保険契約の流れと契約の際に最低限押さえたい基本用語集

目次

保険契約の流れと契約時に出てくる基本用語を教えてください。

保険の契約はややこしそうなイメージがありますが、どんな流れで進むのでしょうか?そのとき最低限知っておいた方がいい言葉についても教えてください。

契約者名義の意味からクーリングオフまで、7つに分けて解説します。

保険を契約するときのざっとした流れを知っておくのは賛成です。手続きするにあたって、知っておきたい保険用語もいくつか登場するので、合わせて説明しましょう。

1.契約の名義(契約者・被保険者・受取人)を決めよう

まずは契約の名義を指定します。決めるのは、保険料を支払う人=「保険契約者」、保険の対象となる人=「被保険者」、保険金を受け取る人=「保険金受取人」の3者です。それぞれの役割や権利は以下のとおりです。

保険契約者保険会社と契約を結び、保険料を支払う義務を負う人。代わりに、契約内容を変更できたり、解約できたりと、各種権利を持ちます。
被保険者保険がかけられている人。被保険者の身に保険事故(契約した事象)が起こったとき、保険金が支払われます。
保険金受取人各種保険金を受け取る人。保険契約者が指定します。指定のない場合は、被保険者の法定相続人(配偶者や子どもなど)が受取人になります。

子どもがいる家庭では、以下の組み合わせがよく見られます。

  • 保険契約者=夫
  • 被保険者=夫
  • 保険金受取人=妻

一家の大黒柱である夫が保険料を支払い、その夫にもしものことがあったときは、妻が保険金を受け取る。自然な組み合わせだと思います。ただし、死亡保険金は契約形態によって受け取るときの税金の種類が変わるため、ケースよってはその他の組み合わせをした方がいいこともあります。

※詳細は、「契約者」「被保険者」「保険金受取人」の違いとはをご覧ください。

2.指定代理請求人を決めよう

契約の名義の次に「指定代理請求人」を誰にするか決定します。指定代理請求人とは、被保険者にかわって保険金等を請求できる権利を持つ人のことで、被保険者が病気や要介護状態で意思表示できないなど、自分で請求できない特別な事情があるときを見越して指定するものです。

指定代理請求人は誰でも選べるわけではありません。指定できる範囲は次になります。

  • 被保険者の戸籍上の配偶者
  • 被保険者の直系血族
  • 被保険者と同居または生計を一にしている被保険者の3親等内の親族

利用条件、指定範囲は保険約款を見るか、担当者に確認してください。

3.責任開始日を確認しよう

「責任開始日」とは、「保険事故に対して保険会社が責任を持つ日」という意味で、事実上の保険がスタートする日です。「保険を申し込んだ日=責任開始日」と思いがちですが、実際は「申し込み」「告知・審査」「1回目の保険料の払込」の3つが完了した日が責任開始日になります。

ただし、商品や保険料の支払い方法によっては違うこともあるため、契約の際にしっかり確認しましょう。ちなみに、がん保険は、契約完了から責任開始日まで90日間の待ち期間があります。

4.保険年齢を確認しよう

「保険年齢」とは、保険料を決める基準になる年齢のことをいいます。生命保険の場合は被保険者の年齢が基準になり、当然、年齢が高くなるにつれ保険料も上がります。

注意したいのは、満年齢が6ヵ月を過ぎているとき、その端数が切り上げられて保険年齢が上がる場合です。たとえば、29歳7ヵ月の人が契約すると、保険年齢は30歳になり、保険料も30歳の基準で計算されてしまうのです。これは保険会社によって違うので、保険年齢がどう扱われるのか確認しておきましょう。

ちょうど保険年齢が上がる時期に契約した場合や、翌月1日が契約日に指定してある場合で、タイミング悪く保険年齢が上がってしまうという人は、なんとかならないか、保険会社に申し出てみるといいでしょう。保険会社が承諾してくれれば、「契約日特例」という制度を使って年齢を若い方に切り下げてくれます。

5.保険料の支払い方法を決めよう

保険料の支払いプランは、「月払い」「半年払い」「年払い」のほか、全額を一括で支払う「一時払い」や、前もって数回(年)分をまとめて払う「前納」、ボーナス時だけ増額して支払う「ボーナス併用払い」などいくつかの方法があります。一度にまとまった金額を支払うと割引されます。

口座振替やクレジットカード払いを利用する人が多いですが、保険会社の窓口で支払う「店頭払い」や、集金担当者に直接支払いう「集金払い」を利用することもできます。勤務先などで加入する場合は、お給料から天引きされる「団体払い」が適用されます。

基本的に、支払い方法は契約途中で変更することができます。

※詳細はどんな方法がある?保険料の払込プランと手段をご覧ください。

6.告知義務

生命保険に加入するには、健康審査にパスしなくてはいけません。過去と現在の健康状態を聞かれたとおりに告知し、必要であれば医師等の診査も受けます。この一連の作業を「告知義務」と呼びます。必ずありのままの状態を正直に伝えてください。嘘をつくと告知義務違反になり、保険金が支払われないのはもちろん、保険契約を一方的に解除される恐れがあります。

審査が通れば、1~5で確認した内容を確認して書類手続きを進めるだけです。

※詳細は、告知義務とは?告知義務の説明と違反の例で解説します。

7.クーリングオフ制度

保険商品に限ったことではありませんが、いったん申し込んだ契約でも、一定の期間内であれば契約を撤回することができます。保険の場合、「クーリングオフに関する事項に記載した書面を受け取った日」または「申し込みを行った日」から8日以内に書面で申し出ると、契約が撤回され1回目の保険料が全額戻ってきます。

ただし、クーリングオフが適用されないケース、たとえば「申込者が自分で指定した場所で行った契約」や「保険期間が1年以下の契約」など例外もあるため、契約は慎重に行いましょう。

※詳細は、クーリングオフとはをご覧ください。

さいごに

以上、ざっくりとですが、契約の流れと知っておきたい基本用語集を解説しました。事前知識があると契約がスムーズにいくうえ、トラブルを回避することもできるので、ここで挙げた程度のものは理解するように頑張りましょう。

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