日本人の「がん」の生涯罹患率は、男性で62%、女性で46%と言われます。つまり、日本人の2人に1人が「がん」を経験するということになります。
同世代でがんになった人の話を聞くこともあり、「がん」を身近な危機として感じ始めるのが40代ではないでしょうか。がん保険に入る必要はあるのか、入るならどんな保険を選べばいいのかを考えてみましょう。
40代でがんになる可能性はどのくらい?
国立がん研究センターの調査によれば、40歳の人が10年以内にがんになる確率は男性で2%、女性で4%です。まだまだ少ない感じがしますが、20年以内に視野を広げると、男性7%、女性9%ががんになるということですから、他人事とは言えない年代になってきたのではないでしょうか。貯蓄が心もとない人は、そろそろがん保険に加入することをじっくり検討してもいいと思います。
40歳の人がこれから「がん」に罹患・死亡する確率
性別 | 確率 | ~50歳 | ~60歳 | ~70歳 | ~80歳 | 生涯 |
---|---|---|---|---|---|---|
男性 | 罹患率 | 2% | 7% | 21% | 41% | 62% |
死亡率 | 0.3% | 2% | 6% | 15% | 25% | |
女性 | 罹患率 | 5% | 9% | 17% | 28% | 46% |
死亡率 | 0.5% | 2% | 4% | 8% | 15% |
40代で「がん」に備えるには
厚生労働省の調査では、がんの平均入院日数は減少傾向にありますが、これに伴って治療にかかる費用も減少しているわけではありません。高額療養費制度で毎月一定の金額(一般に約8~9万円)までしか治療費用はかからないのだから、大きな負担にはならないという意見もありますが、健康保険の対象とならない治療費や差額ベッド代などは高額療養費制度ではカバーできないため、全額が患者本人の負担となります。
がんの治療には健康保険の対象とならないものもありますし、治療が長引けば経済的な負担は大きくなります。100万円、あるいは200万円の治療費でも困らないだけの貯蓄があるなら、特にがん保険は必要ないかもしれませんが、子どもの教育費や住宅ローンの返済などで貯蓄までは回らない、というような状況であればがん保険で備えることを検討してみてはいかがでしょうか。
再び厚生労働省によれば、生活習慣病をもつ人の割合は40歳以降、男女ともに増加します。健康診断で問題があることが分かった場合には、保険に入りにくくなるケースもあります。20代、30代と比べれば保険料が高いのですが、50代、60代は保険料がさらに大幅に上がることを考えると、いずれがん保険に加入しようと思っているのであれば、前向きに40代での加入を検討してもいいでしょう。
40代男女におススメのプラン(保障内容、保険料)は
保障内容
がん治療は日進月歩で、これからも治療法が進歩していくことが予想されます。治療法が変われば、がん保険の保障の主流も変わり、これまで加入していた保険では保障が不十分になることがあります。
ただ、今40代の人が10年後、20年後に保険の見直しをしようと思っても保険料が高くなってしまうため、新しい保険に乗り換えることが難しくなるかもしれません。ですから、治療法が変わっても受け取れる保障を選ぶことが重要です。
まず、「がん」であると診断されたら給付金を受け取ることができる診断給付金(一時金)を中心として、できるだけ治療法を限定しない「治療給付金」を選択すると良いでしょう。先進医療特約は必要となる確率は低いですが、保険料が安いので付けておいても良いでしょう。
保険料
保険料を試算してみましょう。シンプルな保障内容を選択でき、当サイトのランキングでも評価の高いライフネット生命の「ダブルエール」と、メットライフ生命の「Guard X(ガードエックス)」、チューリッヒ生命の「終身ガン治療保険プレミアムDX」で診断給付金を中心としたプランで試算してみます。
《ライフネット生命「ダブルエール」の例》
- がん診断一時金:100万円
- 治療サポート金:月に1回10万円(回数無制限)
- がん先進医療給付金:2,000万円まで
以上のプランが、45歳男性で月額4,038円、45歳女性で月額3,849円となります。 ちなみに、がん診断一時金100万円だけなら、45歳男性が月額2,138円、45歳女性が月額1,960円で加入することができます。
《メットライフ生命「がん保険 Guard X(ガードエックス)」の例》
- がん治療給付金:年1回100万円(5回まで)
- 悪性新生物診断給付金:50万円
- がん先進医療給付特約:2,000万円まで
以上のプランが、45歳男性で月額4,539円、45歳女性で4,152円です。
《チューリッヒ生命「がん保険 終身ガン治療保険プレミアムDX」の例》
- 放射線治療給付金:月額20万円
- 抗がん剤・ホルモン剤治療給付金:月額20万円
- 自由診療抗がん剤・自由診療ホルモン剤治療給付金:月額40万円
- がん診断特約:100万円
- がん先進医療特約:2000万円まで
以上のプランが、45歳男性で月額5,529円、45歳女性で4,059円です。
20代、30代の試算では、罹患率も保険料も女性の方が男性より高かったのですが、40代では罹患率では女性の方が高いものの、保険料は男性の方が高くなる傾向にあります。50代以降は保険料がさらに高くなっていきます。
なお、若い頃(昔)に加入したがん保険がある人は、入院給付金が中心の保障となっていることが多いので、診断給付金のみのプランに見直すのもひとつです。
全体を通して
職場で責任ある立場となってくる40代ですが、そろそろ自身の健康に不安を感じるときがあるかもしれません。プライベートでも次第に膨らんでいく教育費支出や住宅ローン返済など、家計は楽ではないかもしれませんが、無理のない範囲でがん保険を検討してみてはいかがでしょうか。