主契約と特約の関係がややこしくてよく分かりません。
一つの生命保険に、医療保障とか、がん保障とか、介護保障とかを付けることができますが、どんな仕組みになっているのでしょうか?保険によっても違うので構成がよく分かりません。
主契約は商品の主役、特約は脇役だと考えてください。
主契約は、読んで字の如しで「契約の主役」を意味します。それが無くては商品が成立しないもので、生命保険では死亡保障が主契約にあたります。一方特約は、無くても構わないけどあれば嬉しいもので、入院保障や介護保障など、さまざまな種類があります。したがって、生命保険に加入する人は、主役の死亡保障は必ず契約し、特約は必要に応じて追加する形を取ります。
やや難しいと感じる人は、うどんやラーメンを注文するときをイメージしてください。ラーメンやうどんで主役になるのは麺とダシで、あれば嬉しいものが卵やチャーシューなどの具材ですよね。保険の主契約と特約は、この麺とトッピングの関係によく似ています。
特約を追加するということは、具材をトッピングしていくことと同じです。追加すればするほど商品は豪華になりますが、そのぶん料金が上がるため、特に必要ないのに特約を付けると余計な料金を支払うことになります。また、具材はあくまで具材ですから、それだけを単品で購入することはできません。
主契約と特約の知識は保障選びの際に欠かせないものです。しっかりと区別して覚えるようにしましょう。
コラム:特約でしか販売されない保障の特徴とは?
特約のラインナップは保険の種類によって変わります。医療保障が主役の医療保険では死亡保障が特約で販売されていますし、学費を貯める目的で入る学資保険では、医療保障が特約扱いになっています。先ほどの例えで言うなら、「うどんミニ天丼定食」では天丼が特約ですが、「天丼ミニうどん定食」ではうどんが特約になるようなイメージです。
このように、主契約か特約かは、メインにどの保障を据えるかによって決まるものですが、なかには特約でしか販売されていない、いつでも補佐役に徹する保障もあります。生命保険ではたとえば以下の保障がそうです。
保障内容 | 概要 |
---|---|
傷害特約 | 不慮の事故で180日以内に死亡または身体障害状態になったときに災害保険金を受け取れる |
三大疾病保障特約 | がん、脳卒中、急性心筋梗塞にかかり所定の状態になったときに一時金を受け取れる |
通院特約 | 退院後の通院日数に応じて給付金を受け取れる |
女性疾病特約 | 女性特有の疾病で入院したとき、手術を受けたときに給付金を受け取れる |
先進医療特約 | 先進医療を受けたときに一時金を受け取れる |
リビング・ニーズ特約 | 医師に余命半年と診断されたとき、死亡保険金の一部または全てを生前に受け取れる |
※その他の特約や詳細は、保険の用語集「主契約と特約とは」で解説しています。
それ単体では購入されにくい保障や、主契約と合わせることで価値が出る保障は特約扱いになりがちです。もちろん、主役に負けない魅力的な特約もあり、「がん特約」などニーズが増えた結果、主契約(がん保険)になって売りだされた保障もあります。
ただ、特約として追加するうちは、それ単体を購入することはできないこと、また主契約を解約すると特約も消滅してしまうことを覚えておきましょう。