かんぽ生命の「新普通定期保険」を徹底分析

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満期保険金がある貯蓄タイプの保険のイメージの強いかんぽ生命ですが、定期保険もあります。

ここでは、「新普通定期保険」という商品を調べてわかったことをレビューします。


《これだけは押さえる》保障内容の特徴

保険金は1,000万円が上限

かんぽ生命は、郵政民営化関係法令で加入限度額が定められており、その上限は1,000万円(15歳までは700万円)です。

保険金の削減期間がある

新普通定期保険では、契約当初、病気死亡の場合に保障の削減期間があります(保険料はずっと同じ)。加入から1年間、主契約は50%に、1年間経過後から1年6か月までの期間は80%に減額されます。

また、この期間を過ぎた後でも、失効後に復活したなら、復活日から6か月は基準保険金額の90%となります。

医師による診断がいらない

かんぽ生命なので、保険加入にあたり医師による診査が不要です。もちろん、担当者との面談は必要で、被保険者本人による告知も要りますが、問われるのは最近3か月以内と過去3年以内の健康状態です。職業告知がないのも特徴です。

基本情報と主な保障内容

あくまで概要ですので、詳細はパンフレットや公式サイトなどでお確かめください。

契約情報

契約可能年齢 15歳~50歳
保険期間 10年
払込期間 保険期間と同じ
年金月額 月払
払込方法 口座振替、窓口払込、団体払込

主契約

死亡保険金・重度障がいによる保険金 200~1,000万円まで10万単位(15歳は700万円まで)

特約

無配当災害特約 ・災害死亡保険金:主契約と同額
・傷害保険金:身体障害の状態に応じ特約保険金額の10%~100%

無配当傷害医療特約

・不慮の事故によるケガを原因とし、3年以内に次の状態に該当したとき
・入院初期保険金:1回の入院につき日額の5倍
・入院保険金:1日以上の入院で、入院保険金日額×入院日数
・手術:入院中は入院保険金日額の20倍、外来の手術は入院保険金日額の5倍
・放射線治療保険金:入院保険金日額の10倍
※Ⅱ型の場合、入院初期保険金なし

無配当総合医療特約

・病気や不慮の事故によるケガで次の状態に該当したとき
・入院初期保険金:1回の入院につき日額の5倍
・入院保険金:1日以上の入院で、入院保険金日額×入院日数
・手術:入院中は入院保険金日額の20倍、外来の手術は入院保険金日額の5倍
・放射線治療保険金:入院保険金日額の10倍
Ⅱ型の場合、入院初期保険金なし

1契約につき、無配当災害特約のほかに、無配当傷害医療特約または無配当総合医療特約のいずれか一方、最大2種類まで特約を追加できます。

入院保険金は基本保障(主契約)の0.15%(主契約1,000万円なら1万5,000円)、医療特約も災害特約もそれぞれ主契約保険金額が上限となります。

加入するなら

  • 15歳を除いて、基本保険金額1,000万円
  • 特約なしの場合。15歳は700万円。

以上の条件で、15歳、20歳、3歳、40歳、50歳の男女の保険料(月払)を計算してみます。

保険料例

年齢 男性 女性
15歳 1,750円 1,610円
20歳 2,700円 2,400円
30歳 2,900円 2,600円
40歳 3,800円 3,200円
50歳 6,200円 4,200円

知っておきたい、あと1つのポイント

リビングニーズ特約がない

かんぽ生命では、リビング・ニーズ特約がありません。最近では珍しいと言えるでしょう。

カスタマイズには対応している

公式ホームページでのシミュレーターでは、特約の有無しか選べず、医療特約などを自由に選択することができなかったり、保険金額が100万円単位になっていたりしますが、実際に契約するときは、もっと柔軟で好みに合わせてカスタマイズできます。

また、被保険者の年齢は満年齢ではなく、「保険年齢」という基準を採用しています。かんぽ生命の場合、誕生日の半年前には1歳年齢が上がりますので、誤解のないよう。

全体を通して

特別、保険料が安いわけでもないのに、契約当初、保障が減額されてしまうのが気になります。それなら、同じくらいの保険料の他社商品を選ぶほうがいいと思います。

また、郵便局の店頭で当該保険商品のパンフレットを求めたところ、「少し保険料をプラスすると満期金のある保険にできますが……」と営業されました。対応には局の差があると思いますが、かんぽの職員さんにとって、積極的にお勧めしたい商品ではないのでしょうか。

ただ、職業による加入の付加がないので、加入制限のある方にとっては嬉しい存在かもしれません。

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