手術を受けたとき、医療保険に入っていれば手術給付金が出ますが、全ての手術が対象となるわけではありません。医療保険の対象にならず、手術給付金を受け取れない手術とはどのようなものなのでしょうか。
治療目的の手術でないと対象にならない
医療保険の対象となるのは、治療を目的とした手術です。ですから、たとえば胃や大腸などにできたポリープが良性か悪性かを検査するために内視鏡で細胞を取るのは、治療目的といえないので、手術給付金の対象となりません。
美容整形は、そもそも傷病ではないので治療が起こるはずもなく、保障対象外です。同じようにレーシック手術も治療目的とはみなされません(対象としている医療保険も過去には販売されていました)。
自分の受けた手術が保障対象になるかならないかは、約款で調べるか、保険会社に問い合わせてみましょう。
対象となる手術は医療保険によって88種類か1,000種類
治療目的であれば、全ての手術が対象となるわけではありません。保険会社は手術給付金の対象となる手術を定めていて、 88種類、もしくは公的医療保険に連動した 1000種類が対象となります。最近加入した医療保険なら、ほとんどが公的医療保険連動タイプですが、同じ保険会社でも少し古い契約だと、 88種類のことが多いようです。
88種類では少ないと思うかもしれませんが、数え方に特徴があり、 1,000種類と同じ数え方をすると約 600種類となります。一般的な手術はカバーでき、また、放射線治療も手術給付金の対象となります。
公的医療保険の対象でも保障されない手術
公的医療保険の対象となっていても、手術給付金の対象とならない手術もあるので注意が必要です。たとえば、次のようなものは対象となりません。
手術 | 主な手術内容 |
---|---|
創傷処理 | 切り傷等の傷口を縫い合わせる |
皮膚切開術 | 皮膚にできた膿瘍(うみ)を、皮膚切開して体外に出す |
デブリードマン | 壊死した組織や傷口の異物を除去してきれいにする |
骨または関節の非観血的整復術、 非観血的整復固定術および非観血的授動術 | 脱臼等の治療で、皮膚の上から手や器具で骨や関節のずれを元に戻す 骨折等で、メスを使わず添え木やギブス等で固定する |
外耳道異物除去術 | 耳の中から異物を器具で取り出す |
鼻内異物摘出術 | 鼻の中に入った異物を取り出す |
抜歯手術 | 虫歯や親知らずを抜く |
なぜ保障対象外なのか? それぞれ理由はあるでしょうが、「手術費用があまりかからない(経済的負担が少ない)から」だと予測できます。
保険の責任開始日以降の手術であること
医療保険に加入していて保障が受けられる期間に発病した病気、発生した事故が原因で手術を受けたかどうかも大事なポイントです。自分では加入したつもりでも、保険料をまだ払っていなかったという場合などは、対象外となってしまいます。
また、加入前に診断を受けて手術を勧められていた場合、その後、医療保険に加入して手術を受けても手術給付金を受け取ることはできません。
ちなみに…
手術給付金は手術を受ければ何度でも出ますが、1日に複数の手術を受けた場合は、その中で手術給付金額が高い1回の手術のみが対象となります。その他の細かな支払事由は、保険会社によって対応が違う場合があるので、給付金が出るか出ないかは約款を調べてみないと分かりません。
約款は難しくて読んでもよく分からないという人は、保険会社の問い合わせ窓口に相談してみてください。