チューリッヒ生命の「収入保障保険プレミアムDX」を徹底分析

掲載: 

従来の「収入保障保険プレミアム」に「DX」が加わり大幅リニューアル。それまでは別々だった死亡保障と就業不能保障がセットになり、家計の「万が一」にぬかりなく備えられるようになりました。

《これだけは押さえる》保障内容の特徴

死亡保障+就業不能保障のダブル体制

死亡・高度障害状態と、働けなくなったときの就業不能状態をどちらも保障するダブル体制が売りです。しかも、就業不能年金の継続確認は不要で、保険期間終了まで保障。なおかつ以降の保険料の払込は免除になるという設計。

一般的に、就業不能状態になって年金を受け取れるようになっても、その後の様態次第では給付がストップしたり、給付期間が決まっていたりと制限があるものですが、収入保障保険プレミアムDXではそのような縛りはありません。

非喫煙優良体型は血圧基準が厳しいが保険料は安い

リスク細分料率を取り入れた収入保障保険が増えていますが、この保険もその1つです。血圧が基準値の範囲内、過去1年以内にタバコを吸っていない人は非喫煙優良体型に該当し、保険料が安くなります。基準値は下記のとおり。

契約年齡 最高 最低
20歳~49歳 129mmHg未満 84mmHg未満
50歳~70歳 139mmHg未満 89mmHg未満

リスク細分料率が適用されるかどうかの条件に、喫煙の有無と血圧値は欠かせない要素です。喫煙については、ほとんどの保険会社が「過去1以内」の喫煙歴を問い、チューリッヒ生命も同じですが、血圧値については、「最高140mmHg未満/90mmHg未満」を基準にしている保険会社が多いなか、チューリッヒ生命はそれより低い値にしています。厳しめゆえに保険料が安いと言えそうです。

5疾病・ストレス性疾病による就業不能にも備えられる

ストレス性疾病保障付就業不能保障特約という特約が必ず付きます。これは、5疾病とストレス性疾病による就業不能にも備えられるというもの。

支払条件は、5疾病(がん・急性心筋梗塞・脳卒中・肝硬変・慢性腎不全)の治療目的で入院(医師の指示で自宅などでの療養も含む)し、すべての業務にたずさわることができない状態が60日以上継続した場合、または、不慮の事故で所定の身体障害に該当した場合です。いずれかを満たすと就業不能年金が受け取れます。

また、所定のストレス性疾病で連続60日超の入院をすると「ストレス性疾病年金」が受け取れます。所定のストレス性疾病とは、統合失調症・統合失調症型障害および妄想性障害、気分(感情)障害、神経症性障害・ストレス関連障害および身体表現性障害、摂食障害、非器質性睡眠障害、胃潰瘍、十二指腸潰瘍、潰瘍性大腸炎、過敏性腸症候群、更年期障害の10疾病です。ストレスが原因のメンタル系の病気は保障対象外としている保険会社が多いなか、この特約は、メンタル系の病気も保障する数少ない商品の1つです。

基本情報と主な保障内容

あくまで概要ですので、詳細はパンフレットや公式サイトなどでお確かめください。

詳細
契約可能年齢 20~70歳
保険期間 55歳満了・60歳満了・65歳満了・70歳満了
75歳満了・80歳満了・85歳満了・90歳満了
払込期間 55歳払済・60歳払済・65歳払済・70歳払済、全期払
主契約 無解約払戻金型収入保障保険(非喫煙優良体型)
無解約払戻金型収入保障保険(標準体型)
主な特約 ストレス性疾病保証付就業不能保障特約(付加必須)
就業不能状態保険料払込免除特約(付加必須)
指定代理請求特約
年金月額 5万円から1万円単位で設定可
最低保証期間 1年・2年・5年・10年(全期払のみ)
年金受取方法 年金受取、一括受取、一括受取+年金受取
払込方法 月払・年払

加入するなら

保険料例

次の試算条件でシミュレーションしてみました。

  • 標準体/非喫煙優良体
  • 年金月額:10万円
  • 保険期間:65歳満了
  • 保険料払込期間:60歳
  • 最低保証期間2年
  • 月払の場合
健康状態 標準体 非喫煙優良体
30歳 男性:1万1,010円
女性:1万1,570円
男性:8,470円
女性:9,910円
40歳 男性:1万5,190円
女性:1万4,310円
男性:1万1,490円
女性:1万2,020円

知っておきたい3つのポイント

ストレス性疾病で長期入院した場合の保障期間が2年から期間満了まで延長

所定のストレス性疾病で60日を超える長期入院をしたときに支払われる就業不能年金は、従来の2年から保険期間満了まで延長されています。

就業不能状態保険料払込免除特約が新設

所定の5疾病とストレス疾病で条件を満たした場合、以降の保険料の払い込みが免除になる特約が新設されました。条件は厳しいものの、もしものときには頼もしい保障です。

なお、付加必須で外せない設計になっています。

最高年金受取総額が3億円までアップ

死亡保障の受取総額が、従来の1億円から3億円と2億円もアップ。就業不能保障も1億円から2億円にアップし、保障の充実度をアピールしています。

この保険でよく頂く質問

当サイトによくお問い合わせいただく内容をまとめました。なお、パンフレットなどの資料にも記載のある内容ですので、もっと詳しく知りたい場合はそちらをご覧ください。

解約返戻金はある?

