【30代編】年代・性別で考える生命保険の保障内容や保険料の相場

30代は変化の多い時期です。起業をする方もいれば、結婚して家庭を持つ方もいます。教育費の準備に取りかかる方もいるでしょう。マイホームを考える方、転職を考える方……。さまざまな変化の始まりが30代という年代です。

そんな30代にどんな保険が考えられるのか、いくつかのパターンで考えてみます。

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死亡整理金は500万円ほどあれば安心

本人の状況に関わらず、用意しておきたいのが死亡整理金です。死亡保険金の使い道は、大きく分けて、死亡整理金(葬儀やお墓の費用など)と、遺族に残すお金です。そのうちの死亡整理金は、家族構成にかかわらず、一人あたりの平均額を求めやすい金額です。

まず、葬儀費用の平均は196万円という調べが出ています(※1)。ここには、通夜からの飲食接待費やお布施なども含まれています。あくまで全国平均ですので、地域によっては異なる場合もあります。

お墓関連費では、最初にお墓を建てるときに286万円(墓石代170万円、墓地使用料116万円)、管理料が毎年3,320円かかります(※2)。

以上のデータをふまえると、死亡整理金として500万円ほどあれば足りると言えます。一般的に若い方は貯蓄の準備ができていないので、500万円に対する不足分を保険で補えばいいでしょう。

※1.日本消費者協会第11回「葬儀についてのアンケート調査」報告書(平成27年)。ただしサンプル数や調査方法に疑問もあり、あくまで目安として。
※2.全国有料石材店の会「お墓購入者アンケート調査」(平成28年)の全国平均値。 墓地使用料・年間管理料は東京都公園協会による都立八王子霊園(平成28年度公募)の例。墓地は4.0平米貸付時のみ。

家族構成によって死亡保障額を変える

独身の場合

独身の方なら、大きな死亡保障は必要ないでしょう。死亡整理金の500万円程度で十分です。お墓のことを考えないなら300万円で足りると思います。ただし、借金がある場合は、その分を保険でカバーしておくといいでしょう。身内に迷惑をかけるのはよくないですからね。その他、親兄弟との関係性により、特別な思いがある場合は保障を上乗せしてもいいと思います。

同居の家族がいるなど世帯構成にもよりますが、金銭的に頼れるのは自分だけという方もいるでしょう。そんな方は、就業不能保険を検討してもいいかもしれません。短期の入院なら貯蓄でも対応できるでしょうが、働けない状態が長く続いたときの経済的ダメージは計り知れないからです。

子供のいない夫婦の場合

男女ともに生活力のある夫婦なら、死亡整理金に少しプラスする、くらいでいいでしょう。配偶者が亡くなっても、自立できるなら死亡保障を手厚くする意味は低いからです。

結婚を機に退職した方でも、いざというときには速やかに社会復帰できるような準備はしておくべきでだと思います。

子供のいる夫婦の場合

30代なら、まだ子供が小さかったり、またはもう一人を希望していたり……。どちらにしろ、子供の独立とは程遠い年代ですから、死亡保障のほか、教育費もいります。

教育費は、進学コースにもよってかなり左右されますが、一人につき1,000万円は見ておく必要があります。教育資金を学資保険や終身保険など、貯蓄性のある保険で準備をする人も多いでしょうが、教育費をフルカバーできるほど高額な貯蓄保険に加入する人はいないと思います。子供の人数が多ければ、さらに厳しいでしょう。

生活費は、遺されたパートナーの収入と遺族年金でなんとか賄っていけるとしても、せめて教育費の分だけでも死亡保障で確保するという考え方もあります。 具体的には、フルタイムの共働き家庭(住居費の心配がないと仮定)に未就学児が二人いるとすると、

・教育費2,000万円+死亡整理金500万円

くらいの準備があると安心です。

ほかには、社宅など賃貸住まいの家庭は、住まいの費用が心配になります。賃貸ならば、遺された家族がせめて家賃の心配をしなくていいように、地域の住宅の相場分くらいの保障額を準備しておいてもいいでしょう。一例として、福岡県福岡市中央区で60~70平米の中古マンションは、2,226万円が相場です(2018年12月現在)。住居費と死亡整理金で最低でも2,700万円は保険で用意しておきたいところ。できれば、教育費分も上乗せしたい!というところでしょうか。

家族構成、住まいの状況などによって、わが家の場合、死亡保障がいくら必要なのかは変わってきます。下記も参考にしてください。

関連:死亡保障の必要額はいくら?モデルケースでシミュレーション

医療保障は高額療養費ありきで考える

生命保険と併せて医療保険を検討する方もいるでしょう。その際は、まず公的な健康保険にある「高額療養費」という制度ありきで考えてください。

詳細は医療保険を専門に扱った別ページに書いていますが、一般的な収入の方なら、1か月間(月初~月末)の医療費は最高でも9万円程度しかかかりません(それ以上かかっても公的保険が肩代わりしてくれます)。この約 9万円を 30日で割ると一日当たり3,000円の自己負担となりますから、医療保険の入院給付金日額は5,000円あれば足りそうです。

関連:【20代編】年代・性別で考える医療保険の保障内容や保険料の相場

その他、がんが心配な方や、働けなくなったときが気になる方もいるでしょうが、どうしても譲れない保障にだけ、少しプラスして加入する程度でいいでしょう。

保険料は1万円強が適当

以上から、子供が二人いて、2,500万円の死亡保障が欲しい35歳男性を例に見積もってみました。一般的に馴染みのある定期保険で見積もってみましたが、必要保障額というのは、子供が大きくなるにつれて減少していくものです。その意味では、収入保障保険のほうが合理的だというのが当サイトの見解です。

某3社での見積もり

保険保障内容月払保険料
生命保険2.500万円(65歳まで保障)6,937円
医療保険入院日額5,000円(終身払)1,807円
就業不能保険10万円/月給付(65歳まで保障)2,600円
合計の保険料:11,344円/月

独身の方は、生命保険の部分を 500万円の定期保険にすると 1,587円まで下がり、合計が5 ,994円になります。

あくまで一例として、参考にしていただけますと幸いです。

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