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よそからの延焼や、消防活動で被った損害は補償される?

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「自分は注意深いので火事を起こしたりはしない!」という人でも、他人が起こした火事のもらい事故は防ぎようがありません。
今回は、延焼被害と火災保険についての注意点をまとめました。


延焼で受けた被害を、火元に補償してもらうことはできない

まず大原則として、もらい火で損害を被ったとしても、火元に補償してもらうことはできません。失火責任法により、重過失がない限り火元は類焼の責任を負わなくてよいことになっているからです。そのため、完全な泣き寝入りになってしまう可能性も大いにあります。

だからこそ、自分は火事など起こさないつもりであっても、自衛のために火災保険に入っておくことが大切です。

もっとも、法律上の責任はないとはいえ、火事を出しておいて知らん顔というのは、実際にはなかなかできないでしょう。そこで火元の家から、その人の誠意として見舞金が出される場合はもちろんあります。先方がきちんと火災保険に入っていたならば、火災保険には「失火見舞費用保険金」として、そういう場合の見舞金が保険から支払われる補償もあります。たとえば三井住友海上の火災保険では、「1被災世帯あたり30万円を限度とし、1回の事故につき、損害保険金の30%を限度」とした見舞金が補償される特約があります。

それとは別に、「類焼損害補償」という補償がある火災保険もあります。これは、延焼先の火災保険が不足するか、火災保険に未加入だった場合、火元の火災保険によって不足分が補償されるというものです。被害を受けた側が火災保険に未加入だったとしても、火元の火災保険にこの補償があれば、損害が補償される可能性があります。とは言え、必ず付帯されているものではありませんから、これを期待して火災保険に入らないというのはあまりに無謀でしょう。

火事が他人の家に燃え移ったときの損害を補償する「類焼損害補償」は必要か?  

失火責任法は、「重過失のない場合」が前提ですので、火事の原因が重過失であると認定される場合は、火元に対して損害賠償を請求することができます。このとき、相手方に個人賠償責任保険があるなら、保険から賠償金を得ることができるでしょう。個人賠償責任保険は火災保険の特約のほか、自動車保険の特約としてや、単体でも加入できます。

個人賠償責任保険に入っていなくても、相手方が支払いに同意すれば、賠償金は受け取れます。しかしながら、相手自身も火事で損害を受けている状態では、保険の補償なく賠償金を出せる余裕があるかは疑問です。ない袖は振れないということで、自己破産などされてしまえば、お金は受け取れないことになります。

賠償金の請求には裁判を行う必要もありますから煩雑ですし、時間も要します。やはり、延焼であっても、火災の損害は自分自身の火災保険で補償するのが本来ですし、一番スムーズだと言えます。

消防活動によって被った被害は補償してもらえるか?

延焼被害とは少し異なりますが、火事の際には、消防などが消火活動を行った影響で損害を被ることがあります。

消防は延焼が広がるのを防ぐために、まだ火が到達していない隣の家にも放水することがありますし、密集した住宅の場合、家を破壊することで延焼を防ぐ場合もあります。消防活動の妨げになるものをやむをえず破壊することもあるでしょう。

こうした、消防活動にともなう破壊行為などについては「消防法」という法律に定めがあります。こうした破壊行為は消防法によって、正当な理由がある場合(「延焼防止のためにやむをえない」場合や「人命救助のために緊急の必要があるとき」など)は適法なものであると認められています。

そのため損害賠償請求などはできないのですが、消防法には「そのために損害を受けたものからその損失の補償の要求があるときは、時価によりその損失を補てんするものとする」と定められており、「前項の規定による補償に要する費用は、当該市町村の負担とする」となっています。つまり、市町村に補償してもらえるわけです。

ただし、例外があり、損害を被ったのが「延焼の虞がある消防対象物」である場合は、この対象となりません。

A家が火元となる火事において、このままではB家にも延焼しそうだとなって、消防がB家の家屋の一部を破壊した場合、これはB家のためにやったことなので、補償を求めることはできないのです。このとき、C家には延焼のおそれはないけれど、消防活動の都合で損害が与えられた場合、C家は損害を補償してもらうことができます。

補償されたとしても、補償額は「時価」と定められている点も要注意。再調達価額ではないので、結局、補償額は不足することも多いのではないでしょうか。

このように、消防の影響で被った損害は、補償される場合もあるけど不十分になりがちで、そもそも補償されない場合もあるのですから、やはり、火災保険の重要性は揺らぎません。火災保険では、他家の火事に対する消防活動で被った被害も、補償してもらうことができます。

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