ありません。一般的に、解約返戻金がない代わりに、保険料は割安になっている設計です。収入保障保険は定期保険の一種、つまり掛け捨てが基本ですから、解約返戻金がなくても特に気にする必要は薄いでしょう。

全体を通して

標準体、非喫煙優良体も、保険料は安値圏の収入保障保険です。ただし、非喫煙優良体が適用されるには血圧値が厳しめで、該当する人は多くないかもしれません。

この保険の最大の特徴は、保障対象外としている保険会社が多いストレス性疾病の保障を持っているということです。契約すると自動的に付加されるストレス性疾病付就業不能保障特約は、5疾病+不慮の事故による身体障害も保障対象で、死亡のみならず就業不能も保障する保険として評価できます。

もっとも、それなりに保険料に反映されるため、主契約の年金月額を変更するなど予算内にまとめる調整は必要でしょう。年金月額は5万円の少額から1万円単位で設定でき、保険プランのバリエーションも前提敵に豊富な印象です。

2019年保険のプロが本気で評価した保険はどれ?

収入保障保険人気ランキング
FPが選ぶ収入保障保険人気ランキング2019
25人のFPにおすすめの収入保障保険を挙げてもらい、ランキングにまとめました。保険料のほか、条件による割引、病気になったときの払込み免除など、見るべきポイントは幅広くあります。プロの視点を参考に、収入保障保険選びに役立てていただけると幸いです。[...]

関連記事

  • 東京海上日動あんしん生命の「長割り終身」を徹底分析東京海上日動あんしん生命の「長割り終身」を徹底分析 (注)この商品は現在、販売休止中です。以下は休止前の情報になります。東京海上日動あんしん生命の長割り終身は、高返戻率の終身保険として人気の高い商品です。ひと頃、雑誌の特集などでも有利な終身保険として取り上げられることが多かったのですが、2014年の改訂で返戻率はすこし下がってし […]
  • 三井住友海上あいおい生命の「&LIFE逓減定期保険」を徹底分析三井住友海上あいおい生命の「&LIFE逓減定期保険」を徹底分析 三井住友海上あいおい生命の「&LIFE逓減定期保険」は、さまざまなライフプランに合わせて柔軟に死亡保障額を設計できる保険です。逓減、つまり死亡保障が次第に減っていく仕組みのため、収入保障保険のような使い方も可能です。 具体的にはどんな特徴があるのか、より具体的に調べてみま […]
  • プロFP10人に「生命保険の賢い選び方」について聞きましたプロFP10人に「生命保険の賢い選び方」について聞きました 生命保険(死亡保険)は、終身がいいか定期がいいかという問題に始まり、特約や配当の有無など、考えなければいけないポイントが数多くあります。また、単なる死亡保障にとどまらず、老後資金や学資金など、貯蓄代わりや相続対策として利用する場合もあり、選び方は簡単ではありません。 ここ […]
  • ソニー生命の「リビング・ベネフィット(生前給付終身保険・生活保障型)」を徹底分析ソニー生命の「リビング・ベネフィット(生前給付終身保険・生活保障型)」を徹底分析 ソニー生命の「リビング・ベネフィット(生前給付終身保険・生活保障型)」は、死亡保障に加え、就業不能になり得るリスクにも備えることができる保険です。終身保険なので貯蓄性もあり、高く評価する専門家もいます。 具体的な特徴を見ていきましょう。 […]
  • ネット生保って本当に安いの? メリット・デメリットネット生保って本当に安いの? メリット・デメリット 最近、いわゆるネット生保の広告をよく見かけます。「ネット生保」とは、要はインターネットでの通販のみで保険を販売している保険会社ということです。 ネット生保の特徴はなんといっても保険料の安さ。 入る側としては安いに越したことはないと思うのですが、なにかデメリッ […]
コンテンツ一覧
収入保障保険の魅力・選び方
収入保障保険のデメリット
収入保障保険個別レビュー
「マンガでわかる 9割の人が気がつかない保険のヒミツ」
総合トップに戻る
  • 保険ソクラテス
スポンサーリンク