年金保険の3つに分けられます。それぞれの加入のタイミングを考えてみましょう。

<円建て個人年金保険>

円建て個人年金保険の大きな敵はインフレリスクです。しかも今は予定利率(契約時に確定する運用利率)が史上最低の状態です。これを考え合わせると、現状の円建て個人年金保険の理想的な加入方法は、退職金などで一時金で加入し年金で受け取る方法がよいと考えられます。インフレリスクを最小限に抑えることができます。

予定利率が高ければ話は別ですが、今のように低い時期には、そもそも長期固定金利商品である円建て個人年金保険は入りどきではないといえます。利率が低い分、長期で契約をして、インフレが進んだときには実質的な価値が目減りする事態にもなりかねません。

<外貨建て個人年金保険>

外貨建て個人年金保険の予定利率は高めで、円安が進めば為替差益を得ることもできます。円高になったときに為替差損が発生するリスクはあるものの、為替の動きなどを見ながら、円安が進んだタイミングで解約をする方法もあります。そのため、外貨建て個人年金保険は長期で加入するのも問題はないと考えられるため、早めに加入するのも可と考えられます。

<変額個人年金保険>

変額型個人年金保険は、「特別勘定」(株や債券などで運用す投資信託のようなもの)で運用される投資型の年金です。複数のタイプの異なる特別勘定があり、保険料の配分や、積立金のスイッチングなど、運用の指示は自分で行います。運用次第で将来受け取る年金額も増減します。インフレに備えることができるタイプでもあるため、早めに入るなら変額個人年金保険は候補になります。

ただし!個人年金保険の前に「iDeCo」を検討すべし

個人型確定拠出年金(「iDeCo」)が利用できて節税効果も得られる場合は、民間の個人年金保険よりも先に検討することをお勧めします。年金保険料控除よりもずっと大きな所得控除があることと、投資型のためインフレにも負けない可能性があるためです。

老後不安を感じたら、まずは「iDeCo」を始めるのは有用な選択肢の一つです。さらに余力があれば、2018年度からスタートする積立NISAや、個人年金保険を検討する、という順番で考えるのはいかがでしょうか。

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