ども。「7月では過去最強クラス」の台風が来ると聞いて、会社が休みにならないかワクワク不安でいっぱいのもぶ太です。
それにしても、自然災害が例年ひどくなってるなー、このままじゃ危ないなー、近いうちやるかなー、なんて思ってたら、案の定やりましたね。火災保険の値上げ。うーん。
火災保険、来年度値上げも : ホームガイド : 読売新聞(YOMIURI ONLINE)
でもまあ、裏を返せば、台風に火災保険がきっちり使えるということです。火災保険は火事に備えて入るものですが、火事に遭う確率は0.1%程度だと言われているので、現実的には風災や水災のときこそ活用すべきなんですよね。
とはいえ、契約内容によっては1円も貰えない場合があるので要注意です。せっかく高い保険料を払っているのに、保険がおりなかったじゃシャレになりません。多くの方は大丈夫だと思いますが、念のため次の点を確認してください。
風災補償がおりないケース
「一定額の壁」に邪魔される
強風で屋根がはがれたり、飛んできた木の枝等で建物が傷ついた場合は、火災保険の基本守備範囲である『風災・ひょう災・雪災』ですから、しっかり保険金がおります。しかし、保険種類や契約内容によっては、『被害額が20万円以上の場合に限る』など一定の条件をクリアしないと保険金が1円も貰えないケースがあるのです。
強風で屋根が飛ばされ、その修理費に21万円かかったら21万円受け取れますが、19万円なら全額自腹ということです。保険用語でいう『フランチャイズ方式』と呼ばれる仕組みで、よく耳にする『免責』との違いは、条件さえクリアすれば全額補償されるところです(この例の場合『免責20万円』だと1万円だけもらえます)。
最近の火災保険はこの条件を低くしたり、取っ払ったりしていますが、結構前に加入したという人は、念のため契約内容を確認してみてください。
水災補償がおりないケース
『住宅総合保険』か『新型火災保険』以外である
水災は、火災保険のタイプによっては対応できないことをご存知でしょうか。『住宅総合保』と、最近主流の『新型火災保険』は問題ないですが、従来の『住宅火災保険』や『団地保険』だと、そもそも水災補償機能が付いていません。
また、対応できる商品でも、保険料節約のために水災を削っていないでしょうか。近くに海や河川がない、ハザードマップを見て水災の恐れ低しと判断した人でも、近年はゲリラ豪雨なども多発してますし、油断はできないと思います。まあ、水災補償を付けるとわりと高くなるので(=危険度が高い)、それがネックなんですが。
【参考】
「家財保険」がノーマークである
水災でダメージを受けるのは建物だけとは限りません。浸水がもとでカーペットや電化製品が使い物にならなくなったりと、家財に損害が出る可能性も十分にあります。そこでたまに聞くのが、保険料の関係で家財保険をノーマークにしているケース。この場合、たとえ支払事由(後述)を満たしていても給付は0円です。
個人的に家財保険は必須だとは思いませんが、水は想像を超える破壊力を持って襲ってくるため、家財だからと侮っていると思わぬ損害が出る恐れがあります。
風災よりも「高い壁」に阻まれる
火災保険は水災補償についてはやや慎重な商品です。一般的な支払い要件を見てみましょう。
【水災の支払い要件と支払額】
- 建物または家財それぞれの時価の30%以上の損害
- 床上浸水または地盤面から45cm超える浸水による損害
損害割合 | 保険金 |
---|---|
15%未満(床上浸水が条件) | 保険金額の5%(1事故あたり100万円が限度) |
15~30%(床上浸水が条件) | 保険金額の10%(1事故あたり200万円が限度) |
30% | 損害額(再調達限度額) |
「30%以上」「45cm超える浸水」など、一定値の壁を持つ点では風災と同じですが、ハードルの高さが違いますね。45cmの浸水といったら、結構なもんです。
損害割合が30%以上だと保険金額を限度に全額支払う『実損型』が主流ですが、なかには7割ほどしか補償してくれない商品もあります。逆に、損害割合にかかわらず100%補償する『完全実損型』もありますが、良いものはもちろん値が張ります。
なお、台風の豪雨で雨漏りになって浸水しても、補償金はおりません。雨漏りだって水害じゃないかと声を荒らげたくなりますが、あれは自然災害じゃなく、建物の老朽化が原因とみなされるようです。しかし、強風で屋根や窓ガラスが損壊し、そこから雨が入ってきた場合は、風災として認められる可能性が高いです。(このあたりは保険会社に聞いてみてください)
おわりに
シンプルにまとめると以下の2点です。
- 従来の火災保険は20万円以上の損害が出ないと全額自腹!水災も付帯できない!
- カスタマイズできる新型保険は水災を外していないか確認!家財保険の付帯もチェック!
ちなみに、台風の影響で自家用車に損害が出た場合、これは車両保険の守備範囲になります。ただし車両保険も水災をカバーできないタイプがあるので、心配な人は補償内容を確認してみてください。
【参考】火災保険の教科書(カテゴリ:火災保険が出る時、出ない時)