「がん」は日本人の死亡原因として最も多い病気です。死亡率が下がってきているとはいえ、がんの生涯罹患率から考えると、日本人の2人に1人が「がん」を経験することになりますから、 経済的備えを検討しておきたいもの。
とはいえ、20代ではまだ自分が「がん」になることなど想像がつかないでしょう。20代でがん保険に入る必要はあるのでしょうか。
20代でがんになる可能性はどのくらい?
国立がん研究センターの調査によれば、20代で男性ががんになる確率は0.2%、女性ががんになる確率は0.4%です。確率が極めて低いことを考えれば、20代でがん保険に加入する必要性は低いように思えます。 ただ、数は少なくても20代でがんになる人はいるのです。20代と若くても、悪性新生物となれば一大事です。確率は低くても起きたら大ダメージになるリスクに、小さなコストで備えるのが保険ですから、20代でがん保険に加入するのが無駄ということは決してありません。
性別 | 確率 | ~30歳 | ~40歳 | ~50歳 | ~60歳 | ~70歳 | 生涯 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
男性 | 罹患率 | 0.2% | 0.8% | 2% | 8% | 21% | 62% |
死亡率 | 0.0% | 0.1% | 0.5% | 2% | 6% | 25% | |
女性 | 罹患率 | 0.4% | 2% | 5% | 11% | 19% | 46% |
死亡率 | 0.0% | 0.2% | 0.6% | 2% | 4% | 16% |
20代で「がん」に備えるには
厚生労働省の調査では、がん治療の入院日数は減少傾向にあるということですが 、それに伴って治療にかかる費用が減っているわけではありません。抗がん剤には高額なものもありますし、治療が長引いたりすると経済的負担は大きなものとなります。
20代であれば、まだ収入も少なく、貯蓄で備えるのは難しいケースが多いでしょう。いざというときに両親を頼れるようなら、貯蓄を増やすことに専念するという方法もありますが、自分で保険に加入して備えることを検討するのもひとつです。
20代からがん保険に入る最大のメリットは保険料が安いことです。終身保障なら安い保険料のまま、ずっと加入し続けることができます。もちろん、まだ収入が少ない20代が保険料を払い続けるのはそれなりに負担です。
また、がん治療の進歩とともに必要となる保障も変化する可能性があり、終身保険では保障内容の見直しがしにくい側面もあるようです。そうしたケースをできるだけ避けるためにも、どうしても必要と思われる保障に絞って加入を検討すると良いでしょう。
20代男女におススメのプラン(保障内容、保険料)は
保障内容
20代での加入を検討するなら、治療法に関係なく受け取ることのできる診断給付金(一時金)を中心とした保障内容とするのがおススメです。特に終身保険を選ぶ場合は、これからの医療の進歩によって治療法が変わっても、診断給付金であれば「がん」と診断されれば受け取れるので、いざというときに給付金を受け取れないことはないでしょう。
もう少し余裕があれば、治療を受ければ給付金を受け取れる治療給付金(一時金)を、また、必要となる確率は低いものの、治療費が高額で保険料はお手頃(月払100円程度)な先進医療特約は付けておいてもいいでしょう
保険料
シンプルな保障内容を選択でき、当サイトのランキングでも評価の高いライフネット生命の「ダブルエール」と、メットライフ生命の「Guard X(ガードエックス)」で試算してみました。
《ライフネット生命「ダブルエール」の例》
がん診断一時金:100万円のみのプランが25歳男性で月額1,032円、女性で月額1,270円です。
これに、 治療サポート金:月に1回10万円(回数無制限)、がん先進医療給付金:2,000万円までを加えると、25歳男性で月額2,014円、25歳女性で月額2,457円となります。
《メットライフ生命「がん保険 Guard X(ガードエックス)」の例》
- がん治療給付金:年1回50万円(5回まで)
- 悪性新生物診断給付金:50万円
- がん先進医療給付特約:2,000万円まで
以上のプランが、25歳男性で月額1,306円、25歳女性で1,663円です。
20代では、女性の方が男性よりがんの罹患率が高いので、保険料も女性の方が高くなっていますが、月に1,000円から2,000円前後なら、無理なく払い続けていける金額ではないでしょうか。
全体を通して
これから結婚や子どもの誕生、マイホーム購入などさまざまな人生の転換期が予想されるのが20代です。まずは基本となる保障を用意し、経済的な余裕や必要性に応じて、保障を見直していくといいでしょう。