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がん、急性心筋梗塞、脳卒中になった場合、一括で保険金を受け取れる保険には、医療保険タイプと死亡保険タイプがあります。死亡保険タイプは、「特定(三大)疾病保障保険」といい、死亡保険金と同額の保険金額をがん、急性心筋梗塞、脳卒中で所定の状態になった場合に受け取ることができます。
言い換えると、特定疾病保障と死亡保障の両方が一体化している保険です。今回はオリックス生命の「特定疾病保障保険With[ウィズ]」にスポットを当てます。
がん、急性心筋梗塞、脳卒中にいずれかにかかって、所定の状態になった場合、死亡保険金と同額の特定疾病保険金が支払われます。また、死亡時には病気、不慮の事故のいずれにかかわらず死亡保険金、高度障害状態になった場合には高度障害保険金が支払われます。
どちらの場合も保険金が支払われた時点で保険契約は終了し、特定疾病保険金、死亡保険金、高度障害保険金が重複して支払われることはありません。
保障期間が終身の場合は解約返戻金がありますが、定期型の場合には解約返戻金がありません。
保険料払込期間中の解約返戻金が低く抑えられている代わりに、一般的な終身型より保険料が安いのが特徴です。払込期間が終了すると、従来の解約返戻金に戻ります。もちろん、契約者貸付や自動振替貸付も利用することができます。
解約返戻金がなく、契約者貸付などを利用することはできません。「解約返戻金がない=保険料は保障部分に使われる」ということですから、保険料は安いです。
5年や10年など、年満了で契約している場合は契約が自動更新され、新たな保険年齢で保険料が計算されます(つまり保険料が上がります)。歳満了の場合は、自動更新はありません。
「保障は一生涯」「解約返戻金が欲しい」と考える場合には終身型を、保険料の安さを重視したい場合には定期型を選ぶ人が多いです。
あくまで概要ですので、詳細はパンフレットや公式サイトなどでお確かめください。
契約情報 | 主な条件 | |
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契約可能年齢 | 15~75歳(払込期間、保障期間により異なる) | |
保険期間 | ・終身(低解約返戻型) ・定期(無解約返戻型) |
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保険料払込期間 | 終身 | ・終身 ・10年、15年、20年、50歳、55歳、60歳、 65歳、70歳、75歳、80歳、85歳、90歳払済 |
定期 | ・年満了 5年、10~39年(1年刻み) ・歳満了 60~90歳(5歳刻み) |
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払込回数 | 月払、半年払、年払 |
給付金 | 主な支払条件・保障内容 |
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特定疾病保険金 | がん、急性心筋梗塞、脳卒中で所体の状態を満たした場合 |
死亡保険金・高度障害保険金 | ・病気・不慮の事故により死亡、または所定の高度障害状態になった場合 ・保険金額:200万円~2,000万円(10万円刻み) |
給付金 | 主な支払条件・保障内容 |
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年金支払特約 | 保険金の支払いを一括にかえて、年金払いに変更 ・年金支払期間:5年、10年、15年 ・年金型:定額型、逓増型(5%複利) ※特約保険料なし |
次の条件で保険料を見積もってみました。
以上の条件で、20歳、30歳、40歳、50歳の男女の保険料(月払)を計算してみます。
契約年齢 | 男性 | 女性 |
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20歳 | 8,980円 | 8,755円 |
30歳 | 1万2,660円 | 1万2,380円 |
40歳 | 2万,120円 | 1万9,485円 |
50歳 | 4万2,275円 | 3万9,850円 |
契約年齢 | 男性 | 女性 |
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20歳 | 2,425円 | 2,350円 |
30歳 | 3,485円 | 3,420円 |
40歳 | 5,385円 | 4,910円 |
50歳 | 8,520円 | 6,130円 |
従来の特定疾病保険では、急性心筋梗塞、脳卒中にかかった場合、60日以上所定の状態が「継続している」ことが条件でしたが、ウィズでは、心筋梗塞、脳卒中の治療のために所定の「手術をした場合」でも保険金が支払われます。
不慮の事故による傷害を原因として、180日以内に所定の身体障害状態になった場合、以後の保険料が免除されます。この保険料払込免除は、主契約に付随しているので、付帯の有無を選択する必要はありません。
ウィズの定期型から終身型へ、または定期型からオリックス生命保険の他の終身保険に切り替える場合、保険に加入するときに必要な告知・審査が不要です。つまり、健康状態を気にせずに切り替えることができます。
なお、定期型の契約期間が2年以上継続していることなど、切り替えには一定の条件があります。
当サイトによくお問い合わせいただく内容をまとめました。なお、パンフレットなどの資料にも記載のある内容ですので、もっと詳しく知りたい場合はそちらをご覧ください。
対象にはなりません。上皮内がんや皮膚の悪性黒色腫以外の皮膚がんは保険金支払いの対象外です。また、再発等2回目以降にがんと診断された場合も、保険金支払いの対象外です。
できません。ウィズの申し込みは対面のみです。
切り替えそのものは可能ですが、定期型から終身型への切り替えのような、告知・審査が免除ではありません。また、保険料払込期間中の切り替えの場合、終身型の解約返戻金は通常よりも少なくなります。
定期型で年満了の場合、更新後の満了日が90歳を超える場合は、90歳で満了します。なお、更新を希望しない場合は、満了日2週間前までに書面による手続きが必要です。
終身型、定期型ともに契約者配当金はありません。
特定疾病にかかった場合の「所定の状態」のハードルに「所定の手術」があり、少し低い印象を受けます。ただ、死亡保障と特定疾病保障を同等に持つことになるため、安心感はあるものの、保険料はそれなりにかかります。そのあたりを許容できるなら使い勝手のある保険でしょう。