近年、「がん」の死亡率が低下しています。そのため、「がん」は治る病気になったと言われることもありますが、日本人の死亡原因の1位であることに変わりはありません。ただ、治る病気であれば、「がん」になってもできる限りの治療ができるよう、経済的備えをしておきたいものです。
50代になると罹患率が上がり、それとともにがん保険の保険料も上がります。50代ががん保険に入るならどのようなプランにしたら良いのかを考えていきましょう。
50代でがんになる可能性はどのくらい?
国立がん研究センターの調査によれば、50歳の人が10年以内にがんになる確率は男女とも6%です。まだまだ自分は大丈夫と考える人も多いと思いますが、生涯罹患率が男性で62%、女性46%であることを考えると、万一がんになった場合にも経済的な不安は無いか、考えておく必要がありそうです。いずれがん保険に入ろうと考えているのであれば、そろそろ加入を検討した方が良いでしょう。
50歳の人がこれから「がん」に罹患・死亡する確率
性別 | 確率 | ~60歳 | ~70歳 | ~80歳 | 生涯 |
---|---|---|---|---|---|
男性 | 罹患率 | 6% | 20% | 41% | 62% |
死亡率 | 1% | 6% | 15% | 25% | |
女性 | 罹患率 | 6% | 14% | 26% | 46% |
死亡率 | 1% | 4% | 8% | 15% |
50代で「がん」に備えるには
厚生労働省の調査では、がんの平均入院日数は平成17年の24.6日から、平成26年には18.7日に減りましたが、それに伴って治療にかかる費用が減っているわけではありません。がんには健康保険の対象にならない治療法もありますし、長期間に及べば経済的な負担は大きくなります。たとえば、治療に100万円、あるいは200万円かかっても困らないだけの貯蓄があれば、特に保険の必要はないかもしれません。
ですが、50代では子どもの教育費のピークを迎えて貯蓄どころではないという家庭も少なくないのではないでしょうか。経済的備えに不安があるのなら、がん保険で備えるのもひとつです。
50代でがん保険に加入するとなると、保険料が高いと感じるかもしれませんが、60代以降はさらに高くなっていきます。がん保険に加入しようと思うのであれば、なるべく保険料を抑え、しかもその後の見直しをしないで済むプランを検討したいものです。
50代男女におススメのプラン(保障内容、保険料)は
保障内容
50代でがん保険に入るなら、本当に必要な保障に集中し、いずれ年金生活になっても無理なく保険料を払い続けていけるプランを考えることが大切です。 もし必要な保障を一つだけ選ぶとしたら、「がん」と診断されたら給付金(一時金)を受け取れる診断給付金が良いでしょう。余裕があれば、できるだけ治療法を限定せず、しかも入院してもしなくても給付金を受け取れる治療給付金を加えても良いかもしれません。先進医療特約は必要となる可能性が低いものの、いざというときには治療費が高く、保険料は100円程度と安いので付けておいても良いでしょう。
保険料
保険料を試算してみましょう。シンプルな保障内容を選択でき、当サイトのランキングでも評価の高いライフネット生命の「ダブルエール」と、メットライフ生命の「Guard X(ガードエックス)」、チューリッヒ生命の「終身ガン治療保険プレミアムDX」で診断給付金を中心としたプランで試算してみます。
《ライフネット生命「ダブルエール」の例》
- がん診断一時金:100万円
- 治療サポート金:月に1回10万円(回数無制限)
- がん先進医療給付金:2,000万円まで
以上のプランが、55歳男性で月額6,186円、55歳女性で月額4,417円となります。 ちなみに、がん診断一時金100万円だけなら、55歳男性が月額3,285円、55歳女性が月額2,293円で加入することができます。
《メットライフ生命「がん保険 Guard X(ガードエックス)」の例》
- がん治療給付金:年1回100万円(5回まで)
- 悪性新生物診断給付金:50万円
- がん先進医療給付特約:2,000万円まで
以上のプランが、55歳男性で月額7,986円、55歳女性で6,841円です。また、このプランのうち、がん治療給付金を50万円に変更すると、男性5,128円、女性4,141円となります。 《チューリッヒ生命「がん保険 終身ガン治療保険プレミアムDX」の例》
- 放射線治療給付金:月額20万円
- 抗がん剤・ホルモン剤治療給付金:月額20万円
- 自由診療抗がん剤・自由診療ホルモン剤治療給付金:月額40万円
- がん診断特約:100万円
- がん先進医療特約:2,000万円まで
以上のプランが、55歳男性で月額8,029円、55歳女性で4,654円です。
20代、30代では女性の保険料の方が男性より高かったのですが、50代になると男性の保険料が女性を大幅に上回ります。特に50代男性の場合は、保険会社とプランによってはかなり高くなってしまうので、本当に必要だと思う保障と払い続けていける保険料とを考えながら最適なプランを検討しましょう。
また、若い頃に入った加入した保険がある人は、入院給付金が中心であることが多いので、診断給付金のみ加入することを検討しても良いと思います。
全体を通して
50代に子どもの教育費のピークと住宅ローン返済の負担が重なれば、家計は一番大変な時期を迎え、それを乗り切ると老後の準備が視野に入ってきます。保険に関しては最終的な見直しをして、本当に必要な保障を取捨選択したいものです。 ]]>