学資保険や貯蓄だけで教育資金が不足する場合、まずは奨学金が利用できないか検討するのが先決です。しかしながら、奨学金の対象にならないなどの理由で利用できない場合は、教育ローンを利用するという方法があります。
教育ローンは、要は、お金の借入なのですが、用途が限定されないフリーローンに比べると金利は低めです。民間の金融機関でも教育ローンはありますが、できれば公的なものを利用できればなにかと有利です。概要を比較してみましょう。
民間ローンよりまず公的な教育ローンを検討しましょう!
安心の国の教育ローン
国の教育ローンとは、日本政策金融公庫が運営している教育一般貸付を指します。かつては郵便局などでも公的な教育ローンがあったのですが、今は日本政策金融公庫がほぼ唯一のものになってしまっています。日本政策金融公庫の教育一般貸付は以下のような内容です。
融資限度額 | 子ども1人につき300万円以内 |
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返済期間 | 15年以内(在学中は利息ぶんのみの返済でも可) |
金利 | 2.55% |
※金利は経済状況などにより変わることがあります。
一般のキャッシングなどよりは低金利です。住宅ローンよりは高金利ですが、これは返済期間が住宅ローンよりは短く、融資額も少ないためでしょう。誰でも借りられるというわけではなく、扶養する子どもの人数と所得によって制限があります。
世帯の年間所得 | ||
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子どもの人数 | 給与所得者 | 事業所得者 |
1人 | 790万円 | 590万円 |
2人 | 890万円 | 680万円 |
3人 | 990万円 | 770万円 |
4人 | 1090万円 | 860万円 |
5人 | 1,190万円 | 960万円 |
たとえば子どもが1人の場合、給与所得者(会社員)なら年間所得が790万円以内の場合のみ利用できるということです。事業所得者(自営業)はすこし上限がゆるくなっています。
なお、所得が高くても、給与所得者で年間990万円以内・事業所得者で年間770万円以内であれば、親が単身赴任している、親族の介護をしている、など、特定の条件を満たしていれば利用できる場合もあります。
国の制度ということで、審査に時間がかかるのではないかと不安がありますが、公式サイトの情報では、申込みから最短5営業日で融資を受けられるとありますから、意外とそういった面での使い勝手も悪くないようです。ただし、公式サイトにも注意がありますが、入学シーズンは混雑するため、実際には時間がかかってしまうことは十分考えられます。早めの手続きをしたほうがいいでしょう。
民間の金融機関の教育ローン、国に比べると金利が……
次に民間の金融機関の教育ローンを見てみましょう。これは金融機関の数だけあると言っていいくらい多種多様なのですが、いくつか代表的な商品を紹介したいと思います。
金融機関 | 三菱UFJ銀行 |
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商品名 | ネットDE教育ローン |
融資限度額 | 500万円以内 ※医歯薬系学部・研究科の場合は1,000万円以内 |
貸付期間 | 6ヵ月以上10年以内(1ヵ月単位) ※医歯薬系学部・研究科の場合は、6ヵ月以上16年以内(1ヵ月単位) |
金利 | 3.975%(ネット申込み時の金利) |
金融機関 | みずほ銀行 |
商品名 | みずほ銀行教育ローン |
融資限度額 | 300万円以内 |
貸付期間 | 6ヵ月以上10年以内(1ヵ月単位) |
金利 | 変動型:3.475% 固定型:4.700% |
金融機関 | りそな銀行 |
商品名 | りそな教育ローン |
融資限度額 | 500万円以内 |
貸付期間 | 最長10年以内(1年単位) |
金利 | 4.48% ※りそな銀行の住宅ローンを利用している場合:2.975% |
りそな銀行の、住宅ローンを利用していれば金利が優遇されるシステムなどは面白いですね。
また、一時的なキャンペーンなどをやっていることもあります。 ただ、総じて、高金利ではありますので、国の教育ローンが使えるならそちらのほうが良いとは言えるでしょう。
民間金融機関の教育ローンのメリットは、国の教育ローンよりも、条件がゆるく、借りやすいという点に尽きます。
意外と有利なJAやろうきんの教育ローン
公的機関ではなく、民間の金融機関とも少し違うところで、JAやろうきんでも教育ローンの取扱があります。
比較的、低金利ですので、選択肢には入ってくると思います。ただ、JAやろうきんの商品は、共済などと同じく、会員の相互扶助のためのものであるのが本来の趣旨。JAの教育ローンを利用するためには会員になる必要がありますし、ろうきんのものは、会員かどうかで融資限度額などが異なってきます。
そうした手続きのことを考えると、民間の教育ローンほど気軽には利用できません。
民間の非営利団体(NPO)である「あしなが育英会」は、保護者を亡くした遺児のための奨学金制度です。誰でも利用できるものではありませんが、無利子の貸与になっています。
奨学金は、利用できれば有利ですが、誰でもが利用できるものではなく、それなりに厳しい審査があるものです。奨学金の審査がどうしても通らない場合は、教育ローンなどを利用することになります。教育ローンにも、ローンとしての審査はありますが、奨学金よりは幅広く門戸は開かれています。
金融機関 | JAバンク |
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商品名 | 教育ローン |
融資限度額 | 500万円以内 |
貸付期間 | 最長13年以内 |
金利 | 変動型と固定型から選択(金利はJAの窓口で確認の必要あり) |
金融機関 | 中央ろうきん(中央労働金庫) |
商品名 | 教育ローン |
融資限度額 | 1,000万円以内 |
貸付期間 | 最長15年以内 |
金利 | 会員およびその家族:1.7%(10年以内) ・2.2%(10年超)非会員の一般の利用者:2.2%(10年以内) ・2.7%(10年超)※上記に加え0.7~1.2%の保証料が必要 |