「がん」は日本人の死亡原因として最も多い病気ですが、最近は死亡率が下がってきたこともあり、治る病気と言われるようになってきました。だとしたら、がんになっても治療に専念できる備えを考えておきたいものです。
その一つにがん保険がありますが、専業主婦(夫)の保険はどうしても後回しになってしまうことが多いようです。専業主婦(夫)にとってがん保険は必要なのでしょうか。
専業主婦(夫)ががんになったら、必要なのは治療費だけではない?
家事や育児の大部分を担当している専業主婦(夫)の妻が「がん」と診断され、通院や入院で治療することになったら、治療費以外の費用も必要になるでしょう。
特に小さな子どもがいる場合、検査や治療で病院に行くにも子どもを連れていけるとは限りません。親族、友人、ご近所さんなど預かってくれる存在が近くにいればよいですが、誰にも頼めなければベビーシッターが必要になります。
まして、入院することになれば、ベビーシッターだけでなく、掃除、洗濯、食事の支度などをしてくれる家事代行サービスを頼るケースも出てくるでしょう。夫がどうしても家事や育児に手が回らず、すべてをアウトソーシングしようとすると、かなりの費用がかかりそうです。
実際にどのくらいの費用がかかるのか?
ベビーシッター料金相場は、1時間1,000円から3,000円程度、他に入会金等が必要なケースもあります。また、家事代行サービス料金の相場は1時間2,000円から4,000円程度です。 ということは、《夫婦と2歳の子どもの3人家族》だとして《妻が2週間の入院をした場合》にかかるベビーシッターと家事代行サービスの費用を試算すると……
試算
・ベビーシッター(2,000円/1時間、入会金2万円)に8時から18時まで、週5日
・家事代行サービス(3,000円/1時間)に1日3時間ずつ週5日 →2週間でベビーシッターに22万円、家事代行サービスに9万円
=合計31万円
31万円が家計を破綻に追い込むか(=保険に頼るような金額か)というと、そんなことはないと思いますが、決して軽くない出費には違いないでしょう。それに、ここに医療費も乗っかります。
一方、夫婦2人だけの家庭なら、それほど費用をかけずに済むかもしれません。ただし、家事が苦手な人ならやっぱり家事代行サービスに頼ることになるかもしれませんし、食事も外食で済ませたりと、いつもより生活費がかかることが予想されます。
専業主婦(夫)のがん治療にかかる費用に備えるには
以上のシミュレーションのとおり、家事・育児を担ってくれている専業主婦(夫)が病院にかかると、生活費の負担が少なからず増すと考えれます。治療費と合わせるとかなりの額になるでしょうから、経済的な備えはしっかりしておきたいものです。
その備えががん保険である必要性については、突然の出費に対応できる貯蓄がどれくらいあるかによります。具体的には、100万円~200万円もあれば問題ないでしょう。
しかし、まだ子どもが小さな30~40代の世帯であれば、一般的にまだまだ収入も多くはないでしょうし、住宅ローンの負担も大きいかもしれません。「思うようになかなか貯められない」という家庭なら、がん保険で備えるのもひとつです。
専業主婦(夫)におススメのプラン(保障内容、保険料)は
保障内容
がん治療は日進月歩で、これからも治療法が進歩していくことが予想されます。そのため、治療法が変わっても給付金を受け取れる保障内容にしておくことが重要です。
その点、「がん」と診断されたら受け取れる診断給付金(一時金)なら、治療法が変わっても給付金を受け取ることができますし、どんな目的にも使うことができます。診断を受けた段階でまとまったお金を受け取ることができれば、ベビーシッターや家事代行サービスの費用に使うことができるので安心です。
余裕があれば、治療方法をできるだけ限定しない治療給付金も治療方法が変わっても受け取ることができそうです。また先進医療特約は、必要となる可能性は低いですが、保険料が100円程度と安いので付けておいてもいいでしょう。
保険料
保険料を試算してみましょう。シンプルな保障内容を選択でき、当サイトのランキングでも評価の高いライフネット生命の「ダブルエール」と、メットライフ生命の「Guard X(ガードエックス)」について、診断給付金を中心に考えたプランで保険料を計算します。 《ライフネット生命「ダブルエール」の例》
- がん診断一時金:100万円
- 治療サポート金:月に1回10万円(回数無制限)
- がん先進医療給付金:2,000万円まで
以上のプランが、35歳女性で月額3,150円、45歳女性で月額3,849円、55歳女性で4,417円です。 《メットライフ生命「がん保険 Guard X(ガードエックス)」の例》
- がん治療給付金:年1回100万円(5回まで)
- 悪性新生物診断給付金:50万円
- がん先進医療給付特約:2,000万円まで
以上のプランが、35歳女性で月額3,059円、45歳女性で月額4,152円、55歳女性で6,841円です。 夫婦でがん保険に入る場合、例えば30代では女性のがん罹患率が男性より高いため、同じ保障でも妻の保険料が夫より高くなってしまいます。ですが、専業主婦(夫)ががんになった場合の出費は大きくなる可能性が高いので、できるだけ夫と同じかそれ以上の保障となるプランを検討したいものです。家計にあまり余裕が無い場合には、がん診断給付金だけでも検討すると良いでしょう。
全体を通して
専業主婦(夫)は収入が無いからといって、がんになっても影響が少ないということにはなりません。ただ、専業主婦(夫)とひとことで言っても、年齢、家族構成、夫の収入、貯蓄などの事情はさまざまです。 わが家の場合はどのような費用が必要になるのかを考え、がん保険の加入を検討してみてはいかがでしょうか。