かんぽ生命の「新ながいきくん(定額型)」を徹底分析

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「新ながいきくん」といえば、かんぽ生命の代表的な商品です。日本中の郵便局で取り扱っていますし、テレビCMでも見かけるので、名前ぐらいは聞いたことがあるという人は少なくないでしょう。


《これだけは押さえる》保障内容の特徴

スタンダードな終身保険

新ながいきくん(定額型)は、ごくシンプルな終身保険です。死亡保障が一生涯続く保険、つまり、「何歳まで生きても死亡したときに保険金が出る」「満期がない」「貯蓄性がある」という特徴があります。

保険金は1,000万円が上限。条件によって「倍額保障」も

かんぽ生命は、「郵政民営化関係法令」という決まりで加入限度額が定められており、その上限は1,000万円(15歳までは700万円)までです。子育て世代のように大きな保障が必要な家庭には、少し物足りなく感じる額ですよね。

災害死亡に関しては「倍額保障」があります。これは基本契約にもともと備わっている機能で、加入後1年6か月を経過した後、不慮の事故でのケガで死亡した場合などは、基本契約の2倍の保険金が支払われます。

低解約返戻金プランもある

通常の終身保障のほかに、低解約返戻金プランがあります。低解約返戻金プランとは、保険料払込期間(一般に現役世代の間)は、解約返戻金を通常タイプより少なく設定してある商品のことで、月々の保険料を抑えることができます。

基本契約だけでなく、特約にも解約返戻金のあるタイプ、ないタイプの2種類が存在し、これらを組み合わせることができます。

85歳まで加入できる

高齢の方が加入できる保険となると選択肢はかなり少なくなります。近所のなじみの郵便局で加入手続きができるというのは、特に高齢者ほどありがたいと感じるでしょう。もちろん保険料は高くなりますが……。

基本情報と主な保障内容

あくまで概要ですので、詳細はパンフレットや公式サイトなどでお確かめください。

契約情報

契約情報 主な条件
契約可能年齢 15~85歳(15歳は満年齢)
保険期間 終身
保険料払込期間 55~95歳まで5歳刻み(加入年齢との組み合わせで払込期間は最短10年~最長40年)
払込回数 月払
払込方法 口座振替、窓口払込、団体払込
3か月分以上をまとめて前納すると割引があります

主契約

給付金 主な支払条件・保障内容
死亡保険金・重度障がいによる保険金 100~1,000万円まで10万単位(15歳は700万円まで、71歳以上は500万円まで)
倍額保障 契約から1年6か月経過後、下記に該当すると死亡保険金と同額が支払われる
・不慮の事故でのけがで180日以内に死亡したとき
・所定の感染症で死亡した場合

特約

給付金 主な支払条件・保障内容
無配当災害特約 ・災害死亡保険金:主契約と同額
・傷害保険金:身体障害の状態に応じ特約保険金額の10%~100%
無配当傷害医療特約 不慮の事故によるケガを原因とし、3年以内に次の状態に該当したとき
・入院初期保険金:1回の入院につき日額の5倍
・入院保険金:1日以上の入院で、入院保険金日額×入院日数
・手術:入院中は入院保険金日額の20倍、外来の手術は入院保険金日額の5倍
・放射線治療保険金:入院保険金日額の10倍
※入院初期保険金がないⅡ型もあり
無配当総合医療特約 病気や不慮の事故によるケガで次の状態に該当したとき
・入院初期保険金:1回の入院につき日額の5倍
・入院保険金:1日以上の入院で、入院保険金日額×入院日数
・手術:入院中は入院保険金日額の20倍、外来の手術は入院保険金日額の5倍
・放射線治療保険金:入院保険金日額の10倍
入院初期保険金がないⅡ型もあり
  • 基本契約1契約につき無配当災害特約のほかに、無配当傷害医療特約または無配当総合医療特約のいずれか一方、最大2種類まで特約を付加ができます。
  • 入院保険金は基本保障(主契約)の0.15%(主契約1,000万円なら1万5,000円)医療特約も災害特約もそれぞれ主契約保険金額が上限となります。
  • 下記の特約にはそれぞれ、解約返戻金のあるタイプ(解約返戻金低減型)と解約返戻金がないタイプ(無解約返戻金型)から選べます。後者のほうが保険料は安くなります。

加入するなら

保険料例

次の条件で保険料を見積もってみました。

  • 死亡保険金額1,000万円
  • 特約なし
  • わかりやすくするために、保険料払込期間を30年間で統一

以上の条件で、30歳~60歳まで、10歳刻みでの男女の保険料(月払)を計算してみます。

契約年齢 男性 女性
30歳 2万8,400円         2万7,700
40歳 2万9,900円 2万8,900
50歳 3万2,600 3万500
60歳 3万9,700 3万4,200円

気になる85歳の保険料も調べてみました。85歳は500万円が限度額、払込期間は95歳までとなります。

その場合の保険料は男性で8万5,200円、女性で6万6,650円です。やはり相当の額ですね……。

なお、試算では特約は付けてていませんが、付けることも可能です。

知っておきたい2つのポイント

リビング・ニーズ特約がない

かんぽ生命では、リビング・ニーズ特約がありません。最近では珍しいと言えるでしょう。

公式ホームページよりも柔軟な契約パターン

公式ホームページでのシミュレーターでは、医療特約などを自由に選択することができなかったり、保険金額も100万単位になっていたりしますが、実際、契約するときは、もっと柔軟で好みに合わせてカスタマイズできます。

また、被保険者の年齢は満年齢ではなく、保険年齢を採用しているので、誕生日の半年前には1歳年齢が上がる点にも注意が必要です(15歳の場合のみ満年齢)。

この保険でよく頂く質問

当サイトによくお問い合わせいただく内容をまとめました。なお、パンフレットなどの資料にも記載のある内容ですので、もっと詳しく知りたい場合はそちらをご覧ください。

Q1.医療保険は販売していない?

ありません。
かんぽ生命では医療保険のみの販売はありません。基本契約に特約を付加することで備えることができます。死亡保障と医療保障を分けて、かんぽ生命で2つの保険契約を持つということはできません。

全体を通して

保険料が高いの一言です……。

パンフレットでは40歳の男女の保険料例を紹介しています(死亡保障1,000万円、20年間で払込満了)。基本契約が一般のものと低解約返戻金タイプ、特約は解約返戻金のあるものとないものを組み合わせ4タイプになっていますが、毎月8万6,000円~5万1,500円です。この金額を見たら、検討しようとは思えないのでは?と感じました。また、貯蓄性があるといっても上記の保険料例で計算してみると、死亡保障の1,000万円よりも払込保険料総額が少ないのは30歳女性だけです。

ところで、保障額を減らせば保険料の高さを感じにくくなるという「マジック」もあります。「毎月3,000円程度で万一の時は100万円出る」と聞くと、入っておこうかなと思うかもしれません。

結論としては、終身保険を希望する人に「新ながいきくん」(定額型)はあまりオススメできないと感じました。

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