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死亡整理金はいくら必要?変わりつつある現代のお葬式事情

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生命保険は自分が亡くなったときに備えてお金を準備しておくためのもの。遺された家族のためにと入る人が多いと思います。

では、「結婚していないし、する予定もない」とか「子どもがいない、またはすでに独立している」という場合は生命保険は不要でしょうか? 養う家族がいなくても、自分が亡くなったら必要になるお金はあります。葬式の費用に代表される「死亡整理金」と呼ばれるものです。

最低限、死亡整理金だけは、保険か貯蓄で用意しておくべきだということです。
ではいくらあればいいのでしょうか? 調べてみました。


「死亡整理金」……葬儀費用の相場は?

死亡整理金は、

  • 葬儀費用
  • お墓の費用
  • その他

などからなります。その他の費用とは、たとえば一人暮らしの賃貸の住まいに住んでいたら、この住まいは引き払うことになるでしょうからそのための片づけ(遺品整理)費用などです。車を持っていて誰も相続しないなら廃車費用がいるかもしれませんね。

そのあたりは個人の事情によって違うので、おもには葬儀とお墓の費用ということになります。すでに一族のお墓があってそこに入る予定なら、とりあえず葬儀費用があればいいことになります。

日本消費者協会の調査によりますと、2010年の調査で、葬儀費用の平均額は199万8,861円でした。

金融広報中央委員会による調査では「葬儀全体の支出額(宗教者への御礼を除く)」として平均189万3,000円という額があがっています。同じ調査で「宗教家(寺・教会・神社)への御礼」として平均44万1,000円とありますから、合わせて233万4,000円となりますね。

葬儀の費用は、

  • 葬儀自体の費用(葬儀会社に支払う料金)
  • 寺院など宗教家へ支払うお金(読経や戒名の費用など)
  • 飲食接待の費用や香典返しなど返戻品の費用

などからなりますが、それらを合わせた全体で200万円前後が相場と考えてよさそうです。

もちろん、あくまでも平均ですから、実際には幅があります。葬儀会社による幅やプランによる違いもあるでしょうし、相場の地域差などもあるはずです。

一方、葬儀には「収入」もありますね。お香典などです。金融広報中央委員会の同じ調査では、もらった香典の平均は119万7,000円でした。このぶんを勘案すると、葬儀は100万円~200万円の間くらいで収まるという見込みが相当でしょうか。

日本消費者協会の調査の年次での推移を見てみますと、葬儀費用は年々下がっていく傾向が見られます。葬儀をできるだけ略式で簡単に済ませたいという人が増えていることが原因のようです。ニーズに応えて安い葬儀会社も増えています。

お墓の費用については、明確な統計などがとられていないようですが、石材会社や霊園のサイトなどを調べてみてもかなり幅があり、150万円~300万円程度とされているようです。

新たにお墓も必要になる場合であれば、葬儀費用と合わせて500万円程度があれば安心、といったところでしょうか。

死亡整理金はどうやって準備すべきか

こうした死亡整理金は、べつだん保険でまかなわなくても、貯蓄しておいても構いません。

ただし、銀行預金は、本人が亡くなったことを金融機関が把握すると、相続のトラブルを避けるために、すぐには引き出せなくなってしまいます。そうなると、口座のお金をそのまま使用することができず、建替えをお願いすることになってしまいます。保険金であればそんな心配はいらないので、便利だと言えます。

自分が亡くなる時期は予測できないので、保険であれば終身保険を利用することになります。

終身保険は保険料が高くなりがちですので、死亡整理金として使うお金と割り切って、最低限の金額に絞るのが合理的です。死亡整理金目的の少額の終身保険に、遺族のための保障などを必要な時期だけ収入保障保険や定期保険で補うという、複数の保険を組み合わせるという方法もいいと思います。

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