【20代編】年代・性別で考える生命保険の保障内容や保険料の相場

社会人となった多くの20代の人が、自分のこととして初めて向き合う生命保険。まだ若いだけに、要・不要を含めて、さまざまな見方があるでしょう。

20代で生命保険を検討するならどんな内容が適しているのか? 人それぞれではありますが、できるだけ一般論を踏まえて考えます。

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死亡整理金は500万円ほどあれば安心

死亡保険金の使い道は、大きく分けて、死亡整理金(葬儀やお墓の費用など)と、遺族に残すお金です。そのうちの死亡整理金は、家族構成にかかわらず、一人あたりの平均額を求めやすい金額です。

まず、葬儀費用の平均は196万円という調べが出ています(※1)。ここには、通夜からの飲食接待費やお布施なども含まれています。あくまで全国平均ですので、地域によっては異なる場合もあります。

お墓関連費では、最初にお墓を建てるときに286万円(墓石代170万円、墓地使用料116万円)、管理料が毎年3,320円かかります(※2)。

以上のデータをふまえると、死亡整理金として500万円ほどあれば足りると言えます。一般的に若い方は貯蓄の準備ができていないので、500万円に対する不足分を保険で補えばいいでしょう。

※1.日本消費者協会第11回「葬儀についてのアンケート調査」報告書(平成27年)。ただしサンプル数や調査方法に疑問もあり、あくまで目安として。
※2.全国有料石材店の会「お墓購入者アンケート調査」(平成28年)の全国平均値。 墓地使用料・年間管理料は東京都公園協会による都立八王子霊園(平成28年度公募)の例。墓地は4.0平米貸付時のみ。

家族構成によって死亡保障額を変える

20代にかかわらず、結婚しているかどうか、もっと言えば、子供の有無によって生命保険の必要性は大きく変わります。

独身の場合

死亡整理金があれば問題ないでしょう。ただし、もし負債を抱えていて、貯蓄で相殺できそうにないなら、その分も死亡保障に上乗せしておくべきです。遺族にお金を遺せなくても、借金だけは遺さないよう準備したいものです。

その他、親兄弟との関係性により、特別な思いがある場合は保障を上乗せしてもいいと思います。

子供のいない夫婦の場合

20代で子供のいない夫婦なら、独身と同じ考えで死亡整理金のみの準備でもいいでしょう。共働きならなおさら、独身前の生活に戻るだけです。

専業主婦(夫)のパートナーに多少のお金を遺してあげたいと思う場合は、次の職を見つけるまでの生活費として100万円ほど上乗せするくらいでしょうか。

子供のいる夫婦の場合(妊娠中含む)

主にどちらか一方の収入で生計を立てている場合、一家の大黒柱には当然、しっかりとした死亡保障が必要でしょう。

共働きの場合で、世帯の家計がパートナーの収入も含めて成り立っている場合も、もちろん大切。しかも、家事のほとんどを一方が担っている場合、それが妻とすれば、妻の死亡時のほうが経済的ダメージが大きいかもしれません。ベビーシッターや家事代行も必要になることを考え、妻の死亡保障もしっかりと準備する必要がありそうです。

必要な保障額の目安として、生命保険文化センターの調べでは、次のような金額が発表されています。

  • 全生保(かんぽやJAも含む)の普通死亡保険金額:2,255万円
  • 世帯主が29歳以下の世帯の場合: 2,475万円
  • そのうち、世帯主の普通死亡保険金額:1,406万円(全年齢)
  • 妻の普通死亡保険金額:758万(全年齢)

※引用:生命保険文化センターの平成30年度「生命保険に関する全国実態調査」(速報版)

もちろん、家族構成ほか、住まいの状況などによっても死亡保障額は変わってきます。たとえば住居費の心配がない家族なら、教育費相当分だけを保険金で用意して、生活費は遺族年金と遺された配偶者の稼ぎで賄うなどという考え方もあるでしょう。

よろしければ下記ページも参考にしてください。

関連:死亡保障の必要額はいくら?モデルケースでシミュレーション

医療保障は高額療養費ありきで考える

生命保険と併せて医療保険を検討する方もいるでしょう。その際は、まず公的な健康保険にある「高額療養費」という制度ありきで考えてください。

詳細は医療保険を専門に扱った別ページに書いていますが、一般的な収入の方なら、1か月間(月初~月末)の医療費は最高でも9万円程度しかかかりません(それ以上かかっても公的保険が肩代わりしてくれます)。この約 9万円を 30日で割ると一日当たり3,000円の自己負担となりますから、医療保険の入院給付金日額は5,000円あれば足りそうです。

関連:【20代編】年代・性別で考える医療保険の保障内容や保険料の相場

その他、がんが心配な方や、働けなくなったときが気になる方もいるでしょうが、どうしても譲れない保障にだけ、少しプラスして加入する程度でいいでしょう。

保険料は 1万円までが適当

以上を考えてみると、20代は保険にたくさん入る必要がなさそうです。

仮に、子供が二人いる25歳男性を例に、3社ほどで見積り例を出してみました。教育費は2,000万円分を定期保険するとします。わかりやすくするために定期保険にしましたが、収入保障保険で用意するのもいいでしょう。

某3社での見積もり

保険保障内容月払保険料
生命保険2.500万円(65歳まで保障)4,955円
医療保険入院日額5,000円(終身払)1,311円
就業不能保険10万円/月給付(65歳まで保障)2,180円
合計の保険料:8,446円/月

独身の方は、生命保険の部分を 500万円の定期保険にすると 1,191円まで下がり、合計が 4,682円になります。

今後の変化にフレキシブルに対応できるよう、貯蓄も心がけていきましょう。

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