その保険会社は信用できる?格付け機関の一覧

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できるだけ安全な保険会社を選びたいのですが、保険の格付けって信用できますか?

保険会社が破綻しても、契約者を護る仕組みや機関があることが知っているのですが、だからといってダメージがゼロというわけじゃないだろうし、やっぱり危険な会社は選びたくないです。そこで保険の格付けを見てみたのですが…いまいちよく分からず……というか、あれって信用できるのでしょうか?

客観的なデータとして信用できると思いますが、参考程度に留めておくが正解です。

保険の格付けは、保険会社がきちんと契約を果たす能力があるかを、専門の格付け会社が独自に調査し、成績表のような形で公表しています。信頼のおけるデータとして参考にする価値は十分あるでしょう。ただし、当然ですが、100%安全というわけではないので、参考程度に留めておくくらいが調度いいです。

せっかくなので、代表的な格付け会社と評価内容についてざっくりと見ておきましょう。

代表的な格付け会社と評価内容

主な格付け会社は以下の4つです。

  • スタンダード&プアーズ
  • 株式会社日本格付研究所
  • 株式会社投資情報センター
  • ムーディーズ

一般的に、「AAA」が最も評価が高く「BBB」以下のスコアは不安要素ありという判定です。

スタンダード&プアーズ(S & P)

1860年創業のアメリカの格付機関です。日本に進出したのは1986年。「投資家の知る権利」を理念にさまざまな市場の金融商品を調査してきました。

BBBから上位の会社は「不安要素よりも強みが上回る」という評価で、BB以下はその逆です。

AAA保険契約を果たせる能力が極めて高い
AA保険契約を果たせる能力が非常に高い
A保険契約を果たせる能力は高いが、事業の雲行き次第では不安あり
BBB保険契約を果たせる能力はまずまずだが、事業の雲行き次第では不安あり
BB保険契約を果たせる能力が普通。事業の雲行き次第では不安が現実化しそう
B保険契約を果たせる能力が弱い。事業の雲行き次第では不安が現実化する
CCC保険契約を果たせる能力が非常に弱い。事業の流れに依存しすぎている
CC保険契約を果たせる能力が極めて弱い。すべての支払いができない可能性が高い
R問題があり規制当局の監督下に置かれている
NR格付け不可能

株式会社日本格付研究所(JCR)

設立は1985年。金融市場のほか、医療機関、学校法人などの調査・研究を行う日本国内の主要な格付け会社です。

スコアは以下の通りです。

AAA保険契約を果たせる能力が最も高い
AA保険契約を果たせる能力が非常に高い
A保険契約を果たせる能力が高い
BBB保険契約を果たせる能力は確認できるが、将来的には不安定になっている可能性がある
BB保険契約を果たせる能力は当面問題ないが、将来的には分からない
B保険契約を果たせる能力が乏しく、不安要素がある
CCC既に不安要素を抱えており、保険契約を果たせない可能性がある
CC保険契約を果たせない可能性が高い
C保険契約を果たせない可能性が極めて高い
D保険契約が果たせない状態になっている

株式会社格付投資情報センター(R & I)

1975年、日本経済新聞社の社内研究所として生まれ、2008年に現在の社名に変更しました。格付事業、投資評価事業、情報事業の3つで成り立つ国内を代表する格付会社です。

保険金が契約どおりきちんと支払われるか、その能力をA~C段階で評価しています。

AAA保険金支払能力は最も高く、多くの優れた要素がある
AA保険金支払能力は極めて高く、優れた要素がある
A保険金支払能力は高く、部分的に優れた要素がある
BBB保険金支払能力は十分だが、将来の環境次第では注意すべき要素がある
BB保険金支払能力は当面問題ないが、将来の環境次第では十分注意すべき要素がある
B保険金支払能力に問題があり、絶えず注意すべき要素がある
CCC保険金支払不能に陥っているか、そうなる恐れが強い。保険金を支払うための資金は回収できないかもしれない
CC保険金支払不能に陥っているか、そうなる恐れが極めて強い。保険金を支払うための資金はある程度しか回収できない
C保険金支払不能に陥っており、保険金の回収もほとんど見込めないい

ムーディーズ

1985年の設立の世界的な格付・調査企業です。厳しい倫理基準に基づいて中立・公平に調査してきた実績が評価され、世界中の各市場や投資家に大きな影響を与えています。

格付け記号が他社とは少し異なりますが、等級と評価はだいたい同じです。

Aaa支払能力が極めて優れている優良保険会社。信用力が変化する可能性はあるが、よほどのことがない限り問題ない
Aa支払能力が優れている優良保険会社。Aaa格よりはやや長期的なリスクが高い
A支払能力が良好な保険会社。しかし将来的な不安要素を抱えている
Baa支払能力が適切な保険会社。しかし長期的には不安要素をいくつか抱えており、信頼性が不足している部分がある
Ba支払能力に疑問がある保険会社。安全性は十分とはいえない場合もある
B支払能力が弱い保険会社。長期的にみた場合、契約の期日通りに支払われる可能性が低い
Caa支払能力がかなり弱い保険会社。支払いできない状態に陥っているか、期日通りの支払いが困難である要素がある
Ca支払能力が極めて弱い保険会社。支払いできない状態に陥っているか、重大な危険性がある
C支払能力が最低の保険会社。支払いの安全性が確保される見込みは極めて薄い

さいごに

各社の細かい調査基準などは相応の知識がないと理解しづらいので、単純にスコアを参考にするだけで十分だと思います。これと同時に、保険会社の支払い余力を示す「ソルベンシー・マージン比率」もチェックしておくとよいでしょう。

繰り返しになりますが、これらは目安の一つです。信頼できる数値ではありますが、評価が高いからといって絶対安心というわけではありません。逆もまたしかりです。あくまで一般人にもできる最低限のチェックとして活用してくださいね。

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